昭和、渋谷で、恋をしたり 3-10
前回のあらすじ(3-9)正月の三が日を避け、遅めの帰省をした泰輔。初めて寝台特急での帰省だった。それは、今までのように両親に飛行機代を貰わなかったからだった。
▶︎3-11へすすむ ▶︎目次をみる
標準語にならないよう気をつけた
1年ぶりの実家だった。大学に入ってからは年に2回、決まったように実家に帰っていたが、夏は就職のことで気まずくなっており、1年ぶりになったのだ。
父親は顔に泥を塗られた形になってしまい、私が帰省しても仕事や挨拶回りなどで家をあけていた。だから顔を合