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ソーシャルメディアにおける言論の自由(The Economist 2020年10月22日版)

The Economist 2020年10月22日版から、「How to deal with free speech on social media」の記事を取り上げてみたい。内容は「ソーシャルメディアにおける言論の自由をどう対処するのか」についてだ。

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ほとんどの方にとって、SNSにアクセスしない日はないはずだ。もはや、SNSは生活の中心になっている。

明確に、「何のためにSNSをやっているのか?」と聞かれても、ハッキリとした理由はない。ただ、そんなSNSに一日数時間も費やしている人は多いと思う。僕もその一人だ。

今回は、SNSにおける言論の自由について。フランスでは、とある教師が「言論の自由」の授業の中で、ムハンマドの風刺画を扱ったことで、保護者を中心にSNSが炎上し、結果的にその教師は殺害された。

来週に迫った大統領選挙では、SNSでのやり取りが激しさを増している。前回の大統領選挙では、フェイクニュースをスルーしたとしてFacebookが大バッシングを受けた。そのため、Facebookは今回の大統領選挙には慎重な姿勢で臨んでいる。

ただ、ここで考えなければならないのは、民間企業であるFacebookが「法的には許される発言に対して検閲すべきなのかどうか」という話だ。民主主義では言論の自由が保障されている。そのなかで、どういう対応が望ましいのだろうか。

私もこうしてSNSに発信する身として、考えてみたい。

記事の要約

アメリカでは、Googleが独占禁止法で訴えられた。Googleのグローバルシェアは90%を越えており、多くのデジタル広告宣伝費の収益を上げている。そんな中で、DOJ(Department of Justice)は、Googleと親会社のAlphabetに対して、ビジネスストラクチャーの変更要請をした。

これだけのシェアを持っているということは、社会への影響力も大きいということになる。そこで、1つ考えなければならないことは「言論の自由」についてである。「言論の自由」はどのように、そして誰がコントロールすれば良いのだろうか。

SNSにおけるharm(害)、dominant(独占)、remedy(対処法)、delay(対応の遅れ)という観点で考えてみる。

まずは、SNSの害について。とある統計によると、SNSに発信される記事のうち2/3が有害であり、誤った情報が混ざっているということだ。これによって、フランスでの教師殺害事件やロヒンギャ難民問題も過熱している。また、このような状況下で、Facebookのような民間企業が特定の投稿に対して検閲をすることは良いことなのだろうかという懸念もある。

次に、SNSにおける独占について。SNSはもはや生活の中心であり、すぐに切り替えるものではない。またここで怖い事実は、Googleのアルゴリズムだ。我々が知りたい情報にすぐにアクセスできるように、プログラムが組まれている。つまり、Googleを使えば使うほど、自分にあった情報が手に入り、どんどん偏った考え方になりかねないということだ。

このような状況に対して、どう対処していくか。記事によると、このSNSのプラットフォームを持っている会社が独占して収益を上げる仕組みを変えるべきであると書かれている。データを個人や相互に持つことで、より競争環境を作る狙いだ。

そして最後が、この対処法の実施までのスピードについてだ。現時点で生活の中心にあるSNSを切り替えることはそう簡単にはできない。政府は、SNSにおける言論の自由のルールを作るべきだが、これもすぐにできるものではない。

エディターの結論としては、暴力や暴動につながるような危険な投稿についてはFacebookやTwitterなどの民間企業が検閲すべきだが、政治的な発言は検閲しないほうが良いとのことだ。政治的な検閲を強めて、静かな選挙戦を戦わせるよりも、多くの発言をさせたほうが、候補者のことがよくわかるから。

自身の見解

暴力や暴動につながる可能性のある投稿を検閲すべきであるというのは、私も賛成である。

ただ、暴力や暴動につながる可能性のある投稿ってなんだろうってことが、また1つの問題になる。

多種多様な考え方があって当然である。この記事を書いている僕のコメントも、僕の育った背景や経験したことが反映されている。つまり、ある人から見たら偏っているに違いない。

そして、意識せずとも人を傷つけてしまう発言をしてしまうこともある。こう考えていくと、どこに言論の自由の線引きをすべきなのか、まだ答えが出ていない。

おわりに

・自分の意見は、常に何かに偏っていると思うこと
・いつも両極端の立場で考えること
・相手の立場に立ってみようとすること
こういった姿勢そのものが大事なのかな…。

言論の自由について、考えてみたが、まだどう対処すべきか考えがまとまらない。

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