第5期指す将A3 対ナカアオさん振り返り

今回もまず事前研究について書きたいが正直あまりない。
何故かというといつもは一夜漬け一点読み研究をするのだが前日に大学時代の先輩から麻雀のお誘いがあり麻雀欲に勝てず車で1時間半かけて行ってしまったからだ。11時~19時まで打って帰りは電車で帰ると21時を過ぎていた。22時から指すというのにただのアホである。ただナカアオさんの棋譜は数日前からちょこちょこ見ていた。

棋譜を見ているとナカアオさんは四間飛車党で最近結果(ウォーズ4段昇段、24レートがここ一カ月で200点上昇)を出されているのが分かった。
こういう時の人は手ごわい。やって結果が出ているときはさらに勉強しそしてさらに結果が出るという皆が羨む好循環に入っているからだ。手も伸び伸びされていると感じた。
さらに四間飛車党というのが怖い。四間飛車というのは元奨励会3段の石川泰さんが仰っていたが抜き打ちテストを毎回出されるような戦型だ。
居飛車を指す人で対四間飛車の対策を持っていないという人はいないだろう。
つまり相手の土俵で力を強制的に出させて勝たなければいけない戦型なのだ。

そんな感じで対局が始まってしまった。対局前ツイッターでこのようなことをつぶやかれていたが

そんなことはない、放送等で手の内出しまくりである。まあ過大評価()していただけたので勝負にほんのちょっと影響してくれないかなとは思った。

戦型は予想通りナカアオさんの四間飛車の対抗形になった。
こういう対局で相振りを指せるほど自分の相振り力を信頼していない。以前のずーさんの時のように一瞬で終わる危険性がある。
四間飛車には五筋位取りや玉頭位取りを採用する事もあるがここ1年ぐらい主戦法にしているミレニアムに組む事にした。

そして居飛車側の作戦が決まれば四間飛車側が対策を出す番だ。
この45歩がナカアオさんの対策だろう。ミレニアムの組ませず戦おうという作戦でここから居飛車側は銀冠に組み替えることが多い。本譜もそうなった。

ここからお互い駒組みをして下図になった。居飛車側は85歩と少し欲張った手を指しているがまあ行けるやろという感じである。自分らしく相手を動かして戦おうという意味でもあった。
しかしここで13角があまり見ない手である。
居飛穴対四間美濃の打開策でたまに見る手だがこの戦型では初めて指された。しかしナカアオさんの棋譜に類似系があったので驚きはしなかった。
おそらくナカアオさんが好きな手なのだろう。
主導権を持って攻めたいという意志が込められた手だと思う。

その棋譜では下図のような局面で端角を打っていたが局面が違うので再考が必要な局面である。ただ棋譜を見て印象に残っていたので慌てはしなかった。

ぱっと見45桂で行けるんじゃないかと思った。同飛なら32角がきついので銀を逃げる一手に見えた。他の良さそうな手もなく45桂を指し44銀46歩と進んだ。

ここでどう指すかなと思ったが45銀同歩33桂という手が桂馬を活用する当たり前の手だが自分は読んでいなかった。

放っておくと45桂と指されて将棋が終わるので何か手を捻りだす必要がある。しかしここでフラフラと46銀打と指したのが敗着になってしまった。45桂同銀同飛46歩に69銀打が死ぬほど痛い手だ。これで将棋が終わってしまった。
46銀打では変えて24歩があった。そこで45桂で23歩成と指せないようでは悪いと読みを打ち切ってしまったが46銀と一度逃げておいて居飛車も指せた。そこで24角には35歩とやればいい。
またナカアオさん指摘の65歩という手もあった。45桂に64歩と指しておけば先手も指せる。62金には46歩57桂成同金で6筋に飛車を回る含みもあり先手が指せそうだ。64歩に57桂成だと先手は58の金も取られそうだが攻めてる場所が違うので釣り合いが取れている。自分はこの手を全く考えていなくナカアオさんの強さを証明する一手だと思う。

そこから粘ったが如何せん局面が悪すぎる。しかしこの25桂打で一瞬チャンスが来たかなと思ったが65桂打が振り飛車らしい決め手だった。
本譜33飛車成だが33桂成だと28飛成が先手陣の急所を突きすぎていてきつすぎる。68銀も66角と出られてろくな合駒もないので受からない。
その後投げ切れずさらに粘ったが負けてしまった。

本局の敗因は46銀打、この一点に尽きる。あそこで24歩やまた別の手を読むべきで読めなかったのは実力不足という事に他ならない。
これで5勝4敗と昇級戦線から落ちてしまったがまだ2局ある。
相手のためにも自分のためにもまだまだ精いっぱい指したいと思う。

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