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白バックの標本写真を撮る(1)

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アサガオの種を、白バックで撮影しました。生き物の白バック写真には大きく分けると2種類の撮り方があります。1つは影をつけて撮影する方法、あとの1つは影をつけずに撮影する方法。上のアサガオの種の画像の場合は、影はありません。
ちなみに、「かげ」には「影」と「陰」の2種類の漢字がありますが、影と陰の違いは下記の画像をご覧ください。
右から照明を当てているのでインコの置物本体の左側が暗くなっていますがこれが「陰」です。それから背景の一部が左上の伸びるように暗くなっていますが、こちらが「影」です。「影」と「陰」は性質が異なるので、写真撮影の際には明確に区別されます。例えば下の画像で光源を被写体に近づけると、影は柔らかくなり、陰はきつくなります。

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さて、人は、生まれて目が見えるようになって以降、数えきれないほどの物を見ていますが、大多数の物体には影があり影を見慣れているため、写真に写る影は、既視感や安心感を与えてくれます。
一方で影は、被写体を説明したい場合には見たい部分ではないので邪魔になります。
したがって、標本写真など物を説明したい場合には、影をつけずに撮影するのがセオリーです。そこで、主に学芸員や研究者向けに、動かない被写体を、影をつけずに白バックで撮影する撮り方を紹介します。

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