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混ぜる、冷やすの本当のこと その2

前回は混ぜるという事はどういうことかを深掘りしました。

今回は、冷やすを深掘りしていきたいと思います。

日本ではよく氷を極力溶かさない様にシェイクしなさい、ステアしなさい
と教えられます。

シェイクもステアも混ぜて冷やす事を目的とした手法ですが。。

水っぽくならない様に=氷を溶かさない
っていう事でこういった伝え方になったのだと思うのですが。。。

これがそもそも大間違いなんですw

なぜか?ひとつひとつ紐解いていきましょう。

ここに二つの氷があります。

一つは冷凍庫から取り出したばかりのガチガチに絞まった氷
もう一つは、常温に戻し少し溶け始めて緩んだ氷

どっちが早く液体を冷やすと思いますか?

そりゃキンキンに冷えた氷の方が冷えるっしょ!

と思ったそこのあなた!

不正解ですw

少し緩んだ氷の方がすぐに冷えます。

氷から溶け出た水分が液体を冷やすので、溶けないと冷やす事はできないんです

なので、極力氷を溶かさないようにというのは矛盾するんですね。

駆け出しの方で、水っぽくなるのが怖くて絞まった氷使ってる方

出来れば緩んだ氷を使う様にしてください。

絞まった氷は溶け出すのが遅くなりますよね?

なので、こんなもんかな?で注いだら、なんか緩くね?水っぽくね?
はここが原因かと。。。
特に日本はベースのお酒を冷凍していることが多いので尚更ですね

氷が溶けないと冷えないなら、水っぽくなりがちじゃね?
と思うかもしれませんが。

氷って溶ける出る限界点があるんですよ。

これ以上溶けれませーん!ていうのがw
例えば、某有名な方でマティーニ100回ステア
今はレシピ違うと思うのですが、当時はブードルスがベースでした
中略しますがブードルスは腰が強く、−20度で冷凍したものを使うので
100回ステアしても水っぽくならない、温度を上げてい作ると言いてますが
これ、凄く当たり前の事を言ってるだけですw
−20よりステアで下がる事はなくw腰の強さも関係なく、300回回しても
水っぽくならないです!
セルフブランディングとしては正解ですが、言ってる事は当たり前な事ですね

脱線しましたが
つまり、温度も多少あるのですが、一番はアルコール度数の違いで溶ける量が変わります。

アルコール度数が高ければ高いほど氷の溶ける量が増えるんですね。
それはなぜか?
凝固点が違うからです。
アルコール分子は水分子と結合しやすいので、凝固点が下がり、水分子同士の結合を阻害するからです

例えば、ヴェスパーとホワイトレディならヴェスパーの方が圧倒的に氷の溶け分は多いという事ですね

ダイキリを作るとしましょう。

同じレシピなら、度数は同じなので、氷が溶ける量も同じです。
よっぽどゆっくりとしたシェイクではないかぎり12秒ほど降ると
氷の溶ける限界を超えるので、それ以降はどんだけ降っても水分は溶け出ません
理論上は誰がシェイクして
もある程度条件を満たせば同じ味になるはずなんです。

でも、実際は違いが出るから面白いんですよね。
では、その違いってなんだ?

同一条件であれば数値的には水分量も、出来上がりの温度も変わりませんが
ここで前項の部分が重要になります

味の違いは均一に分散できてるかできてないかが大部分だと考えます。
それに付随して、エアレーション、気泡の量?の違いなどが加わり味に差が出るのだと思います。

次回でまとめて本題のサイドカーに行ければなと思いますので引き続きよろしくお願いします。



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