新年を迎える準備
拾六間の住人になって約3年。ここにはきちんと伝統文化が残っています。12月になると回覧板で大麻(お札)と窯〆セットの販売が通知されます。
お札だけを買う人もいますが、私はセットで購入します。今まで住んでいた地域にはこのような習慣がなかったので新鮮な気持ちがしました。
上写真の右から氏神様(地元の神様)と神宮大麻(伊勢神宮の天照皇大神宮)のお札、御幣(ごへい)袋には右から、お祓い2本/男女一組の人形(ひとかた)/御幣7本/紙垂(しで)が2組入っています。
借家住まいの時はただ鴨居にべニア板を載せただけで榊も何もないお札だけの神棚でしたが、ここにきて真っ先に神棚を買って自分でつけました。
家の中にお社があるだけで気が引き締まりますし安心感も得られます。代々こうやって信仰が続いてきたんだと感じます。
そうなのです。これって今でいうところのホームセキュリティなんです。お札を収める神棚が集中監視制御システム、紙垂の結界で中心を守って御幣を主要な監視場所に設置する。御幣はアンテナであり依り代。神様に見守っていただくポイントのしるしです。
どこにどう置かなければならないということはないですが大事なところを見守っていただくので、昔は竈(かまど)に火の神様用と竈の神様用に複数本、井戸や蔵その他の水回りなどに祀ったそうです。我が家は前の持ち主の方がオール電化にしておられたので火は使いませんが、台所・玄関・トイレ・火災報知器などに置かせていただいています。あちこちに御幣があると留守の時にも見守られているようで安心します。
最後にお祓いのことを書きますが、この2本一つは お正月の神様の供え物を清めるため、もう一つは大晦日に家の中と家族を清めるためのものです。この晦日(みそか)に祓(はら)う ということから『みそかっぱらい 』と言われる地域もあるとか。役目を終えたお祓いは、鬼門の方向に魔除けとして地面に挿します。時々何かを呪っているのか?などという書き込みを見ますが、そうじゃありません。最後の最後まで守っていただいているのです。ありがたいことです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?