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『恋愛力』って何ですか? 2

私という人間がいかに恋愛から縁遠い人間だとおわかりいただけたかと思います。

で、そんな人間から見ると世の中『恋愛』で溢れているように見えます。
どこの職場に行こうとも、恋人もしくは配偶者の話をされるし、女子は「彼氏が欲しい」と言い、男子は「彼女が欲しい」と言う。誰か紹介してくれ、と頼まれたことも、1度や2度ではありません。
恋愛バラエティ番組が配信サービスでは人気だし、婚活アプリのCMを見ない日はありません。
『恋愛力』が何なのかはわかりませんが、少なくとも『恋愛』の需要は充分にあるのです。

確かにオタクはリアルな恋愛には興味がない層が一定数いるのですが、それはマイノリティ側でしょう。「二次元にしか興味がない」と口にしている人でも、本音のところでは臆病になっているだけ、というパターンが多い気がします。コミュ障にとって恋愛はハードルが高いですからね。
全体を見れば、恋愛に興味を持つ層が圧倒的に多いはずです。

では、何故「『恋愛力』が低い」と思われるのか。

多くの方が指摘していますが、
恋愛 = 結婚 ではないのです。

結婚には責任と義務が生じますよね。お若い皆様はそれを正しく理解しているものと思われます。そして、その責任を果たすことができないと判断し、結婚しないという選択をしているのではないでしょうか。
これは当然ながら経済的事情が大きく影響しています。男性は家計を支えるだけの収入を得られない、女性は出産、育児と仕事の両立ができない。そんな社会構造の中では安心して結婚し、子育てをすることはできないでしょう。
男女共に大学進学が普通とされる現代では、奨学金制度を利用している人も多く、借金を背負っての社会人スタートとなることも影響しているものと思われます。つまり、親の代からじわじわと貧困になっている訳で、子育てで親を頼ることも難しいケースが多い。
これはなるべくしてなった状況であり、お若い皆様を責めるのは筋違いです。

もうひとつ、これは相反するようですが、個人が生きていける社会になったこと。
特に女性が何らかの仕事を得られるようになり、自分ひとりならば何とか食べていける状況ではあります。実際のところはなかなか厳しい部分も多々あるのですが、割り切ればそれなりに生活できる。結婚し、家事や育児を担うのはデメリットでしかありません。男性の協力が不可欠ですが、日本ではそういう男性はまだ少ないからですね。
男性側としても、長時間労働や休日出勤が当たり前、家庭より仕事を優先する方が評価される中で、家事や育児に充てられる時間は少ない訳で…。仕事を優先すれば妻から、家庭を優先すれば職場から責められるのですから、堪ったものではありません。
もちろん、その人によりますが、群れるより個人でいた方がメリットがある訳です。個人が生きていく手段が強くなった結果、群れる必要性が弱くなった、と捉えることができます。

これらは自然な流れであり、社会が変容した結果です。
『恋愛力』が低いと仰った政治家さんは、このような社会の変遷を全く考慮していないのですね。今時の若者は…という年配特有の感情で若者を責めても何の解決にもなりません。
政治家ならば、というよりも次の世代を思う大人ならば、若者の選択肢を拡げ、安心して結婚し子育てできる社会へ変えていこうとするものではないでしょうか。
自身の価値観や現代にそぐわない制度を押し付けるのは、単なる老害でしかないのです。まずはご自分の『理解力』を高め、『政治家としての権力』を正しく行使してくださるよう、お願い申し上げたい次第です。

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