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なぜ政府はコロナウイルスの対応を間違えるのか(The Economist 2020年9月26日版)

The Economist 2020年9月26日版から、「Why governments get covid-19 wrong」の記事を取り上げてみたい。内容は「コロナウイルスへの各国政府の対応とその問題点」についてだ。

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2020年は、コロナウイルスの年だと言っていいくらいだ。武漢で始まったとされるこのウイルスは、瞬く間に世界を覆いつくし、200万人がなくなったとされている(推定の数字も含む)。

アメリカ、ヨーロッパでの感染者数がクローズアップされるが、インドをはじめとする新興国も大ダメージである。また発展途上国への広がりは、貧困や飢餓を加速され、過去10年の経済成長が逆戻りするほどのインパクトがある。

さて、このような状況の中でまずは3つのことをおさえたい。
1つは、コロナウイルスの検査数自体が増えているので、感染者数も増えているということを認識することだ。感染者数だけを見ると急激な増加をしているように感じるが、致死率は減少している。単なる「感染者数だけを見る数字マジック」に騙されてはいけない。

2つ目は、医療の進歩だ。第一波での経験は、確実に第二波の対応に活かされている。英国では集中治療室での人工呼吸器をつける患者が減少したり、安価なステロイド薬の効果が判明したりした。

3つ目は、モノクローナル抗体だ。高価ではあるが、重症な患者への対策として注目されている。コロナウイルスがすぐに消えることはないが、このように新しい治療法が次々に生まれている。

さて、このような状況の中で政府にはどのような役割があるのか。経済を重視するか、健康への配慮を重視するかという「トレードオフ」がある。この状況下で、どういう選択をするのが正しいのか、しっかり考えてみたい。

記事の要約

コロナウイルスが世界的に広がってから、9か月がたった。この間に、記録されていない死も含めると、約200万人が死亡した。アメリカやヨーロッパ、そして新興国でも被害が大きく広がっている。

コロナウイルスは、約1%の人に重い後遺症が現れる。また新興国では、貧困や飢餓に悩まされ、季節性インフルエンザのダブルパンチも起こる可能性がある。

このような悲観的になる現実がある中で、ポジティブなものもある。認識すべきことは、感染者数だけを見ないこと。検査数が増えているので感染者数も増える。実際には、治療法の確率やワクチンの生産などで、致死率はこれからも下がっていくだろう。

さて、このような状況下で政府の役割を考えてみたい。まずは背景にある、経済を再開させることと、パンデミックを抑えることとの「トレードオフ」であることをしっかりおさえる必要がある。自由主義的(小さな政府)であるスウェーデンは、経済活動が活発だが致死率は高い。ニュージーランドは、管理的(大きな政府)であるため致死率は低いがGDPで見ると経済的ダメージは大きい。例外的に台湾は、致死率は圧倒的に低く経済も安定している。

コロナウイルスが広まってから9か月がたった今、政府が大規模なロックダウンを行うというのは、1つの失敗とみてよいだろう。ロックダウンは、コストも高いし、持続可能的でもないからだ。テストと追跡を同時に素早く行うことが、経済を安定させ、感染者数と死亡者数を減らすカギかもしれない。

また、マスクの重要性も今一度認識すべきである。マスクは、安いし効果があるとされている。ソーシャルディスタンスを取ることも有効で、国民一人ひとりがしっかりとした基本の行動をすることが何より大事だ。

政府は言い訳できる時期ではない。第二波、第三波に備えた準備が必要である。

自身の見解

今回のコロナウイルスから何を学ぶのか、ということを考えさせられた。今回、コロナウイルスは日本人には欧米人と比べて耐性があったように見える(データを見ても一目瞭然)。

ただアジア人が感染しにくいということは、4月にパンデミックになった時点ではわかっていなかった。そう考えると緊急事態宣言は、やるべきだったのだろうか。

今振り返ると、緊急事態宣言はなくても良かったと言う意見も聞くが、それは今だから言える話に思う。仮に、次の感染症が広がった際には、アジア人に耐性があるとは限らない。

後に、「コロナウイルスのとき緊急事態宣言をやらなくても良かった」という教訓だけ引き継がれ、次の感染症が流行した際に、「緊急事態宣言を出さない」という選択を取るのだけは怖い気がする。

しっかりと状況を見て判断する、安易に決めつけないということも大事だ。

おわりに

経済がまわらないと自殺者も増えるし、うつ状態の方も増える。トレードオフを見つつも、経済をどう回すかを考えなければならない2020年度下期になりそうだ。

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