クリエイティブ思考協会 芝さんのワークショップ開催!「2極ブレインストーミング」
本記事は株式会社ドリームにて2019年7月に実施したクリラボワークショップの記事を再編したものになります。クリエイティブ思考協会のご協力の元実現したワークショップです。
クリエイティブ思考協会の代表芝さんとの出会いは、アイデアファシリテーションロボットの開発で意気投合したところから始まる。富士ゼロックスの共創型コンペに提案したロボット企画「Idea facilitation robot ROX」のコンセプトに共感した芝さんが、ご自身の発想法にロボットがあったら、と言う想いから始まりました。
ロボット開発のための発想法の話をお伺いした時に、強いアイデアはワークショップのファシリテーションで左右されやすいように思いますが、実はその内容やフォーマットこそ重要だという話を芝さんから聞いて、確かにその通りだし、クリエイティブ思考協会でもワークショップをやっているということだったので、じゃあうちの会社でワークショップやってみませんか?
いいよ〜!と言うお返事ひとつで実現したワークショップでした。
■クリエイティブ思考とは?
「デザイン思考では質の高いアウトプットが産まれない」
「デザイナーがいつもやっている発想プロセスとの重なりが少ない」というお話をワークショップのオリエンテーションで芝さんには解説いただきましたが、確かにその通りだと思いました。バウハウスのデザイン教育の流れは、デザイナーであれば、誰しもデザインキャリアの中でもかなり影響を受けているのではないでしょうか。
私の場合は、画家でありデザイン造形理論を構築したパウルクレーや、音楽のリズムと図解の関係性を考察しアートに落とし込んだカンディンスキー、人の感覚から呼び覚まされる表現をワークショップとしてデザインしたヨハネスイッテンなどに影響を受けました。
アート思考はスペキュラティブデザインなど、大手企業で最近流行りつつある概念でもあると思います。問いを建て直すことによって、常識を疑い、新たな価値観を提示する方法。スペキュラティブデザインで100の問いを立ててみたことがありますが、結局は問いを立てて終わりだと全く意味がないので、問いをたてた後、社会への影響を考慮しながら、その問いの回答を共創によって作り出して行くことが最も重要であり、ソリューションデザインにまで落とし込んで始めて価値が出てきます。
今回のクリラボワークショップでは、コンセプトとキャッチフレーズ出しまでを行いました。コンセプトはもっともっとたくさん出ても良いと感じます。言葉だけではなく、ビジュアルや図を用いて、コンセプトを肉付けして行くと、より理解がされやすく、訴求効果も上がってきます。おそらく今回の二極ブレストにポンチ絵を描くパターンも入ってきたら本当に究極のアイデアが出てきそうです。究極のポンチ絵とは何か?一筆描きで自分のイメージを具現化出来るデザイナーになりたいと、子供の一筆書きの絵を見て思うこの頃です。
■関係性を発見するダイナミックなシステム思考
クリラボアンケートを実施してみて多かった意見として、情報と情報の関係性や繋がりを発見する事が難しかったというものがあります。一枚のビーシにキーワードが書かれた付箋が並んだ瞬間に思考停止してしまうわけです。慣れている人はこの紙面をみて、まずは自分が考えたネタと他のネタを強引にでも結びつけてしまおう!という発想をします。強制連想法という発想法ですね。
慣れていない人は、本気で関係性を探しに行くけどなかなか見つからないということになります。言葉と言葉で考えていると、左脳が働いてしまい、バイアスがかかっている状態からなかなか抜け出せなくなります。そこで言葉をポンチ絵に置き換えてみて並べてみると、一覧性がアップし、イメージで考えられるようになるので、想像脳(右脳)優位になってきて、そうすると、連想や妄想脳が動き始めて、楽しくなってくるわけです。
これはあくまで僕のやり方なので、再現性があるかどうかはやって頂かないとわかりません。例えばグラフィックファシリテーターがいると、共通イメージが湧きやすかったり、チームの親和性や共感力が上がったりすることも実証されています。是非とも自分が考えたアイデアを手描きのラフで良いので、ポンチ絵にしてみることをオススメ致します。左脳から右脳への思考切り替えスイッチがスケッチでもあるのです。
■極端に考える「二極ブレインストーミング」とは?
対極を考えることで、極端に思考をして、バイアスを振り切ってから、情報をシステマティックに整理していくという手法が二極ブレインストーミングでした。付箋に書き出し、ラベリング、グルーピング、関係性の発見、洞察まで導くというやり方です。芝さんから、デザイン思考に欠けている視点を教えて頂きました。クリエイターには暗黙の了解となっている部分ですが、そこが抜けてしまうと、良い発想が生まれてこないというのも共感ポイントでした。
究極の●●を考えた後に、最悪の●●を考える。この振り幅が大切なんだという事に気付かされました。体験してみると分かりますが、最悪の●●を考えている自分の新たな一面を発見出来ます。意外と面白い。さらに、最悪から出てきたアイデアを、最良のものに変えていくプロセスはダイナミックであり、一瞬デジャブが含まれ、究極の●●に戻っていく感覚が味わえます。両極端のものを考えて行くと、意外とその先端部分は表裏一体で、繋がっているかもしれないという感覚です。ウロボロス的思考かもしれません。
■共創プロジェクトが産む相乗効果
芝哲也さんとのご縁のきっかけは、クリエイティブ思考協会のサイトでShiromaru君を活用したロボットを開発中であることを知り、コンタクトを取ったところから始まりました。タイミングが合いロボット開発にジョインすることになりました。夜な夜な家族が寝静まった後から始まるTV会議はZoomで繋がります。
30分すると突然接続が切れてつなぎ直すというゼロコスト会議は、ワクワクが詰まっています。その場でデザインを確認したり、カラー検討したり。ワイワイやっています。その中心にいる芝さんのモチベーションが凄いんです。3Dデータを作ると即3Dプリンタで出力、木型を製作して圧空成形を試したりと、モノづくりに対する熱量が凄いんです。メイカーズ・ムーブメントに憧れがあったとのことですが、ワークショップ当日には、開発中のロボットの全プロトタイプを持ってきてくれました。
3Dプリンターで出力した頭部は、かなり綺麗な仕上がり。社内のプリンターでは一発では出来ないレベル。六本木にあるTechshopでトライしているとのこと。行ってみたい!!名古屋にも金山にクリエイトベース金山というモノづくり工房があります。会員登録しようかな...と思うほど、面白いです。サンプルを見せて頂きながらのロボット会議は最高に面白かったです!勿論ワークショップのテーマなどもお昼を食べながら決めて行きました。
このように繋がったご縁で、クリエイティブワークショップを企画し開催出来たこと自体が、僕にとっては大変有意義で価値のある時間となりました。久しぶりにOさんとも会えたし。芝さんとは初対面とは思えない親近感でした。会社の為になるような創発の場を外部との繋がりからコネクトして、マイプロジェクトと会社プロジェクトという二足の相乗効果を産み出す方法もあるんだなと改めて実感しました。
芝さん、Oさん、Uさん、本当にありがとうございました!これからも共感によって繋がるご縁を大切に、デザイナーとして社会のお役に立てるよう精進して参ります!
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