敗戦の日を機に日本の将来を憂う(2)日本が平和主義国家?

マッカーサーが日本は太平洋のスイスになるべきと言ったとか言わないとか。また日本人が抱く牧歌的なイメージであるスイスの本質を書いてみたいと思います。
誰もがスイスは永世中立国だと知っていますがスイスが永世中立国になったのは1815年のウィーン会議であり永世中立を認めることはヨーロッパ諸国の利益になると記されてるように、軍事強国のスイスが他国と同盟を結んだり武力協力をしたりするとヨーロッパの力学的均衡が崩れるからであって、日本の敗戦の結果、アメリカの保護国になったのとは違います。
 スイスはこの200年 WW2のドイツでさえ諦める武力と国民の覚悟で中立を維持してます。敗北主義的平和主義の日本と強い国防の意識からの平和主義を比べては失礼です。

表を貼ってみましたが、スイスは人口830万人で面積は九州と同じくらいです。しかし国民皆兵制で男性には徴兵制があり最近では男女平等の精神から女性の志願者も増えているそうです。結果、現役の兵は少ないですが、予備役(緊急時に兵になる主に徴兵経験者)と合わせた数は日本に近くなります。実際に有事になればそれこそこの数字以上の国民が立ち上がるでしょう。街中には戦車は走り、銃は一家に一丁(200万丁)あるとか。普段は携行禁止ですが有事の際は全員で国を守るということです。

 それにしても日本の自衛隊員の少なさ。しかも最近は募集定員に満たないとか、自分で国を守ることを放棄した民族ということがよくわかりますね。

 左に貼った写真は冷戦時にスイス政府が全家庭に配布した『民間防衛の手引書』まえがきの初めでいきなり「国土の防衛は我がスイスに昔から伝わる伝統であり、我が連邦の存在そのものにかかわることです」と来ます。「国土防衛のために武装し訓練された国民一人一人には「軍人操典」を与えられますが「民間防衛」というこの本は、わが国民全部に話しかけるためのものです」この2冊を配布する目的は、どこから来るものであろうとも、あらゆる侵略の試みに対して有効な抵抗を準備するのに役立つということです。と続きます。

 自由と独立を守ることの方法と手段があらゆるケースをもとに書かれていますが、いろいろな例を挙げて占領を狙う敵の巧妙さに注意するべきこと、国民が扇動に惑わされずに一致団結することの大切さが書かれています。

 この本が紹介されるときに必ず取り上げられるのは、火力を用いないで他国を侵略するステップです。現代では火力を用いた侵略はコスパが悪いし、他国からの非難を浴びてしまい採算が合わないのです。そのステップを私独自にこの本の中身を引用して補足して記します。

先ず、国を内部から崩壊させるための活動はスパイと新秩序のイデオロギーを信奉するものの組織を作る。彼らの活動は「表現の自由」の美名のもとに行われる。多くの組織が巧みに偽装して社会的進歩とか、正義、すべての人の福祉の追求、平和という口実の下に、いわゆる「新秩序」の宣伝を開始する。

  1. 活動的で危険なメンバーを政治の中枢に送り込む。(日本は帰化してしまえばすぐに選挙に出られます)

  2. 人道的感情を利用しメディアを掌握、敗北主義へ大衆の意識を操作。政府の権威を失墜させ国民と分断。

  3. 教育現場に入り込み、諸民族との友情を重んずることを強調し国民の「国家意識」を破壊する。

  4. 抵抗意志を徐々に破壊し、「平和」や「人類愛」をプロパガンダに利用する。殺すな。戦うな。

  5. テレビなどの宣伝メディアを利用し宣伝工作。非武装反戦。「自分で考える力」を国民から奪ってゆく。

  6. 民衆が無抵抗で腑抜けになったとき、大量植民で国を乗っ取る。

冷戦下で書かれた本ではあるが、これを見ると既に日本は分断と腑抜け工作にだいぶ侵されていることがわかります。島国だから余計こういった侵略方法が日本には向いているのです。つまり政治とマスコミと教育と経済を握ることが勝ち、この本はどういう風に攻めてくるからこういう心構えを持っていなければならないと具体的に訴えています。

放送法上、両論を平等に扱わなければならないのに、政府の権威失墜に一生懸命のマスコミ。ネットの信頼性をたたいているマスコミ。戦うなかれの敗北主義を標榜するマスコミ。かなり侵されていると考えるべきです。
沖縄と北海道が分断されそうです。個人個人の意識も価値観もバラバラになってきました。これが国力を削ぐ最も有効な手段であることが、スイスの民間防衛にはすでに冷戦期にか書かれて、全家庭に配布されていたのです。積極的平和主義のスイスで。

敗北主義平和主義の日本は、困ったときは誰かが助けてくれると思っているお人よし。経済力を失って、人口減少してアメリカが 上の表にあるスイス以外の他国と利害が一致したとき、どんな形で日本が残れるかの保証は何もありません。チベットやウイグル、南沙諸島で行われていることを世界中が黙認しているのはなぜ?。日本がそうならないとは言えません。何しろ日本と戦争して勝ちたいと思っている人が多く住む国が近くにあります。

皆さんお忘れかもしれませんが、日本は国連の敵国条項からいまだに外されていません。実効性はなくなっているとは言うものの、旧枢軸国として、連合国が拒否権を持つ国連では日本を攻めるハードルは日本が他国を攻めるハードルよりはるかに低いという事実。アメリカの保護国であるという事実(米軍基地周辺の制空権がない)日米同盟を破棄できない以上、アメリカからの真の独立はないし、日本人に自主防衛の気概がないでしょう。誰かに守られなくても自分で自分を守るという当たり前の心を。私たちはこの74年のうちに、失わされてしまったのです。

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