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ゲームと消しかすと多様性

この記事は『FUN Advent Calendar 2021』の11日目の記事です。

昨日の記事は、azurataさんの「ETロボコンへのお誘い」でした。
ETロボコン、楽しそうですね!C++はゲーム開発でもよく見るので、やってみると楽しそうだなぁ…ロボットシミュレータの画像がUnityっぽいのも個人的気になりポイントでした!

誰だお前

こんにちは。未来の大学5年目、北の国でデータサイエンス等を勉強をしているフクロウです。趣味でUnityのカジュアルゲームも作っている弱小ゲーム制作者です。

▲「灯篭-TOUROU-」というゲームです。(一応スマホからも遊べます)

今年は何をかけばいい?

実は「FUN Advent Calendar」さんには2年前から参加させていただいております。主にPart2の方で書きたいことを書く、とスタイルで技術と全く関係ない話をしてきました。
(Part2の方が技術なしのカオスな記事書いていい印象がある)

で、今年もせっかく参加させていただけるということで、Twitterのほうでアンケートを取りました。

というわけで、今回は「Unity・ゲーム制作関係」の話をしたいと思います。

実は、ゲーム制作関係の話題をするのは2年前から構想そのものはあったのですが、納期的な問題や書きたいことを書いているうちに流れてしまっていました。しかし、投票いただいた中で今年は特に多かったので、逃げずにちゃんと書こうかなぁと思います。

自分はなぜゲームを作っているのか?

かなりUnityの話から外れますが、最近就活に向けて、ポートフォリオを作って自分の作品をまとめました。その時に、ふと「そういえばなんでゲーム制作してるんだろう」という疑念が出ました。

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▲ポートフォリオのために作ったサイト(ScrapBox)
技術力はお察しですが、載せちゃいけないやつも含めて30作ぐらいでした

というのもそもそもゲーム制作、けっこうパワー使うし大変だと思っています。僕の制作物は、正直1分くらいで終わるくらいの小さな個人開発ミニゲーム程度でしかありません。ですが、

  ・「アイデア」、「絵作り」、「プログラム」(ゲーム本体)
  ・「難易度やゲームルール」の調整
  ・チュートリアル、UIなどの「最低限遊んでもらうための誘導
  ・できた制作物を見てもらうための「宣伝

この位の事をUnity1weekなどのハッカソン1~2週間の納期でやるのは、正直大変な作業だと毎回思っています。(終了後反動で1、2日くらい何も手につかない)

正直僕も作ってて、「ゲーム制作面倒過ぎない????」と思うことがほとんどです。また、技術が大好きな側ではなく”面白いことを形にしたい”側のプログラマーなので、作っていて「なんでうまくいかないんや…」と絶望することが往々です。

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▲宮崎御大ですらこういうんだしたぶんそういう摂理

それ以外の道にしたって、Web系の制作やサーバを構築してサービスを作るとか、情報系の技術を別の方向に伸ばす道もあったような気がしました。(実際にそういうのをやっていた時期もあります。)

でも5年間、少ない知識ではありますが、一応ものは作ってきたわけです。「じゃあなんでゲームなんだろう?」と。

なので今回は、自分がめんどくさいながらゲーム制作を続けている理由、原動力みたいな体験のことを書こうかと思います。

どうしてゲームを作ることに?

そもそも、どこからゲーム制作を始めたかといえば、サークルがきっかけでした。入学後初めてできた友人から「ゲーム制作サークルの見学に行こうと思う、君もどう?」と勧められたことがきっかけでした。

実際、高校当時勉強に嫌気がさしてMGSとかICOとかワンダとかDMCとかATLUS系とかやりまくってた時期はありましたが、「自分で作ってみよう」という感じは正直なく、ここまで続くものだと正直思いませんでした。

その後、サークルに正式入部し、(その友人がアルバイトでサークルをリタイアし、)そのまま居残る形で今のサークルでゲーム制作をしています。
なので、ゲーム制作を続けている理由として、「強烈にゲームを作りたい」というよりはほんのりと「触っている技術で一番触っている物」くらいで続けている節はあります。

「けしかすねりねり」の話

ですが、個人的に過去の作品で「あぁ、ゲーム制作って面白いことがあるんだなぁ」と強く覚えているものがあります。

それが、「けしかすねりねり」というゲームです。

▲「けしかすねりねり」
30秒で消しゴムをこすりまくり、消しかすを集めて巨大にするゲーム

このゲーム、お題の「あつめる」から「消しかすを集めるゲーム」として作ったものでした。もう3年前のゲームですが制作物の中で今でも一番気に入っている作品です。

というのもこのゲーム、ゲームのアイデアを一見ゲームらしくないリアルっぽい絵面に挑戦したとか、実装を当時頑張ったとかいろいろあるんですが、自分の想像をうわまわる反応をもらえた初めての作品だったということが一番気に入っているポイントです。

ランカーは制作者超えの夢を見るのか?

Unityroomさんには「ランキング機能」を簡単に実装できるプログラムが公開されています。これを利用して「けしかすねりねり」にもスコア機能を実装して、皆さんが競い合えるようにしていました。

このゲームの制作中、当然制作者が一番プレイしているのでおおむね4000点くらいのスコアは出せそうだということがわかりました。まぁ大体これよりちょっと上ぐらいが出るだろうと予想してゲームを調整しました。

後日友人に遊んでもらったさいに、「どうしてもランキング1位になれない」といわれ、ランキングを見てみました。

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▲ランキング(当時)
ちなみに今見てきたらトップが30,000点でした。???
(たぶんバグだと思うので出し方教えてください)

8000という想定の倍の数字に爆笑しました。

こういう「制作者のハードルをいともたやすく抜けていく」という体験は当時ものすごく衝撃でした。また、「自分の想定している以上にゲームを真剣に遊んでくれている」という体験が何よりうれしかったように思っています。

実際にRTAやTASの文化など『制作者の想定を超える”遊び”を考える』というのは、ゲーム特有の現象というか「遊び」という前提だからこそ好きなようにプレイした中から生まれてくる楽しみだと思います。遊んだ人すら新たな遊びを作り出し、多様性が枠を飛び出して伸びていくというのはひとつ「ゲーム」の持つ面白いところだと思います。

そういう意味でも、「遊びの中から出てくる”新しい遊び”」とか「プレイヤーが制作者を超えていくような衝撃」みたいなのはゲーム制作でしか得られない体験なのではないかなぁと思います。

「なんかよくわかんないけど楽しい」

それと、遊びかたが想定を超える、というのは何もトップランカーだけではありませんでした。

実は、このゲームをネットで公開した後、学校祭の方にもリアルで出展しました。

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▲学校祭の様子(2019年)
対面でリアルな反応を見るのはめちゃくちゃ勉強になりました

学校祭の方には地域の大人や一緒に来る小学生くらいの子が毎年来てくれていました。特にゲームということで子供たちがそこそこ来てくれてます。毎年何度も挑戦に来てくれる猛者から、ゲームに不慣れな小さな子まで遊んでもらっています。(ありがとうございます!)

そんな中で上の「けしかすねりねり」を出展した際、マウス操作がやっとできるくらいの小さな年の子がいました。その子はスコアを狙う30秒のモードはやらず、タイトルのフリーモードをずっとやり続けてひたすらねりケシをでかくして楽しそうにしていました。

実際、OPにフリーモードを付けたのはあくまで練習のため、ルール理解の導線として引いているもので、「OPで巨大ねりケシを作って、延々と消しゴムを消費して遊ぶ」という遊びは想定していませんでした。

その子に「なんかめっちゃやってるね」と声をかけてみた時に、その子から「なんかわかんないけど楽しい」といわれ、その子は満足そうに最後帰っていったのを覚えています。

その子に「消しかすを集めてでかいのを作る、小学生のあるあるみたいなゲーム」という自分の思惑を理解してやっているとは思いません。ですが、「触るだけで楽しい」「なんかわからないけど癖になる」というのはインタラクティブな動きを作るゲームとしてとってもいい評価をいただけたんだな、と今でも思っています。

これがソフトとしての「利便性」を追求するものだったら「仕様にそぐわないから削除しよう」となるものです。しかしゲームでは、「そういう遊び方ができちゃってもOK」「意図しない挙動でも面白いから採用しよう」など、「遊びの幅としてあえて残しておく、あえて余白を作る」というのは、かなり特異な点だと思っています。

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▲その後のゲーム制作では、「触れるチュートリアル」を意識したり、
意図してフリーモードを入れたりするようにしています

そういう意味でも、遊びの多様性というのは「やりこみ」だけでなく「わからなくてもたのしい」まで幅広く作れるものなんだな、というのが「消しかすネリネリ」を作って一番面白い体験だったように感じます。

「楽しい」は遊んでくれた人の中にある

ここまでの話の中で、「なぜ自分はゲーム制作をしているのか?」という問ですが、「多様性のある”遊び”を作れるプログラムだから」、「遊んだ人それぞれが楽しいと思ってもらったり、制作物の枠を超えて触ってもらえるから」というところに尽きるんだと思います。

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▲ダイパリメイクの「謎の場所」
こういうバグだって、ネタやRTAで話題になるも多様性かなと思います

制作する側の表現もそうですが、触ってもらう人とともに楽しい成果物を作っていける、そういう広がりがある点がほかならぬ自分が「ゲーム」を作ってる理由なんだろうなぁ、と振り返って感じました。

終わりに

というわけで、僕がゲーム制作をやっている理由、もといゲーム制作の中で感じた楽しい体験の話でした。内容的にあんまりUnity絡めてませんが(ごめんなさい)、真面目にゲーム制作についてかけたので自分にとってもいい機会だったかなぁと思います。

実際この記事を書くためにポートフォリオついでに振り返ったり、いろいろ考えることがあったりで結構カロリーが必要でした。昨年度までの記事みたいに、ネタを挟まないと真面目なことが書けないので、本当に絞り出すのに苦労しました…
(ふざけたいの読みたい人は最後のおまけの方読んでください…)

なので、文章の内容が支離滅裂だったりするときは許してください…雰囲気だけでも感じてもらって「なんかゲーム制作たのしそうだなぁ」と思ってもらえればうれしいです…

というわけで長々と語ってきましたが、本編はおしまいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!!!

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▲お前もゲーム制作者にならないか?
「ならない。」

(以下!宣伝とかおまけです!)

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来週の宣伝

来週にサークル運営協議会様で行われる「Mirive(ミライブ)」というイベントにて、僕の所属しているサークル『FUGU(FUN Game Unity)』が出典します。

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(URL : https://sites.google.com/view/fugu-2021-miraisai)
▲FUGU(FUN Game Unity)のWebページ
12/19(日) 13:00~ サイトがオープンします。

イベントがCluster(VR空間)上で行われるということで、自分もCluster向けゲームを制作するつもりです。お暇な方は遊んでいただけますと嬉しいです。(制作に一切手を付けていないですが…)

また、僕以外の部員も面白い作品を出しているので、よろしければ遊んでいただけますと嬉しいです。学内以外の方も以下のWebページからアクセスして遊べるようになりますので、ぜひご覧ください。

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明日の記事のお知らせ

明日の記事は12日目、こたさんの「こたのちきちきお一人ハッカソン」です。記事公開直後からリアルタイムでハッカソン!?

明日以降もぜひぜひ読んでいただけますと嬉しいです!


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(おまけ)

この記事書くにあたって行き詰ってしまい、モチベがどうしてもあがらなかったので、「モチベを挙げる」記事まで書きました。どうして?????


(おしまい)

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