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弁護士津金貴康の本棚~刑事編~

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2021年5月の記事一覧

黙秘の大切さがよくわかる~季刊刑事弁護79号(現代人文社)

近年,取調べに対して黙秘をすることの重要性について,修習の際に習うと聞きます。

もっとも,身の回りの弁護士や修習生と話をしていても「黙秘は必要なんですか?」と聞かれることも決して少なくはありません。

私は黙秘はとても大切だと考えていますが,こう考えるにあたり一番参考にした本は,季刊刑事弁護79号(現代人文社)です。

季刊刑事弁護は,多くの弁護士が聞いたことがあるであろう,刑事弁護に特化した季

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道路交通法の事件を行う際のとっかかりに~執務資料道路交通法解説(東京法令出版)

自動車は,我々の生活になくてはなりません。そして,自動車にまつわる事故やトラブルは必然的に発生します。

道路交通法に関する事件は刑事事件で扱うことになるでしょうし,民事事件や行政事件でも関わってくることがあるでしょう。

そんなときに私がオススメしたいのは「執務資料道路交通法解説」(東京法令出版)です。

編著をしている「道路交通執務研究会」がどのような団体かが判然としないため,この本の見解を鵜

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私の仕事観に大きな影響を与えた本~反省させると犯罪者になります(新潮社)

「悪いことをしたら反省を求められる」これは,刑事裁判に限らず,日常生活でもそうかもしれません。

私も弁護士1年目や2年目のときには,刑事事件で出会った依頼者に,反省を求めていたように思います。

そんなときに,どのような経緯かは忘れてしまいましたが,「反省させると犯罪者になります」(岡本茂樹 新潮社)」に出会いました。

すごくキャッチーなタイトルでしたが,著者の岡本茂樹さんの実体験に裏打ちされ

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反対尋問の参考に~実践!刑事証人尋問技術part2(現代人文社)

反対尋問の実演型研修を受けた際に「主尋問の塗り壁だ」と言われることがよくありました。

どうしたらいいのか分からないままずっと過ごしていたのですが,そんなときに出会ったのが「実践!刑事証人尋問技術part2 事例から学ぶ尋問のダイヤモンドルール」(現代人文社)でした。

反対尋問の尋問事項についてどういう着眼点で考えればいいか書いてあり,参考になります。

その他,専門家証人の尋問のポイントなども

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