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蒲田から京急蒲田、そして東糀谷へ

今週末も散歩した。散歩なのでひたすら歩く。何かを考えたり、なにも考えていなかったりする。知らない道は知らないってだけで楽しい。晴れた日は晴れてるってだけで楽しい。

行ってくるね、れのちゃん。
晴れ。

昼過ぎに起きて、トーストと食パンを食べた。珈琲も淹れた。少し多めに淹れたのでたまにウイスキーとか焼酎を入れて持ち歩いている小さなボトルに入れて歩き飲みすることにした。ほんのりこびりついた酒の香りが珈琲の中に絶妙に織り込まれて、なんかとても美味しい。

蒲田から京急蒲田へ抜ける。羽田へ向かう京急空港線の横を沿うように京急蒲田駅前通り商店街という、もはや商店街とは呼び難い寂れた細い道をまっすぐ行く。カウンターだけの昔ながらの小さな喫茶店が気になったが、今日は珈琲入れたボトルがあるのでそのまままっすぐ歩いた。

京急蒲田駅前通り商店街。

T字路のどん詰まりに来たのでちょっと曲がって少し大きめの道に出て、方向的にはひたすらまっすぐ歩いた。少し大きめの道なのに交通量が多くなく「繁栄の果ての寂寥感」みたいなものを感じながら歩いた。

だだっ広い公園があった。防災公園とあるので災害時の避難場所も兼ねているのだろう。土曜の午後なのに子供達がちらほらいるだけだ。珈琲を飲み干したのでコンビニでビールを買ってだだっ広い公園とその向こうに沈む太陽を眺めることにした。

東糀谷防災公園。

そしてさらに歩く。巨大な団地群にでくわした。東糀谷六丁目アパート。昭和の遺産のような、かつて東京のどこにでもあったような団地群だ。7棟も建っている。ふと以前知ったことを思い出した。ここの住民は老人層が過半数を占め始め、23区内であるにもかかわらず「限界集落」と呼ばれているそうだ。今現在住んでいる方には失礼な話で、実際には子育て家族だって住んでいるはずだけど。

かつて団地の一階を彩る商店はすでにない。周辺にもなんにもない。買い物困るだろうな。でもなんかとても惹きつけられる。我々は「繁栄の果ての寂寥のその向こう」を考える時が来ている。ちなみに団地の向かい側には近代的なロジスティクスや工業系の施設が立ち並んでいてその対比が興味深い。

もう少し歩くと運河に出た。向こう側は羽田空港だ。一応海なのでほんのり潮の香りがする。真っ直ぐ歩いてきて突き当たってしまったので帰ることにする。

本日の行きのルート。

散歩BGMはカイジューバイミー。最近アイドルイベントでよく見かけるグループ名だがまだ見たことがない。聴いたこともない。Apple Musicで聴いてみたらとても良い。なんかBiSHのアイナ・ジ・エンドを思わせるような切実な感情を歌うために授かった歌声を持つ人が気になった。

大鳥居(という地名)に出た。でかいニトリがあるので寄って、この界隈では貴重なチェーン系カフェのベローチェで趣味の中国語の勉強をして、糀谷方面へ歩いて、ダイソーで買い物をした。でかいダイソーはとても楽しい。

ダイソーで買ったカルパスをアテに宝焼酎ハイボールのロング缶飲みながら歩く。糀谷の「おいで通り」という商店街を抜ける。万福食堂という昭和が温存された食堂兼飲み屋がある道だ。またいつか行きたいな、万福食堂。

糀谷商店街。
ただただカッコいい物件。

BGMはEMOE。EMOEの曲は、自分を追い越していく自動車の赤いテールランプをぼんやり見ながら歩く夜の道が似合う。気づくのが遅かったがこれは地下アイドルと呼ばれる界隈の名盤の一つだよね。

その巨大さから要塞と呼ばれている京急蒲田駅と第一京浜国道。

そしてBGMはSAKA-SAMA・寿々木ここねさんのソロ作へ。これもまた名盤。ここねん始めSAKA-SAMA現体制メンバーが今朝の夢に出てきたので。SAKA-SAMA、最後に行ったのが昨年末の銭湯宴会イベントだったので一ヶ月半も見れていない。行かないとだな。

帰宅した。15時くらいに出発して帰ってきたら21時だった。週末恒例のシニアおじさんの焦茶色した自作飯。脂身の挽肉とアスパラとブナシメジのニンニク胡麻油炒め。美味いかどうかじゃない、食って満足するかどうかだ。

脂身ドロドロが好き。

冷蔵庫にロールケーキが2切れあった。妻ヨーコに聞いたら「冷蔵庫にあるとうっかり夜中に食い尽くしてしまうのでどうか食べてしまってくれ笑」と言うので遠慮なく食べた。

何も起こらない楽しい土曜日だった。

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