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【ジェネギャ】こうしておばあちゃんの知恵袋は生まれるのかもしれない話

あのー、アレ、わかりますかね?

『引き解け結び』

名前だけだとピンと来ない方も多いかと思うのですが、紐なんかの結び方で、輪っかを作り、その中に長い方の紐を通して、全部引っ張るんじゃなく途中でギュッと締める結び方。
短い方を引っ張ると簡単に解けるので、私はよく小分けにしたポリ袋なんかでこの結び方をするのですが。

言葉で説明するの難しいな!!
ピンと来ていない方は、『引き解け結び』で検索してみてください。動画もあるし、見たら「ああ、あれね」ってわかると思います。

因みに私はこの結び方の名称がわからなくて、色んな言葉で検索したよ!!(笑)

で、それが何なのか、と言うと、バイト先で大学生の先輩に聞かれたのです。

「武部さんがやってる、あの袋の結び方、どうやってるんすか? あれ、片方引っ張ったら解けるじゃないですか、便利だから覚えたい」

その時は、へえ、意外と知らない若い人もいるのねえ、と呑気に思ったのですが。
目の前でやり方を見せていたところ、

「うわー知らんかったなあ。コレたぶん、オレら世代より下は知らないっすよ」

え!?
ちょ、ちょっと待って???

嘘でしょ、そんなことある???

確かに私も名称は知らなかった。
名称は知らんかったけども、この結び方自体はごくごく普通に、常識の範囲として知ってはいた訳です。
たまたまその子が知らないとしても、そんな、若い人みんな知らないとか…そんな訳…

確かにこのバイト先で、私以外はこの結び方してないな!?←平バイト最年長

おいおい、ちょっと待ってくれよ…
これ、少なくとも今、この子にとっては、『おばあちゃんの知恵袋』的な話になってないか???

ここ最近、ジェネレーションギャップの中で、いちばん衝撃的でしたわ…

同時に、私が今まで『おばあちゃんの知恵袋』だと思ってきたことも、当のおばあちゃん的には常識だったのかもしれないなあ、と。
経験則で、誰もが知っていたことを、知らない世代が『知恵袋』と呼ぶようになったのかもしれない。

でも、そうか、核家族でじいちゃんばあちゃんと触れ合う機会の少ない世代にとっては、当たり前の生活の中で、知恵を自然に覚える機会も少ない、ということなんだなー。
何だろう、伝統文化の継承、とかそういう話より、こういう小さな日常の積み重ねで受け継がれる知恵の喪失というのは、大きな問題なのかもしれない。
伝統文化や工芸の技、みたいなものは保護しよう、継承しよう、という動きはあるけど、些細な日常生活の知恵の喪失って見逃してしまいがちなのかも。

そんなことを思ったのでした。
以前に書いた、ハサミの使い方を知らない子とかもそんな感じなのかもなあ…
結構、深くて大きな問題なんじゃなかろうか。
この先、AI やロボットによって、日常生活のサポートを受けるのが当然という時代になった時、人間自身の『生活力』は失われてしまうのかもしれない。
そう思うと、ちょっと怖い気がしますね。

久しぶりに『おばあちゃんのぽたぽた焼き』(亀田製菓さん)でも買おうかな。
まだ小袋の裏面には『おばあちゃんの知恵袋』は載っているのでしょうか。
近い将来には、私世代には当たり前のことが、『おばあちゃんの知恵袋』に記載されるようになるのかもしれませんね。

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