OMORIの感想【ネタバレあり】

初めてnote書いてみる。
OMORIについては、どうしても吐き出したくて…
エンディングのことなどネタバレ含むので、未プレイの方は読まない方がいいです。


序盤の印象は、引きこもりのサニーがOMORIの成長と共にトラウマを乗り越えていくお話なのかなー、ゲームシステムに主人公の成長が欠かせないRPGでやってるのはそういうことなのか。あと、こういうテーマでゲームが作られるようになったのはゲームが表現媒体として成熟してきてる感じがしていいよなーくらいの感じ。

で、ちょっと待てよ、このゲームすごいのでは?となったのは、かなり終盤でした。

前置きとして、僕は初見時サニールートのグッド(と呼ばれている)エンディングを迎えました。計6種エンディングあるらしいけど、他のルートはやってないです。そのうち2周目やる…のだろうか…

初めに言っておくと、このゲームで語られる物語は「グッドエンディング」ですら「グッド」なのかどうかはわからないところが、僕にとってはかつてないゲーム体験だったのでした。



以下めちゃめちゃネタバレです!!ご注意!








サニーがそうする気はなかったにせよ、マリを殺してしまって、バジルと一緒に自殺に見せかけたという過去が明かされた時…「いやキッツい」と。これはキツ過ぎる…と一度コントローラーを置きました。

これはもうトラウマを乗り越えるとかそういう次元の話じゃなくない?どれだけレベルアップしても「乗り越えられない」やつじゃないの??どうすんのこれ。この後。無理やん。
(安易に言うことじゃないけど、自殺したほうがマシなのではとすら思えた)

ここまでいろいろ乗り越えてさ、現実でもケニーが支えてくれたり、ヒロが帰ってきてくれたり、オーブリーが再び心開いてくれたりしてきたじゃん!
もしこの真実が明らかになったら、そんなの全部ぶっ飛ぶよ?
いくら良い友達だからって絶対に許されないし、受け入れてはくれないよ?
俺だったら絶対に許せない。


めちゃくちゃ混乱した。

だって俺の知ってるRPGって、ゲームって最後の最後にはなんとかなってきたし。(唯一ラスアスpart2だけはきわどかったけど)


いやでも、待てよ…
たしかに私たちの暮らす現実には、絶対に許せないことや許されないことがある。事故だったとしても、一生かけても償いきれないということがある。後悔してもしても、し切れないようなことが。この間の知床観光船沈没事故だってそうだ。


もしかしてOMORIってそのレベルの話してるの…?
そのような出来事の当事者に、一体なにが、どんな道が残されているのかを見せようとしているのか…??

最終盤の俺の興味はただもうその一点で、このゲームがどんなエンディングを迎えるのかを固唾を飲んで見守った。


初めに書いたように、いわゆる「グッドエンディング」を迎えたのだが、今でもその呼び方は全くしっくりきていない。

サニーが病室で目を覚まして、バジルの病室へ行き、お見舞いに来ているみんなに真実を打ち明ける…ところでこの物語は終わるのだが、この終わり方は僕にはとても納得感のあるものだった。

だって、その後サニーやバジルが許されるかどうかはわからないし、多分許されることはない。償うこともできないと思う。
もしかしたらバジルは耐え切れずに自殺しちゃうかもしれないし、マリのことを愛していたヒロや大好きだったオーブリーはサニーをボコボコにするかもしれない。それで済めばまだいい方だ。
あのエンディングの後、みんなには幸せになってもらいたいなとは思うけど、現実はたぶん地獄だ。「グッドエンディング」の先はおそらく超「バッド」で、僕はそのことに思いを馳せずにはいられなかった。

「それでもあなたは“希望”というものを信じられますか?」

そういう終わり方だったと思う。
この先が地獄だとわかっていても、生きるのなら前に進まないといけない。
そして生きている限り何が起こるか、起こらないかはわからない。
だからこれは「生きていくエンド」だ。


普通に考えたら絶対に言えないことを、それでもケルやヒロ、オーブリーだったから、そしてマリに背中を押されたから打ち明けることができた。その一点だけがハッキリした事実で、ギリッギリの“希望”だったんだと思えた。


あと、エンディング後のタイトル画面がカラーのサニーに変わった(少しだけ目に光が宿ったけど全然笑ってはいない)のを見て、生きる道を選んだんだなと思いました。

いろんな意見あると思うけど、俺はめちゃめちゃ良かったです、OMORI。

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