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日本神話 古事記 やさしい解説

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2019年9月の記事一覧

日本神話(7)最愛の神 お別れ

対偶神としての伊邪那岐命・伊邪那美命、神世七代の一番最後に現れた対の神は一方を、お失いになられました。 共に地球・国土・住居に関する神々・自然現象の神々・生産に関する神々・水・土・山・等、生きとし生けるものを生かすための基本をお産みに鳴った神。人間の夫婦という形の手本ともいうべき神。一柱になられてどうなるのでしょうか。 (イラストは故・出雲井晶先生の『絵で読む日本の神話』のものです。出版社には電話をしましたが故人であり許可をとることは出来ないということでしたので関係者から

日本神話(6)神生み 身近なる神々の誕生 そして別れ

国産み(日本の国土)を終えた伊邪那岐命、伊邪那美命は次に『居住』『自然現象』『生産』と、人間が生きていくうえで必要な神々を産んでいきます。また、二柱の神によって産まれた神々も、それぞれに関係する神を産んでいきます。それら一柱一柱については、ここでは最低限のお名前しか触れません。あまりに多くて難しくなってしまいますから。 二柱の神が生んだのは 14嶋35柱とも40柱ともいわれ、正確な数はわかりません。(数えても一致しない)重複や抜けもあるのだとは思いますが数などは無意味なので

日本神話(5)国産み 日本(大八洲)誕生

伊邪那岐命、伊邪那美命が国の他、多くを産んでいきます。 「イザ」は剣術の立会いの「イザ」(二つが結び合うこと)  「ナギ」「ナミ」は凪と波。記紀、特に古事記は口述(言葉)を表音文字(音で表す)当て字で書かれているので文字に意味が無いものもあるわけで、音のイメージが真実に近いのです。 この二柱の「ナギ」と「ナミ」の神は高天原(たかあまはら)での実績だけでなく、後々その心の動きや、行動等が現代の日本人の生き方に語りかけるものが沢山あるので、この項は私も心を込めて記したいと思いま

日本神話(4)地球誕生 神様の初めのおはたらき

前回は『神世七代』まで書きました。神様一柱一柱に、別々のお働きがありますが、そこは一挙省略させていただきます。 神世七代の最後にお出ましに鳴った。男女一対の神。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)伊邪那美命(いざなみのみこと)。神様は肉体を持っているわけではありませんから、男(陽)の役割、女(陰)の役割を持つ神といえます。 この二柱の神様のお働きから神話は一気に身近になってきます。日本の神様は、とにかく人に近いと申しますか、人間味があります。海外の神様は、全知全能で何でも出来てし

日本神話(3)天地初発 神世七代まで

前回は、『天地初発』、天地のはじめのとき初めて鳴り響く神(日本人)の理念について書きました。 古事記については、いろいろな書物を読んだりDVDやネットを見たりして得た現在の知識としてあることが、どこに出典があるのかわからなくなってしまっていますが、解釈については基本的に写真の2冊が基になっています。いずれも「光明思想家」谷口雅春先生の著書です。文字の無い時代の神話を中心に『古事記』が「紀伝体」で書かれているということは、文字ではなくて、言霊(ことだま)的に読む(解釈する)とい