JC論:継続事業の続け方
JCではよく、継続事業はダメ、という考え方があります。
単年度制のJCにおいて、継続事業があることは、メンバーの労力や資金などの限られた資源を減らし、当年度の独自事業を行いにくくするので、悪だというわけです。ですから、できるだけ早く継続事業を中止するか、他団体等に引き渡すべきだという話になります。
確かに、常に新しいチャレンジを行うことができる組織であるJCにおいて、基本的に継続する事業はない、毎年ゼロベースだ、という考え方自体は重要です。
しかし、ことお祭りのような人が集まる継続事業については、必ずしも悪とは言えません。それは偉大な発信装置です。何かの運動を発信するには、人を集めなければいけない場合があります。しかし、人を集めること自体が相当なパワーを要するものであり、運動発信のために人を集める事業の構築からやらなければならないとすれば、それだけで疲れ果ててしまいます。
人が集まる継続事業はLOMにとって、先輩方が築き上げてくれた貴重な発信装置なのです。だとすると、問題は継続事業そのものではなく、継続事業の続け方なのです。
悪いのは、継続事業だからといって毎年毎年事業を拡大しようとする続け方です。例えば今年は去年に比べてもっと人を集めようだとか、もっと予算を増やそうだとか、もっと有名人を呼びたいだとか、そういう「去年よりももっと大きい事業にしたい」という続け方が問題なのです。
継続事業のよい続け方とは、去年よりも少ない資源で実施するということです。去年十人でやったなら、今年は八人でやる。去年1000万円かかったなら、今年は800万円でやる。そういう方向の続け方が大事です。そうすれば、余った二人と200万円を運動の発信に使えます。ちなみにイベントで広告費などで利益を上げてそれを他の公益事業に使うのは全く問題ありません。
継続事業は、一度経験しているのだから、どこが削れるのか、どう効率よくできるのか、わかっているはずです。もし、事業実施にどうしても人が足りないなら、パートナーシップを組んで他の力を借りればいいのです。やることがわかっているから何をするのかパートナーにもはっきり伝えられるはずです。そうしているうちに気がついたらほとんど手がかからない事業になっているかもしれません。
これは珍しいことではありません。自分の会社なら当然昨年に比べてより少ない人数、少ない予算で同じことをやろうとするはずです。そうしなければ利益が出ません。会社でやっていることを、JCではできないはずがありません。
議案書も、去年ベースでより大きな事業を作るために書くのではなく、去年ベースでより資源が少なくて済むように書くのです。そのためには、イベント運営議案と、イベントで発信する内容の議案を分けてしまうのも方法です。実際日本JCの大会系の議案は、イベント運営議案と発信内容の議案は分かれています。
人が集まる継続事業を持っているLOMはぜひ続け方を変えてみてください。きっと継続事業の負担が軽くなり、LOMの運動を広く伝えられるようになるはずです。
もっとも、発信したい運動がそもそもないのなら、そちらの方がもっと問題ですが。。。
PS: この記事を書いたところ、後日第50代会頭土屋龍一郎先輩 からメッセージを頂きました、それを受けて継続事業の考え方の記事を書きました。
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