見出し画像

COVID-19が私たちに突き付けたもの。

こんにちは。プラネタリウムクリエイターの大平貴之です。

はじめての投稿になります。型コロナウイルスCOVID-19について、今後の予測を様々な人と議論していました。素人なりに入手できる情報をもとに、何が起きていて、今後どうなっていくか、なんとなく見えてきた気がします。自分なりに認識し予測していたことが、専門家の意見である程度裏付けられたとも言えます。

まず第一に言うと、このまま数か月では終息しないだろうこと。各国でロックダウンないしそれに準じる対策で感染防止策をとっています。これで効果が出ている国もあります。

一部の国では感染が峠を越えた、との声もあります。けれどそれは残念ながら、ロックダウンによって齎されたもので、生活をもとに戻せば再び感染は拡大する可能性が高い。国民の多くが感染し、免疫が行きわたれば感染は飽和して(いわゆる集団免疫)終息が期待されますが、現在はそれとは程遠い状態(多い国でもまだ数%にすぎない)であり、今のままいくと、数年単位で、ロックダウンやそれに近い状態を続け、医療リソースとの折り合いをつけられる患者数をキープし、免疫を次第に行きわたらせる、気の遠くなる道のりを辿らねばならなさそうです。このようなことをすれば当然社会は疲弊し、多くの観光や外食、その他の産業は壊滅し、社会そのものが成り立たなくなる恐れもあります。

しかも、免疫には寿命がある可能性があり、ここまでして苦労して獲得した集団免疫すらどこまで機能するかもわからない。つまり私たちは何度も感染し罹患するリスクすらあるようです。
現時点の知見ではです。

となると何が何でも封じ込めなければと考えるでしょう。
ウイルスは誰かに感染しないと生き続けられません。厳格なロックダウンを一定期間続け、感染した人が治癒して体内からウイルスを一掃(そして不幸に一部の方が亡くなり)すれば、ウイルスを撲滅することが可能なはずです。ところが、ここにも壁があります。
治癒した人の体内でウイルスが必ずしも一掃されるとは限らないようです。退院してから再陽性、再発症する方が少なくありません。最長で1か月以上経ってから再陽性になった人がいます。もしかすると抗体ができなくて、再度新たに感染したのかもしれませんが、現状では、1か月完全なロックダウンをしたから大丈夫とは言えず。では何か月なら大丈夫なのかもわかりません。それに、何千万人、何億人の国民が本当に一人残らずロックダウンに従うでしょうか?

つまり、集団免疫も、封じ込めも極めて危ういという恐るべき実情です。
私はこの時点で、ひょっとすると人類そのものが危ういのではないか?とまで考えたわけです。恐ろしいことに。インカ帝国の二の舞なのでしょうか?

しかし、別の手があります。治療薬やワクチンです。
治療薬は、いくつかの候補が上がり臨床的に効果が出ている例もあります。
これが本命なら、現状最も手っ取り速い解決策になる可能性があります。
治療薬は感染を防げませんが、重症化を防げれば、医療リソースのひっ迫を下げ、感染した方の在宅看護が可能になるからです。いわば、普通の風邪と同じような存在にしてしまえばいいという事になります。私はそこに期待したい。
ワクチンは、一部では9月に実用化されるという報道も、いや1年以上はかかるという説もありはっきりしません。様々な説がありますが、つまるところこれは研究要素を含む新技術開発であり、成果が出るまでの時間はだれにも予測が困難ということだと思います。
(逆説的ですが、未知の事に取り組むからこそ研究であり、スケジュールが立つような研究は存在し得ないとも言えます)

ワクチンは、弱らせたウイルス株をもとに作るもののようで、一歩間違えば副作用やより重篤化を招く危険もある手段です。なので臨床試験が始まったとしても、一般に供用できるレベルに完成させるには相当の壁があるようです。ここは高度に専門的な領域で我々には想像することもむつかしい世界だと考えます。

従って、治療薬やワクチンが、この状況を打開するカギを握っているらしいこと。これができるまで我々がどうやって耐え忍ぶか?という戦いだということが見えてきます。

ただ、薬もワクチンも、いきなり完璧なものができるとは考えにくく、副作用とのトレードオフもあり、多少効き目ある、というレベルから入り、次第に効果が高まるものが出てくる、と考えるのが自然なようです。

加えると、仮に免疫に寿命があっても、一度できた完全に体内から消え去ることは考えにくいそうで、そう考えると、2度目、3度目と感染していくうちに不完全ながら免疫が蓄積されていき、次第に症状が軽くなり、なおかつ感染しにくくなるだろうという事はあるかもしれません。いま私たちが日常的に罹患している風邪も、もとはCOVID-19のようなもので、長い年月をかけて今の姿になったのかもしれません。

これらを俯瞰すると、おぼろげながら見えてきます。
どれ一つとして、このCOVID-19を綺麗に一掃してくれそうな手段は現状見当たらない。安易に終息を期待しないほうがいい。
けれど、苦しい我慢の末に、治療法が少しづつ確立されると同時に、私たち自身も少しずつではあるがこのウイルスに対する抵抗力を身に着け、その両方の合わせ技で、いずれはこのウイルスを脅威でないものにしていく。
といううことが最も見えやすいシナリオのようです。

如何でしょうか?
私たちは望まざるとも、長い戦いの道に入ってしまいました。
そして、そこを生き抜いていかねばなりません。

そして、おそらく起きる様々な環境の変化に順応していかねばなりません。

そして、この災禍によって奇妙な事がいくつも起きていることに気づきます。
曇っていた都市の空が青く透き通りました。
大気汚染が減り、二酸化炭素の消費量が減りました。
企業で夜遅くまで残業するサラリーマンが、在宅で家族とともに過ごす時間が増えました。
そしてテロリストたちまでも、戦いを一休みし始めています。
実に皮肉な事ですが、このウイルスは、どうやら私たち人類が抱えてきた様々な問題をあぶりだしているようです。
人類よ、今まで君たちは、何をしてきたのか?
と厳しい問いを突き付けているようです。

私たちは、苦しい中にいますが、今だからこそ考えられることが多くあることに気づきます。
これは私たちが、知的生命体として一層進歩するために与えられた試練だと改めて思うのです。

皆さんは如何お考えでしょうか?

大平貴之

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?