正中線を究める!其之壱─「復元力」とは何か?

私の記事を読むのが初めての方は、先に下の記事を読んでください。

 こちらの記事は、『月刊空手道』の2015年4月号に掲載されたものです。柳川先生の武道空手を習得する上で欠かすことのできない「正中線」を理解・体得するため稽古・鍛錬法についてまとめたもので、其の参まで続きます。

『月刊空手道』2015年4月号 表紙

 以下は当時、編集者に付けていただいたキャッチコピーの引用です。

柳川理論、再起動!
今日まで武道空手の理を世に説き続けてきた、日本傳二聖二天流柔術憲法・柳川昌弘師範。その柳川理論が新たな次元に突入した。それは、まったく新しいものなのか、それとも古くから掘り起こされてきたものなのか。愛弟子・宮路健文が3回にわたって新たな柳川理論を展開する。

『月刊空手道』2015年4月号 P3

 もし宜しければご購入のほど、よろしくお願いいたします。

復元力とは何か?

 柳川昌弘先生の武道空手を習得するにあたって、「正中線」の理解、体得は最重要項目です。

 しかし、「正中線」とは、あくまでも感覚の産物であり、実体があるわけではないため、その習得には非常に困難が伴います。

 通常は写真1のとおり、「正中線」を人体の頭から足先までを貫く、地面に対して垂直な線として、視覚イメージ(想像含め)を頼って体内に構築していくのが主流かと思います。

画像1
写真1

 ところが、「正中線」には実感が伴わないため、そのような「正中線」のつくり方を実践した方の中には「正中線」の体得について挫折した人も多いのではないでしょうか。

 本稿では、「正中線」を視覚イメージとして捉えるのではなく、「正中線」ができていれば、自然と備わっているであろう他の要素に着目し、それを手掛かりに「正中線」を身につけることをテーマとします。

 今回取り上げる「正中線」の副産物ともいうべき他の要素とは「復元力」です。

 「正中線」がある姿勢とは、言い換えると、ちょっと曲がったり、歪んだり、たわんだりしても形状記憶合金のごとく元の体勢に戻ろうとする力、「復元力」を有する姿勢であるということができます。

 この「復元力」は「正中線」が身についていれば当然備わっているはずですが、冒頭でも述べたとおり、「正中線」そのものを体得しようとすることが、非常な困難を伴います。

 しかし、幸いなことに「復元力」を有する体自体は、外面から姿勢を数箇所のポイントに沿って正すことにより、比較的簡単に習得することができます。

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