完全無料で機種問わずの音楽制作環境
▼はじめに。
ヘッダ画像は本題とはそれ程関係がありませんが、最近家の中からサルベージした機材達を撮っていたので加工してみました。TASCAM Porta One は思い入れたっぷり。昔は音楽を家で作ろうと思うと今とは桁違いな程それなりの出費が必要だった...。では本題です。
個人的に沢山のリテイルソフトを愛用していますが、今回は「無料で音楽制作」をテーマにお届け。完全無料で、パソコンの機種を問わず使える音楽制作環境構築のお手伝いをさせて頂くべく、実際に愛用しているプログラムの氷山の一角をご紹介。本当に全部フリー!
▼何は無くともまずは母体。
Tracktion Waveform
https://www.tracktion.com/products/waveform-free
音楽制作 DAW / MIDI ソフト。
macOS , Windows , Linux で動作する。完全無料で VST プラグインを制限なく使える。Bitwig の様に完全にサイレントではないものの、Waveform を起動したままで何か新しいプラグインをインストールしたりリネームした時に自動で検出してくれるのが有難い。ただし、付属音源等は乏しいので下記のプラグインで補っていこう。
▼厳選の色んなプラグイン。
A1StereoControl
https://a1audio.alexhilton.net/a1stereocontrol
ステレオ処理。
強制的にモノラルにしたい時や、ステレオ幅を調節したい場合に重宝。
--
HY-TP2
https://bedroomproducersblog.com/2018/01/11/hy-plugins-tp2/
トレモロパンニング。
DAW にオートパンニングのエフェクターが付属していなくてもこれで安心。蛇足ですが、上記のステレオ処理に加えオートパンニングも1つのプラグインでできる StereoSavage を最近購入して大満足しています。
--
bx_subfilter
https://www.plugin-alliance.com/en/products/bx_subfilter.html
サブ倍音付加。
ジェントルなサブ音域はいつも必須。むしろエチケット。仮に低域を残しすぎて曲全体の音圧が下がっていようが、やはり愛すべきローファット。
--
Cana Mystique Tape Machine
https://canasanmartin.com.ar/plugins-2/
テープシミュレータ。
色々試して現在はこれに落ち着き中。
--
Cana x10 Multiband Compressor
https://canasanmartin.com.ar/plugins-2/
マルチバンドコンプ。
帯域毎にブースト調整したい時に便利。
--
Exakt Lite
https://www.sonicbits.com/exakt-lite.html
FM 音源シンセ。
シンプルな操作性と分かり易い画面。エフェクト類は無いのでプラグインを数珠繋ぎして音作りしよう。
--
OrilRiver
https://www.kvraudio.com/product/orilriver-by-denis-tihanov
ルームリバーヴ。
GUI が大好きで、やる気が出てくる。ずっとベータ版表記ですが、そこは「信用ベータ」ということで!(と、万人に伝わらないボケをお許しください)
--
Dirty Spring
https://bedroomproducersblog.com/2021/11/26/bpb-dirty-spring-release/
スプリングリバーヴ。
この記事を最終編集中に登場したニューカマーで土壇場加筆。Bedroom Producers Blog からは楽しいプレゼントが毎回貰えるので嬉しい。このリバーヴは今まで多分存在しなかったであろう、スプリングリバーヴ実機を足で蹴とばした時の騒音が出せるというお茶目な点を高く評価したい!
--
Surge
https://surge-synthesizer.github.io/
ウェーブテーブルシンセ。
エディットしやすいインターフェイス。エフェクトの種類も豊富。膨大なプリセット数がある。しかもオープンソース。これ以上何を求める?
--
Voxengo Boogex
https://www.voxengo.com/product/boogex/
アンプシミュレータ。
EQ 等の各設定が行いやすい。
--
Sitala
https://decomposer.de/
ドラムマシン。
前回もご紹介しましたが、やはり便利。
--
SFX8
https://socalabs.com/synths/sfx8/
効果音生成。
sfxr , cfxr , bfxr をプラグイン化したもので、いわゆるチップチューン的な 8bit の効果音をそれぞれのパッドで作成しておき、ドラムマシン的に使うことができる。
--
TDR Nova
https://www.tokyodawn.net/tdr-nova/
イコライザー。
4band + LP & HP EQ でインかアウトのアナライザー表示可。ちなみに、Tokyo Dawn Records はかつて mp3.com 時代が訪れる以前より MOD シーンの中で活動していた事があり、当時からそのソウルフルなコンピューターミュージックの表現テクニックには驚かされていたものです。
--
TX16Wx
https://www.tx16wx.com/
サンプラー。
サンプラーは標準で搭載されている機能ですが、マルチに波形をキースプリットしたりレイヤーさせたい場合に。名前からして YAMAHA の世界初だったステレオサンプリングが可能なサンプラーの名機を彷彿とさせますが、直接関係はありません。蛇足ですが、プラグイン本体でサンプリングが可能。というのもサンプリング機能が無いにも関わらずサンプラーと称するプログラムもあったりしてややこしく、サンプリング音源を再生するだけのロンプラー(ROMpler)とは確実に区別していきたいところです。
躓きやすい点として、何かサンプル波形をドラッグしてロードした後に、ピアノやオルガン等のようにドレミファソラシドで演奏しようとしても音階が付かないので、空白になっているであろう Groups の Root に C3 等と入力すると 12 音階で演奏できるようになります。
--
Bespoke Synth
https://www.bespokesynth.com/
ホストアプリ。
これはプラグインではなく、スタンドアロンのプラグイン対応ホストですが、これが結構ユニークで使えるのです。SunVox や Buzz に似たモジュール環境での音楽制作が行えて、音源毎に違ったステップ数でシーケンスさせてポリリズムを構築したり、30 分前までのオーディオ演奏を常に記録していて、ボタン一つでそれをファイルとして保存してくれる機能のおかげで思い掛けなかった曲のアイデアを膨らませることが出来ます。どこにでもテキスト注釈を置いておける点なんかは Max 的。
▼偶然性から刺激を頂こうシリーズ。
Rand(旧名 Push)
https://sampleson.com/rand-synthesizer.html
ランダマイズ特化型シンセ。
大きなボタンを押すだけで色んな音色が無限に生成される。
詳細にエディットする画面も用意されている。
--
Magic Dice
https://babyaud.io/freebies
サイコロを振る度にリバーブもしくはディレイの効果がランダムで得られる。
妄想ですが、サイコロが3つほどあって、ぞろ目になったら特別なエフェクトが追加される、なんていう遊び心のあるプラグインも登場したりして。
--
Chow Matrix
https://chowdsp.com/
多パラメータ制御のディレイ。
グリッチ的に激変させる効果がある。サイコロを振って思い掛けない効果を!
▼あとがき。
以上、これだけを揃えるだけでも充分な音楽制作が行えると思いますし、本来 DAW を買おうと貯金していたお金を美味しい食べ物にまわしたり、調子の悪い体の部位があれば思い切って通院して治す経費にまわしたりできると思います。
実は今回この様にプラグインのウィンドウのみのスクリーンショットをポスト加工を加えることなく撮ることができたのも Waveform の好きな点で、独自のウィンドウデコレーションを持ち合わせていて、この素朴な装飾が大好きでしかも OS に依存されない操作性を保てるのが良いと感じています。ここらへんは Studio One にも通ずる所です。
ではでは良き音楽制作ライフを!...っと、
▼ちょっと宣伝させてください。
今まで色々なレーベルのお世話になり、アナログレコードの作品をリリースさせて貰ってますが、先日久し振りにアナログ盤を自主制作してみました。
takecha feat Satoshi Katsui - Jazzy Sequence
https://qrates.com/projects/25201-jazzy-sequence
どんな雰囲気のモノなのかだけでも観て頂けると嬉しいです!そしてまた 2021 年内にもう1作品超ビッグなタイトルの発表を控えております!
待て続報!
武茶
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?