当てて打つために!?安全に身を寄せることを可能にする3つの先のこと

私の記事を読むのが初めての方は、先に下の記事を読んでください。

 こちらの記事は、『月刊空手道』が続いていれば、2016年3月号に掲載されるはずだったものです。「当てて打つ」組手には、相手に安全に身を寄せる技術が欠かせません。今回はその相手に安全に身を寄せるための鍵となる「先の先」についての考察と、相手に身を寄せる技術の体得法について解説しています。

 もし宜しければご購入のほど、よろしくお願いいたします。

安全に接近するには?

 以前の記事(月刊空手道2015年7月、8月号)で、武道空手の「短打法(拳を相手に密着させた状態から威力ある打撃を叩き込む)」について、それは秘技でも奥義でもなく、あくまでも打撃の基本技術であること、そして、「短打法」が柳川師範の武道空手における一応の目指すべき境地である、相手に応じて千変万化する「変化技」の必要条件であることを解説しました。

 また、剣聖宮本武蔵はその著書『五輪書』の「打つとあたるということ」という項目の中で、当てることと打つことは違うということを明確に説いてますが、「短打法」は、この「打つ」ことに相当し、「当て(触れ)」て「打たない」のが真の寸止めであるということも述べました。

 すると次に「当て(触れ)」るところまで、一体どうやって相手に接近するのか?「当て(触れ)」る前にやられてしまうのではないか?という疑問が当然わいてくるのではないかと思います。つまりは組手において安全確実に身を寄せる方法はあるのか?という疑問なのですが、空手に流会派は数多あれども、その疑問に明確な答えをもっているところは皆無といっても過言ではなく、残念ながら各人の研究・努力でその答えを見つけ出すようにとのスタンスであり、正に個々人の才能や資質に任されているというのが現状ではないでしょうか。

 しかし、柳川先生の武道空手では、そのような命題に対して明確な答えを用意しています。それには真の「居着かぬ足捌き」が使えることと、真に「先の先」が取れることが肝要となります。「居着かぬ足捌き」に関しては以前(月刊空手道2014年9月号、2015年12月号~2016年2月号)、詳しく説明しているので、本稿では、「先の先」について解説したいと思います。何故なら、確実に「先の先」のタイミングを計れることが、「対の先」、「後の先」の基本であり、安全に身を寄せるための鍵となるからです。

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