学問への憧れ

私は高卒だけど、高校での勉強はほぼ放棄してしまっていたので、義務教育修了の学問レベルだと言って良いと思う。
今とはかなり教育課程が違うので、恐らく知識としては現在の中学3年生より下なんじゃないかな?とすら思う。忘れているところも多いからなあ…。

中学までは教科書を読むだけで理解出来ていたのだけれど、高校では全くわからなくなった。授業を聞いていてもちんぷんかんぷん。特に数学、物理は壊滅的で、テストも0点とか良くて20点台だった。
高校では、進学校だったこともあり、すべて『受験のための勉強』で、あまり面白くなかった。
で、面白い講義をする先生の授業と、必ず指される先生の授業だけは起きて、あとは寝てるかマンガを描いていた。
高校時代の成績は、現文古文は良かったものの、後は酷いものだった。日本史は少しマシだったかな…暗記すれば良かったし。
そんな訳で、「高等教育って面白くないなあ」と思っていた。

ところが、学校を卒業してしまうと、学問とは色々な種類があり、どれもこれも面白そうなのだ。

まず、京極夏彦にどハマリした(笑)。これ、好きな人にはわかると思うのだけれど、民俗学をやりたくなる。伝承とか昔のコミュニティの在り方とか、妖怪とか(笑)。しかし、興味を持った入口から入ると、ものすごく大きな、しかもたくさんの枝葉がある。
例えば、ある集落ではこんなことを習慣としていた、それはここで祀られている土着の信仰があって…となると、今度は宗教学も絡んでくる。日本の宗教って独特なんですよ…何せ神様が八百万いらっしゃる。そこに仏教が入ってくる。戦争で廃仏毀釈があり、また別れる。もう、ごった煮で訳がわからん!

そして昔から宮沢賢治が好きなのだが、そうすると鉱物に興味を持つ。鉱物は地質に関わる。地質学にも興味が湧く。

都会へ行くと田舎とはまるで違うまちづくりをしている。建築系の大学では、そういったまちづくりに関する学問もある。

どれもこれも、現在の私に活かせる学問ではない。
高校時代にどれかひとつでも深掘りしたいと思えていれば、大学で専門の先生について体系的に学べる術が身に付いていたかもしれないが、それもない。素人が一から始めるにはどうしたら良いのだろうか。

私の周りの大人は、勉強は大事だとは言っていたけれど、大学からの勉強が面白いと教えてくれる人はいなかった。良い大学に入り、良い企業に入るための勉強をすることの優位性しか説かれなかった。
大学から始める学問がこんなにも面白いと気づけていたら、私は違う道を歩んでいたかもしれない。

そもそも勉強は楽しいものだ。知らなかったことを新たに知ることは、とても楽しい。
大人になって、ようやくそのことに気づけた。
しかし残念なことに、私には高校での知識がほぼない。非正規の底辺で経済的にも改めて学ぶことは難しく、大学受験するほどの学力もない。
こうして、「もっと勉強しておけば良かったなあ…」と後悔する馬鹿な大人の出来上がりである。
今なら先生の話を真面目に聞いて知識欲を満たす喜びを感じられるのに。しかし現在の老化した私の脳みそでは、それらを吸収し切れないだろう。
まさに後悔先に立たず、である。

まあ、それでも勉強したいという意欲はある。本を読むだけでも得られる知識もあるだろう。体調が回復したら、少しずつでも勉強していこう、と思っている。

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