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社内起業をする時に出てくる疑問!

 今日のnoteは、社内起業をしようと考えている人が聞きたい疑問についての列挙と、僕の考えについて。

1.漠然とした不安は本能からくる

 社内起業をしようとなると、組織の中ではマイノリティになる。だから、周りに聞ける人もいないし、解決方法も分からない。僕らは、ゴールが見えていない課題に挑戦するのはとても不安だ。

 遥か昔の原始時代、その冒険は死に直結した。だから、人間は本能的にその挑戦を嫌う。それからしばらくして、コロンブスの時代、徐々に皆でリスクを分散する仕組みが出来てきた。そしてまた時がたち、今はそのリスク分散が高度に発達して、その挑戦を許容する仕組みがある。社内起業はまさにそれで、失敗したところでクビにもならないし、給料が減ることもない。

 それでも社内起業する時、僕らは不安になる。理屈では分かっていても、本能が拒否をするからだ。

2.皆の不安の箇条書きと僕の回答

 だから、本能を抑え込め、というわけではない。こういう時は具体的な不安を書きだして、一つひとつ納得させていけばいい。中には納得できないところもあるはずだ。でも、人は全て納得しないと前に進めないわけではない(それなら人と付き合ったり、パートナーになったりすることが出来ない)。

 早速箇条書きで挙げていく。これは僕が当時思っていたり、ヒアリングをしたりして集めたものと、それに対する僕の回答だ。


Q1 社内で新しいことをすると孤立しないか?

A1 孤立するし孤独になる。社内で新しいことをすると、どうしてもこれまでの否定になる。もし、これまでだけで良ければ、新しいことをする必要はないのだから。それに、皆が稼いだお金を使うのも新規事業の宿命。その中で前進する為には、ファンを作っていくことが大切。1人のファンに夢を語り、2人で夢を誰かに語り、3人くらいになれば、孤独ではなくなる。3人で孤立する。そこから先は、行動で示すしかない。誰よりも頑張る。決して、無駄なお金を使っているんじゃないって態度で示す。

Q2 成果が出ないと冷たい目で見られないか?

A2 冷たい目は別の視点から起きる。人は、結果よりもそのための行動に心を動かされる。だから、誰よりも頑張っていたり、成果まであと一歩だったりすれば、成果が出なくても拍手してくれる。よくスポーツの場面でそんな光景を見ないだろうか?皆、勝ち負けより、そこに至るまでの物語を見ている。だから、成果が出なくて冷たい目で見られたと感じた時は、成果が出なかった原因を自分の中に探したほうがいい。それから、テクニックとしては、大きな目標は未達でも必ず途中で小さな成果を作れる。これを意識的に作ること、そして周囲に伝えていくことで、100点ではないけれど70点は取れたという何かが見えるはずだ。

Q3 社内のリソースを使うか、外部を使うか?

A3 ケースバイケースだが、重視すべきはスピードと柔軟性。概して外部の方が良い。経営資源という視点から考えると社内リソースを使いたくなる。ただ、社内リソースを使う場合、関係者への説明と理解が必要。これにとても時間が掛かる。それに、他の業務を抱えている中で、突然「これについてすぐに回答が欲しい」というやり取りを繰り返さなくてはいけない。そんな仕事に慣れていないので、何度か繰り返すと嫌な顔をされる。そして、レスポンスは遅くなる。だから、なるべく外部を使うべき。立ち上げた後、社内リソースに切り替えていけばいい。

Q4 どうやって外部パートナーを見つけるのか?

A4 あらゆる手段を使う。親族、友人、同僚、取引先、Web・展示会など、とにかく聞いて回る。僕は親族から2社、友人から1社、同僚から3社、取引先からの紹介で3社、Web・展示会から5社と取引をしてきた。そして、見るべきは人だ。特に新規事業開発は、人と人で仕事をする。結局は、その人がどんな人なのか、が命運を分ける。それは先方にとっても同じだ。こちらが本気だと言うことを示さないと信頼関係が結べない。

Q5 事業を生み出すノウハウがないのでハードルが高い。どうすればいいか?

A5 そのマインドを変えていく必要がある。ノウハウがある会社は少ない。起業文化のある一部の会社にはノウハウがあるだろうが、多くの会社にはノウハウがない。それに、新規事業なのだから、自分が一番乗りだ。自分で切り開くしかない。だからこそやることに価値があるし、やった人は評価される。質問をひっくり返すと、「事業を生み出すノウハウが欲しい。そうすればハードルが下がるので新規事業をしたい」となるが、それは虫が良すぎる。それでも、アドバイスするならば、行動することだ。自転車に乗れないなら、たくさん練習してこけること。こけない方法を聞くよりも早い。

Q6 コンセプト作りはどうするのか?

A6 確かに新規事業ではコンセプト作りが重要だ。そのためには徹底的な課題の洗い出しが必要で、そのためには現場をみるべきだ。ペルソナを作る前に、実際の顧客をつかまえるべきだ。自分の思い込みは捨てて、顧客の声を聞く。例え自分の感覚とずれていても、それが正解。例えば、あなたが、握手券が欲しいから同じCDを何十枚も買う人なんているの?と思おうがどうであろうが、買っている人がいる。理解できるか出来ないかとビジネスとして成立するかどうかは全く別の話だ。

Q7 新規事業を進める上でどんな壁があった?

A7 これは人ぞれぞれだと思うが、僕の場合は社内エネルギーが一番ストレスだった。十分な社内説明が出来ていない(現実的に不可能)なことを棚に上げて、別の部署に特例を認めてもらうシーンが多く、お互いいい気持ちで仕事が出来たとは言えない。お互い自分の会社をよくしようと思っているのだけれど、既存事業を絶対的に守らなくてはいけないという思想と、リスクを冒して新規事業を進めなくてはいけないという思想がぶつかる。一つ言えることは、社内起業家がここで屈すると、絶対に壁を乗り越えられない。でも、これは壁の中のほんの一部だ。まさに膨大な量の壁があり、それを地道に一つずつ壊していくことになる。

Q8 初期メンバーの集め方

A8 とにかく発信し続けると自然と集まってくる。こんなことを考えているんだ、と話すと、何人か他の人と違う目をしている人がいる。アドバイザーでもなく評論家でもなく、同士としてやりたそうな人が確かにいる。その人を見つける。最初はとにかく孤独で孤立する。このため、メンバーに必要なのは熱意と団結力だ。これを持っていることが知識よりも何よりも大切になる。

3.まとめ

 僕の答えが唯一の解だとは思わないが、このうち一つでも参考になれば良いと思っている。本能に逆らって仕事しよう。不安だけれど、達成した時の喜びはかけがえないものだ。





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