読みたい本

夏目漱石「こころ」
林芙美子「放浪記」
萩原朔太郎「猫町」

夏目漱石
こころ
あらすじ:
 少年が鎌倉の海岸で出会った男性は、いつもどこか寂しげだった。少年は、その男性のことを「先生」と呼ぶようになる。父親の見舞いで故郷に帰省していた少年は、先生から届いた自殺を思わせる手紙を抱えて東京行きの汽車に乗り込む。
 その手紙には、先生の悲しい過去の告白が綴られていた。信頼していた人間に裏切られたことで体験した地獄。そして自分も親友を裏切ってしまったこと。先生は学生時代、下宿の主である未亡人のお嬢さん(後の先生の奥さん)に、ひそかに恋心を抱いていた。
 しかしある日、先生の親友であり同居人のKが先生に対して、「お嬢さんに恋をしている」と告白する。先生はそんな純粋無垢なKに対して「精神的に向上心のない者は馬鹿だ」という一言を浴びせ、裏で未亡人にお嬢さんとの結婚を請い、許諾される。気まずさを覚え、先生はKにこのことを言えないでいた。そして先生より先に未亡人の口から先生とお嬢さんの結婚を知らされたKは自殺。
 Kを裏切り、失望させ、自殺へ導いたという自責の念は、最終的に先生本人を死へと誘う。カルマに縛り殺されていく人間の「こころ」を描いた、日本文学史上の金字塔。(引用:ダヴィンチWeb)

林芙美子
放浪記
あらすじ:
第一次世界大戦後の困難な時代を背景に、一人の若い女性が飢えと貧困にあえぎ、下女、女中、カフェーの女給と職を転々としながらも、向上心を失うことなく強く生きる姿を描く。大正11年から5年間、日記ふうに書きとめた雑記帳をもとにまとめた著者の若き日の自叙伝。
本書には、昭和5年に刊行された『放浪記』『続放浪記』、敗戦後に発表された『放浪記第三部』を併せて収めた。用語、時代背景などについての詳細な注解を付す。(引用:読書メーター)

萩原朔太郎
猫町
あらすじ:
〈私〉が北越地方のKという温泉に滞在していたときのこと。
ある日〈私〉はU町をめざして山の中を歩いているうちに、道に迷ってしまいました。
不安にかられ、焦燥しながら歩き続けるうちに、ようやくふもとについたと思ったら、そこは見知らぬ美しい町でありました。
町に魅了され、うっとりとしているうちに、町は調和をとるために、きわめて緊張を強いられているのだと悟ります。
とたんに、美しかった町が、気味悪くなりました。
そのとき、通りのまん中を走るネズミの姿が、全体の調和を崩した……と思った瞬間、あたりには猫の大集団がうようよと歩いていたのです……。(引用:site文豪に学べ)


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