専用ドームという制約を離れた人工の星空
MEGASTAR-Classが着々と導入事例を伸ばしています。新型コロナの影響もあり、家で星空を見たい人の増加などもあるとは思いますが、それだけでなく、身近な空間で星空を見上げたいというニーズが確かにあるのです。これは家庭用プラネタリウム ホームスターの成功でも証明されている通り。学校やカフェ、飲食店、医療機関や高齢者福祉施設、温浴施設、果ては鉄道車両や旅客機まで。事例は枚挙にいとまがありません。
大阪のCafeでの導入事例
航空機での導入事例(スターフライヤー)
天井はドームではないけど、きれいに星空が出ているでしょう?
これまで100台近くを納品してきましたが、飲食店や高齢者施設、医療機関など、先日実施した飛行機の機内も含めて様々な活用例があります。これら多くに共通しているのは、ドームではないこと。
プラネタリウムを投影するにはドーム施設が必要というのが常識でしたが、それを取り払うと、多くの可能性が開けました。
丸天井すなわちドームは、1923年に投影型プラネタリウムが発明されてから必須の設備でした。そして当たり前のことでした。けれど、時代が進み、日常空間にプラネタリウム的な空間を作りたいとなると、これが制約になりました。日常的空間に設置するには、設置のコストがかかるだけでなく、あまりにデザインの制約が大きすぎるのです。これがプラネタリウムの活用の幅を制限してきたように思います。
いびつな天井では星座の形が正しく見えない。教育上問題ある。そんな声も聞こえてきそうですが、MEGASTAR-Classを導入している人達の多くは天文教育をやりたくてプラネタリウムを導入しているのではないです。星空に包まれる空間を作りたいのです。確かに星座の説明には、いびつな天井はハンデがあるかもしれない。でも、これらの場には星座を説明する学芸員もいません。けれど日常空間の頭上に現れた星空は、それだけで宇宙の奥行きを実感させることができます。人々は異口同音に、「天井が抜けたようだ」というのです。そうなのです。この星空は、結果的に宇宙の拡がりという普遍的な世界観を人々に伝えることができるのです。ある意味これ以上の天文教育もないと思う訳です。
プラネタリウムは、ドームという大前提を取り払うことで、新たな進化のフェーズにはいりました。いま、手がけている事がいくつかありますが、いつかこれが当たり前になり、宇宙の大きさや拡がりを人々に普遍的に伝えられるようになったとき、人々の物事の捉え方や世界観にも影響を与え、いつか未来を少しでも明るいものにするために貢献できたらと夢見ています。
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