見出し画像

白バックの標本写真を撮る(2)

スタジオで写真を撮る際に誰もがこだわるのがライティングですが、そのライティングを左右するのが被写体の置き方です。というのは、被写体の置き方次第で、ライティングの自由度が違ってくるから。
ライティングの自由度が高まるような置き方が、理想の被写体の置き方です。では、どんな風に被写体を置いたらいいのでしょう?
白バックの標本写真を撮る(1)と同様に、主に自然系の学芸員や研究者や自然愛好家向けに、動かない被写体を、影をつけずに白バックで撮影する撮り方を紹介します。

まずは、生き物の白バック写真を撮る際に、もっとも一般的な撮り方、つまり最も普通な被写体の置き方から解説します。

画像15

被写体を白い板や紙の上などに直に置いて、ある1つの方向から光を当てます。
光を直に当てると、光とは反対側に輪郭がはっきりしたきつい影ができ写真が見苦しくなるので、光と被写体の間に乳白色の物体(ディフューザー)を置いて、影の輪郭を柔らかくします。
乳白色の物体は、僕は主に水辺の生き物を撮影している関係で手が濡れていることが多いので、水濡れに強いアクリル板を使用していますが、トレーシングペーパなど、目的にかなえば何でも構いません。ただし物によっては光の色がそれなりに変わるので、その点のみ注意をしてください。

ここから先は

4,368字 / 14画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?