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日中お互い良いところを学ぼうVol.1〜情熱中国大陸〜

始めて日本に旅行に来た中国人は、以下の驚きの言葉を必ず誰もが口にする。

「哇塞」(うわあ!)

「怎么这么干净!」(なんでこんな綺麗なんだ?)

「洗手间怎么可能这么干净啊!」(トイレが有り得ない程綺麗!)

「人人都很亲切体贴」(人が皆とても親切で優しい)

「想像中的日本和实际上的完全不一样」(想像してた日本と全く違う)

「很有礼貌、素质很高」(礼儀正しく素養が高すぎ)

日本に滞在している時、彼らも流石に「小日本」「鬼子」とは決して言わないのだ。

テレビでお互いの悪い部分、滑稽なニュースばかりを流して何になるのか?お互い何を恐れているのか、無意味で有害な情報操作は、滑稽を通り越して、不健全極まりないと私は感じるし、そしてそれは未来に何も残さない。

今の時代に、周恩来と田中角栄にもう一度登場してもらい、面と向きあい、本音で話しあえれば、人智で解決出来ない事はなく、現代の日本人も中国人も、目が覚め、共にもっと健全に発展する方法を容易に見つけられるのではないだろうか?

中国のネットの自己啓発系メールマガジン、ブログ、SNSがたくさんあるが、日本の良い部分を学び、自分たちを高め、より良くしていこうという流れがある。日本の小学校教育、日本の公衆道徳の高さ、日本の企業の精神、態度などについて、日本の素晴らしい部分を尊敬し、「中国は50年100年遅れている!」と謙虚に受け止め見習い、自分たちを良くして行こうという、大きな流れがある。これは確実に根付き、止める事が出来ない程になっている。

逆に、日本で中国の良い部分を学び、自分たちを高め、中国を見習ってより良くしていこう、という謙虚な態度、風潮があるだろうか?「中国が凄いなんて幻想だ、恐れる事などない、ハリボテはすぐボロが剥がれて崩壊するに決まってる」なんていう事を良く耳にする。そして滑稽なニュース、民度の低さを意図的に取り上げるニュースばかりが目につく。

戦国時代、敵情報告をする者が、お殿様に耳障りの良い情報を入れ、ご褒美を欲しがるようで醜い。お殿様、仲間達の不安を一時的に解消させる効果があるかもしれないが、決して国のためにはならない事は言うまでもない。

もしかしたら、実は中国側に買収されて、日本は素晴らしいんだから、危機感なんか持たず、もっとどっしりと、ゆったりのんびりしていればいい、中国はまだまだレベルが低い、と油断させておく為の情報を流すように仕向けられている罠なのではないか?とさえ疑う。

本当に国の事を想っている者は、敵国に入り込み、相手の本当の実力を見極め、不要な過小評価もせず、自国と比較し、殿様にとって耳障りな情報も、機嫌を損ねようが、恐れずに正直に伝え警告するものだ。

在日中国人の知り合いがいる人も多いと思うが、20年前のイメージのまま彼らを見ていないだろうか?日本人よりもある意味丁寧で礼儀正しく、レベルの高い人たち、しかも「日本に敬意を持って生活している」中国の人たちが、物凄くたくさんいる事を忘れてはいけない。

「中国人」に対する昔の「良くないイメージ」だけで、中国人全体を見ていないだろうか?あなたは、自分が中国人から何か酷いことをされた事があるだろうか?何か具体的に、個人的に、迷惑を被っているだろうか?

もし迷惑を被っているなら面と向かって、その人に言えば良い。心無い誹謗中傷、無責任な、顔を見せない卑怯なネットの発言や報道は、無実の善良な多くの在日中国人を非常に傷つけていると容易に想像出来る。とても悲しい事だ。

ただ「中国人観光客」は別にして考えた方が良いかもしれない。あまり教育も受けず、食べるのにも苦労して来た世代が、子供も大きくなり、お金に余裕が出て一気に連れ立って日本旅行に来る。そしてあちらこちらの観光地で、その態度素行の悪さがしばしば問題になる。しかし、それを日本人以上に批判し、警告をしているのも在日中国人である事はあまり知られていない。

中国人観光客の事をコテパンにバカにしているが、我が国の「日本人観光客」だってほとんど同じだ。「旅の恥はかき捨て」などといい、ついこの間までは、金に物を言わせる下品な「エコノミックアニマル」と、欧米、アジアの人から言われて、軽蔑されていた事を忘れていないだろうか?

今でもバックパッカーなどで、とにかく金をかけずに、東南アジアを「利口に」遊んで回る日本の若者達や、出張経費は使わず自分のポッケに入れ、人の金で遊ぶ日本人サラリーマンは、「どケチだ」言われ、中国人観光客よりも評判が低い事を知っているだろうか?

「あなた中国語が話せるなら、バーや繁華街では中国語を喋ってたほうが、絶対にモテるよ」とマニラでタクシー運転手に言われた事が、未だに忘れられない。気前がよく、遊ぶお金にケチケチしていない、のが中国人のイメージなのだそうだ。「日本人はその逆なんですね」と運転手に聞くと、苦笑いしていた。

私は、永い間中国人と関わって来て、具体的に、個人的に、酷いことをされたり、迷惑を被って来た経験は、まあまあ沢山ある(笑)。しかしそれは、自分の無知と経験不足、荒唐無稽な勝手なマイナスイメージや誤解、懐疑心が原因で起こった事と今では思っている。逆に助けられたり協力して貰ったり、感謝している事はそれ以上にたくさんある。

日本には、華僑・華人が、100万人居ると言われる。彼らが、本当の日本を伝えたいと、自分で見て感じた事を、いい事も悪い事も、皆が知りたい事、伝えたい事、真の日本を、リアルに発信している。

昔から発行されて来た「東方新報」や「知音報」「日中新聞」「新華時報」等の華人媒体はたくさんあるが、今は進化して、個人のブログ、オンラインショップ、また今一番Hotなものが、ネットインフルエンサーの「網紅」が有名である。旅行、買い物、生活、政治、経済、等身大の「動画」や「生放送」は、真実を伝えるだけでなく、経済活動の大きな流れとなっている。

網紅が爆発的に広がっている理由は、旅行で圧倒的に増えた人々の往来と、ネット環境の進化だ。中国国内では情報は規制され、企業などの情報も真実ではない事が多く、基本的に人々は「信用していない」という素地がある。

特に中国人は「本音と建前」をハッキリと持っており、「本音」の部分は口コミで一気に広がるという傾向がある。

日本のデパートや企業も、実際的宣伝効果が見込めると判断し、広告料を払い、キャンペーンなどを組んでいる。「網紅」を研究し、販路拡大を狙う日本企業も増え、今までとは違う、「新しい媒体」と認識され賑わっている。

これは日中相互理解の大きな架け橋になっているだけでなく、膨大な経済効果をも生んでいる。妬んだりバカにするのは、きちんと理解、研究してからにした方が良さそうだ。


つづく


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