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魔法少女にあこがれて

誰にも見えない、わたしにしか見えていない
自分の頭上近くを飛び回る妖精
わたしの話し相手

そんな小さな妖精を伴って日々歩いていた
自然と口元がゆるみ、周りを見渡したくなる

一緒に空を飛べたらいいのにといつも願っていた
ふわふわでうすい羽をキラキラさせながら自由に




ずっと忘れていた
あの妖精ちゃんはなんだったのだろう
思春期の私の頭の中にいた妖精ちゃん
具体的な思い出があるわけではない
けど密かにほんのりずっといた
いつも私の近くに

魔法を使いたかったわけじゃない
空を飛びたいなんて本気で思っていたわけじゃない
ただ本音で話せる、心の内をすべて話せる味方がほしかった

まいにちのできごと、人との会話、自分が考えたこと
特に自分の頭の中で飛躍して思いついたことや
今までの記憶の中から紐づけられて繋がったこと

そんな他人に言葉で説明するには気の遠くなるような
聞いている方も何がなんだかわからなくなってしまうような
そんなことを受けとめてくれる存在




それが魔法なんだ、私には。
魔法少女にあこがれたまま。

けど今なら魔法をつかえるようになっていくかもしれない。

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