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[note16]教師のキャリアに関して考えたことと2つの妄想

教師は学校で仕事をする…これは当たり前のようで変化しつつあるかも知れない。私の周りにも学校での通常業務以外に様々な場面で活躍されている方々がいるし、キャリアチェンジをする方もいる。社会では終身雇用制が崩壊したと言っても、まだまだ教員の世界(特に私立学校)においては専任教諭になると、退職まで勤め上げるのが一般的であるように感じる。
社会における非正規雇用の問題は教育現場にも当然ながら存在し、非常勤講師や常勤講師、期限付き専任など多様な雇用形態?が存在している。それは安定した生活を必ずしももたらすものではないため、専任教諭になることが一つの目標となっているし、自分自身もそうだった。教員の雇用形態については、また別の機会に考えてみるとして、今回は専任教諭として働く中で感じたことを、まとめてみた。以下のことは一般論ではなく、自分自身が感じたり、こうであっても良いんじゃないかなという少し妄想的に書いているので、あらかじめご了承いただけるとありがたい。
1、縦割りの校務分掌
一般的に学校の校務は教務、生徒指導、進路の3つで構成されていると思うが、一度、その分掌に就くと意外と変化なく長年、留まることが多いように感じる。ある意味、官僚的で、その分掌に就いての理解は深まり、スムーズに業務が運営されるためには重要であるともいえる。一方で、他分掌に対する理解不足や縦割り気味の業務運営、内部の思考が保守的になりがちなど実は色々な課題もあるのではないかと思っている。現状をきちんと遂行することは大切であるが、変化の大きい社会では前例主義は時として足かせになってしまうことがある。
(妄想1)
研修医はスーパーローテ―トと言われるように複数の研修先を回り、最終的に自分のキャリアを決定していると聞いたことがある。この制度自体にも色々な課題があると思うが、学校でも新任の教員は例えば2~3年ごとに校務分掌を変わり、10年弱で全ての分掌を一通り経験し、最終的に希望する分掌を提示するという形があっても良いのではないかと思う。校務については一応全体を把握しつつ、自分の適性や希望を示すことで、よりモチベーションを持って仕事に当たることができるのではないかと思う。色々な調整は管理職の仕事になるかも知れないし、課題もあるが、そんなことを割と5年目くらいから考えていた。

2、同じ場所で働くこと(否定ではありません)
公立は異動があるため、様々な学校で勤務することがあるだろうし、大学付属でも法人との契約であるため、場合によっては北海道から九州まで勤務地が変わる可能性があると自分の就職活動内で聞いたことがある。ところが、一般に私立学校の専任教諭は同じ場所で定年まで勤務することが一般的だ。
そこでは、良くも悪くも慣れが生じるし、新たな発想やアイディアを生み出すことが難しい面もあるように思う。
(妄想2)
希望制のレンタル移籍制度。勤務形態の違いや給与などの問題はあるかも知れないが、私立学校間で提携し、その中で期限を決めた希望制のレンタル移籍制度があっても良いのではないかと思う。例えば、ICTに強い学校、探究学習に力を入れている学校、進学で強い成長を遂げている学校、生徒指導に工夫を凝らしている学校…世の中には色々な学校があり、学ぶことは多々ある。しかし、実際に他校事例を学ぶのは受験指導の事例研究などが多い。
学校間で相互がwin-winの関係になるように、人的な交流ができたら面白いなと思う。今は合格数が学校の評価の大きな部分を占めているが、今後、どれだけ魅力的な学校を新たに創造していくかは大きな課題になるだろう。
進学実績はその中の1つではあるが全てではなく、魅力的な学校を創造する結果として生み出していけたらと思う。学校の評価軸は、そう遠くない将来、変わっていくだろう。

今回は2つの妄想をまとめてみたけれど、学校も生徒だけでなく、教員のキャリア形成や人的交流に関する工夫を色々な社会の事例から研究してみるのも面白いのではないかと思う。

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