伐採・生産・出荷までの一定の仕事が出来るシステムを__みやがわ竹材

<竹ソダロール>は透水性と腐食性に優れている自然素材の資材としてさまざまな場面で活躍している竹材です。

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丸太の代わりに柵工などに使われ、災害のあった地域で災害復旧工事の材料としても役立っています。そんな竹ソダロールをメインに生産しているのが、菊池市にある『みやがわ竹材』です。

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現在は竹ソダロールを主軸とし、竹を運搬するための運送業、竹の箸の生産を行っています。

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今回は笑顔が素敵な代表の宮川勝春さんと奥さまに話を伺いました。『みやがわ竹材』昭和57年に設立、今年で39年目を迎えました。現在従業員は12名の会社です。

宮川さんのお父さんは百姓をしながら夏は海苔の仕事をしていたそう。その際に支柱となる竹材が大量に必要となり、竹の仕事がスタートしました。支柱竹から始まり、その後割り箸の生産に取り掛かります。

「その当時は県北地域も割り箸生産が最盛期を迎えていて、菊池に2軒、鹿本に2軒ほど生産工場がありましたよ。元々は自宅の横でやってましたが、規模を拡大せざるを得なかったため、現在の場所に工場を構えました」。

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しかしある時から中国からの輸入物が段々と増え、毎日3000膳を50ケースほど生産していたものが、じわじわと数が減っていき、現在は少量生産をしているんだとか。

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その後箸が下火になったことを機に、割竹の生産をはじめます。当時の日本家屋には土壁が多く、その芯となる割竹は家を建てる際の重要な建築資材でした。しかし、その土壁も年月が経つにつれ海外のものが入ってきたことで需要が減っていってるそう。

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そこで始まったのが筏用の竹の生産です。牡蠣養殖が盛んな海では、海上にぷかぷかと浮かぶ牡蠣筏の姿が見られます。その牡蠣筏にはおよそ130本もの竹が使用されるそうです。また、地域によって筏のサイズが違うため、オーダー通りにサイズを切り分ける対応し、八代や天草をはじめ、牡蠣養殖が盛んな広島など、さまざまな地域に出荷されています。

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「現在はプラスチック製のやパイプで出来た筏もあるけれど、海洋汚染の元になるんですよ。その点竹は自然素材。海のことを考えるとずっと竹の筏を使って欲しいという気持ちですね」。

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実は九州は竹の生産量が多く、平成29年(2017年)における、都道府県別の竹の生産量のトップは鹿児島県。次いで 2位は熊本県という現状。ますます今後の竹事業が盛り上がるといいという希望を話すと、宮川さんから竹への思いと今後の課題が聞けました。

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「小さい時に身近には竹があって、当たり前の存在でした。21歳の頃にこの業界に入った時は、竹の切り子さんがたくさんいたんですよ。だけど、時代の流れと共に竹の仕事を選ぶ人がどんどん減っていきました。そのため、山に入る人を育てることから始め、10tトラックを購入し運搬業もはじめ、伐採・生産・出荷までの一定の仕事が出来るシステムを作りました。竹は魅力的な資源ですが、竹を扱える人が減っている今、放置竹林も増えているんですよ。竹の魅力に1人でも多くの人が目を向けて、竹産業が盛んになることが願いです」。

有限会社 みやがわ竹材
菊池市森北1566-1
0968-24-4194

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