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ガン治療は歯科治療から始まる

妻が、古典的ホジキンリンパ腫のステージ3であることを医師から宣告され、抗がん剤治療を始めるに際して、まず最初に言われたのが、歯科治療だった。

奇妙に思われるかもしれないが、抗がん剤を使うと、白血球の数が極端に減ってしまい、免疫力が低下する。
すると、口内の虫歯とか、歯肉の腫れから、ばい菌が入って、病気になってしまう。
そうなると、抗がん剤治療を続けられなくなり、一旦停止せざるを得なくなる。

まずはかかりつけの歯科医院に行って、事情を話し、虫歯がないか、あれば治療をするようにと言われた。

そこで9月14日の週と15日の週は、歯科検診と治療で時間を費やす事になった。

重要な歯の健康

昨今は、歯の健康が、人体の健康に大きな影響を持つことが研究で明らかになっている。

例えば、歯周病菌と認知症の因果関係だ。
これは、10年ぐらい前から相関が指摘されてきたが、2020年10月5日に、九州大などの研究チームが、因果関係を明らかにした。
認知症の7割を占めるアルツハイマー型認知症は、アミロイドベータ(Aβ)などの異常な蛋白質が長年少しづつ脳に蓄積することで、発症したり、症状が進行する。

歯周病の原因菌やその毒素が血管を通じて体内に侵入することで、Aβが体内でつくられ、脳に蓄積されることが解明されてはいたが、蓄積のメカニズムは明らかではなかった。
実験において、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、Aβを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるたんぱく質の数が約2倍に増えていた。脳細胞へのAβの蓄積量も10倍に増えた。

認知症の原因物質 歯周病によって蓄積する仕組みを解明 ― 朝日新聞

認知症以外では、

・狭心症、心筋梗塞
・脳梗塞
・糖尿病
・妊娠性歯肉炎
・低体重児早産
・誤嚥性肺炎
・骨粗鬆症
・関節炎・胃炎
・メタボリックシンドローム

などに影響を及ぼしている事が判明している。

歯周病が全身に及ぼす影響 ― 日本臨床歯周病学会

私が経営している株式会社Spelldataでは、歯の健康が人体の健康全体に大きな影響を及ぼしている事を鑑みて、2020年から、会社負担で、半年に1回の歯科検診と歯石除去などを福利厚生で行うようにしていた。

その甲斐もあってか、妻の歯にちょっとした小さな虫歯が被せものの下にあったのが発見されたが、概ね、問題なく、その箇所の治療だけで済み、抗がん剤治療の開始を9月28日から開始することになった。

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