テレ東シナリオコンテスト#「アンエクスペクテッド・デベロップメント」


#テレ東シナリオコンテスト

○リビング・ダイニング

きいろはキャンとジェミを呼び寄せる。

きいろ「女の子三人なのでちょっと夕御飯まで色々お話出来たらいいな~って思って呼んだんですが・・・駄目でしたか?」

キャン「駄目って事は無いですよ・・・」

ジェミ「・・・」

きいろ「(気になる・・・)あ・・・何か不味かったですか・・・済みません・・・」

ちょっと表情が暗くなる。


キャン「(怪しまれても不味い)いや、不味い事は無いよ!ご飯はアクが作るから三人でいてもいいですよ!ね、ジェミ!」

少し焦るキャン。

ジェミ「わ、私も別にお話ぐらいいいですよ」

キャンに合わせるジェミ。

きいろ「何か悪かったですか?」

訝しがるきいろ。

キャン「何も無いですよ!何でも話しますよ!」

きいろ「そ、そうですか・・・じゃ話しましょうか。あ!これ録画してもいいですか?」

キャン「・・・まあいいですよ。お話するぐらい」

きいろ「じゃ!今からお話しましょう!」

きいろ、キャン、ジェミの三人を床に座る様促す。

キャン「?何で床に直に座るのかな?」

きいろ「ま、いいからいいから」

促されるがままに床に直に座る三人。

きいろ「それでは!キャンさん!ジェミさん!改めて!わたしはYouTuberのきいろと言います!何で「きいろ」って名前にしたのかって言うと・・・」

キャン「言うと?」

きいろ「ジェミさん?分かりますか?」

ジェミ「え!行き成りそう聞かれても・・・名前に「黄色」の漢字があるから・・・ですか?」

キャン「それか黄色が好きだから?若しくは彼氏の名前に黄色の字が使われてるから?」

きいろ「彼氏は・・・」

ジェミ「彼氏は?」

キャン「いるんですか?」

きいろ「います」

キャン・ジェミ「いるんだ!どんな人!?」

二人驚いて顔を見合わせきいろに尋ねる。

きいろ「知りたいですか?」

ジェミ「まあ、そんな流れになったし」

キャン「ほうほう、自ら彼氏がいる事告白したのだから、そりゃあ聞きたいかなあ?合う度二人は淫らに激しく愛し合ってるのかなあ?」

笑顔で尋ねるキャン。

きいろ「うふふ・・・知りたいですかあ?」

キャン・ジェミ「是非聞きたいなあ」

きいろ「教えて欲しい?」

キャン・ジェミ「うん!うん!」

きいろ「(乗ってきたな)でも私もお二人から教えて欲しい事があるんですが・・・」

ジェミ「タームス・オブ・エクスチェンジか・・・」

キャン「何?ターミナルエクスチンジって?」

ジェミ「(真顔で)terms of exchange。日本語で交換条件」

キャン「彼氏の事聞きたいなら私たち二人への質問に答えよって事ね」

きいろ「そ、そんな深く考えなくても」

ジェミ「(怪しむ表情で)・・・でもまあ何が聞きたいの?」

きいろ「先ずはお二人のお名前についてです。キャンとかジェミとか。何でその名前で呼び合ってるんですか?」

ジェミ「ああ、これは・・・」

キャンがジェミを睨み付ける。

ジェミ「・・・い、い・・・」

キャン「私はキャンディーが好きだからキャン!ジェミは双子座生まれだからジェミ!」

きいろ「はあ・・・では本名は?」

キャン「そ!それ言う!?言わなきゃならないの!?」

きいろ「え・・・?何か不味かったですか・・・?」

ジェミ「ゆ、YouTuberってわざわざ住所氏名名乗らないでしょ?それと一緒!」

きいろ「(少し笑顔で)そうですよね」

キャン「それより!何できいろって名前なの!?」

きいろ「彼氏の名字に黄色の黄の字が付いてるからですよ」

キャン「なーんだ、聞いてみれば大した事ないね」

ジェミ「でも彼氏がいるのはいいわよね」

きいろ「アクさんはどちらと付き合ってるんですか?」

ジェミ「アクは・・・」

キャンが再び睨み付ける。

ジェミ「あ、アクはホモセクシュアルだから!」

キャン「えええ!」

驚くキャン。

ジェミ「アクはホモなの!同性愛者だから私ともハナヨとも付き合ってないのよ!」

きいろ「はなよ?」

ジェミを睨み付けるキャン。

ジェミ「はなよはここの家の・・・」

きいろ「ここの家?」

ジェミ「い、家のも、持ち主ししし・・・」

きいろ「持ち主?」

ジェミ「もう何だっていいでしょ?はなよが何さ!何が聞きたいの?はなよが誰だと言うの?はなよだろうが何だろうがあんたには関係無いでしょ!馬鹿なの!死ぬの?」

もの凄く慌てふためて畳みかけるジェミ。

きいろ「あ・・・あの・・・」

たじろぐきいろ。

キャン「あ・・・いや、もうアクの事はいいじゃない!話題をかえましょうよ!」

きいろ「そ・・・そうですね。そうですよね」

ジェミ「そう!そう!変えましょう!チェンジしましょう!」

きいろ「それでは皆さん着ている服を脱いで下さい」

キャン・ジェミ「え!」

きいろ「私のユーチューブは下着姿で放送するのが売りなんです。だから」

きゃん「いや!何で脱ぐの!?服を着て話せばいいじゃない!」

きいろ「それじゃ盛り上がりませんよ?」

キャン「何を盛り上げるとでも言うの!?」

きいろ「ユーチューブで料理したり踊ったりしてる映像ありますよね」

ジェミ「はい」

きいろ「でも只単に料理するより水着姿で料理する映像の方が視聴数が伸びるんですよ。ほら、ダンスとかも水着でしてる映像あるでしょ?男なんてそんなモンなんです。だから皆さんも協力して下着姿になりましょう」

キャン「そんなの恥ずかしい!」

きいろ「恥ずかしい!?恥ずかしいと思う心が恥ずかしいんです!みんな最初は裸だったんですよ!?それに単に服着た女性の映像なんて誰が観たいのですか?下着だから観るんです!さあ!脱いで下さい!みんな待ち望んでるんですよ!視聴者を裏切らない気持ちが大事なんです!」

キャン「し、視聴者って・・・」

ジェミ「それもハブ・ア・ポイントね・・・」

キャン「今度は何よハブアポイントって?」

ジェミ「一理ある」

きいろ「ではそろそろ・・・」

服を脱ぐきいろ。驚く二人を余所に下着姿になる。

キャン「ほんとに脱いだ・・・」

服を脱ぎ始めるジェミ。

キャン「あんた何脱いでるの!?」

ジェミ「何か脱ぎたくなった。キャンも脱ぎなさい」

キャン「何で下着な訳!?」

きいろ「あ、最終的には裸になりま・・・」

キャン「あんた何してるの!?ユーチューブどうなってるの!?」

きいろ「全裸で録画しますが、ちゃんと大事な性器にはモザイク処理しますからご心配なく」

キャン「だからあ!何でそこまで」

きいろ「全ては視聴者の為、強いては視聴数増加で私の収入増加の為」

キャン「自分の為かよ!」

きいろ「だって私YouTuberですから」

キャン「いや、だからあ・・・ってジェミ!下着になってるじゃないの!」

ジェミ「さあ、キャンも脱ご」

キャン「いやあ!」

ジェミ「脱がないと・・・分かるよね?」

キャンに冷たい視線を浴びせるジェミ。

キャン「・・・・」

諦めた表情で服を脱ぐキャン。そして三人とも下着姿となる。

きいろ「盛り上がって参りました!」

ジェミ「イエイイエーイ!」

顔を隠すキャン。

きいろ「キャンさあん!もっと弾けて!」

キャン「これでどうしろと!?」

きいろ「世の中何が起こるか分からないんですよ」

ジェミ「セイ・グッド・シング!(良い事言う)」

キャン「セイ・・・もういいわ・・・」

きいろ「可愛い女の子三人でこれから踊りを踊りましょう!」

ジェミ「イエーイ!」

キャン「何で踊る訳え!」

きいろ「盛り上がりますよ。下着姿の女性が踊るのですから」

キャン「もう嫌!何でそこまで付き合わなきゃいけないの!?」

きいろ「だって服着て座って個人的な話したって何が面白いんですか?私も最初なんかこの家怪しいって思ってて、それとなく聞いてみようかなとか思ってたんですけど、何かふいにそんなのどうでも良くなっちゃって」

キャン「何かあるでしょ聞きたい事とか!玄関の三輪車だとか二階の部屋の事とか!」

きいろ「初めは聞きたかったんですが、視聴者的に考えたらどうでもいいかな~って思って。だって三輪車がどうとか真面目に聞いても即答してくれますか?」

ジェミ「そ・・・それは・・・」

きいろ「でしょう!?それ聞いたりしたら何だか推理ドラマとかホラードラマみたいな展開になるじゃないですか!?そんな予定調和な話誰が聞きたいですか?展開が当たり前です!」

キャン「展開がどうとかって言われても・・・」

きいろ「それにアクさんは何処にいるのですか?」

キャン「アクは今買い物に」

きいろ「それもです!何ですか買い物って!?何を買って来ると言うんですか!?野菜やらお酒やらでしょ!?芸が無いです!当たり前過ぎます!」

ジェミ「そんな事言われても・・・」

きいろ「例えば!買い物に行きましたと!で!何を買ったかって所が焦点になるんです!野菜?肉?ならどんな野菜で肉買ったのって!大根?キャベツ?白菜?豚肉?牛肉?馬鹿ですか?野菜だったらロマネスコ買いましたとか!肉なら豚肉じゃあ無くってアルパカとか!」

キャン「ええ!?ロマヌスクにアリパカ?」

ジェミ「ロマネスコにアルパカ」

きいろ「ロマネスコはブロッコリーみたいな野菜。アルパカが気になるなら栃木県に行って下さい」

キャン「何で栃木?」

きいろ「栃木は置いといて、要は当たり前な展開だとつまらないでしょ?観る側からすれば。意外な展開があるから視聴者は興味惹かれるのよ。極端な話、キャンさんとジェミさんのお二人が吸血鬼だったとか、実は男でしたとか、アクさんが作ったロボットとか何かこう意外性が必要なんですよ」

ジェミ「何か説得力あるなあ」

キャン「確かに意外性があると観たくはなるよね。特に今私ら下着姿だし」

ジェミ「エロス大放出」

キャン「恥ずかしい事言わないで!」

きいろ「だからこれからの展開が大事なんです。例えば・・・」

キャン「アクがマグロ背負って帰って来る」

ジェミ「いいねえ」

きいろ「うん!それは面白い。そう!そんな展開が大事なのよ!例えばアクさんが帰宅時に只単にドア開けて玄関から入って来るのじゃ当たり前でしょ?」


ジェミ「うん」

きいろ「なのでちょっと捻る。アクさんが側転で帰宅するとか」

キャン「ふーん」

きいろ「まあ帰宅は普通でもいい、ってのもアリ。でもそこから面白くするには」

キャン「には?」

同時刻○リビング・ダイニングのドア一つ隔てた場所

帰宅したアクが聞き耳を立てて三人の会話を聞いていた。

○リビング・ダイニング

きいろ「帰宅したアクさんを、私ら三人で丸坊主にするのです」

キャン・ジェミ「ええ!」

同時刻○リビング・ダイニングのドア一つ隔てた場所

アク「えええ!」

続く!


※アクが丸坊主になるのは鬘とかCGとかでなくガチで。きいろ・キャン・ジェミが下着姿になるのもガチで。「出来無い」と言う選択肢は無い。ドラマと雖もリアルな展開を。程ほどの演出ではそれなりの反響しか得られない。これだけ体を張っていると言う所もアピールの一つです。因みにアルパカで栃木なのは栃木の那須町に日本唯一のアルパカ牧場があるからです。





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