自#223「今や製造禁止に多分なっている水銀体温計の方が、正確だったんじゃないかな」

「たかやん自由ノート223」

「体温で24時間を整える」という記事をアエラで読みました。緊急事態宣言が出る前(4月7日)、始業式があって、生徒が登校しました。学校のHP(ホームページ)を通して自宅で検温して、37.5度以上ある生徒は、登校しないように伝えてありました。が、みんながみんな、HPを見ているわけでもありませんし、たとえ見ていても、検温し忘れた生徒もいます。そこで、保健部の教員が、昇降口で待ち構えていて、自宅で検温したかどうかを確認し、計ってない生徒のために、入り口に体温計を用意して、検温してもらいました。案外と人数が多く、大変でした。生徒が使った体温計は、当然ですが、一回使う度にアルコール消毒をしなければいけません。自転車置き場は、校舎から一段下がった位置にあり、階段を駈け上がって来ると、それだけでも体温は上昇します。光を当てた瞬間に、検温できる機器は、まだ配布されず、普通の体温計(電子体温計)を用意して、計ってもらいました。37.5度を超えている生徒もいます。その場合は、ベンチ椅子で少し休ませて、もう一度、計ります。別の体温計を使って、検温し直すこともあります。同じ製品ですが、体温計の品質には、ばらつきがあります。10秒くらいで検温できる体温計は、何か、ちょっと微妙だなと思ってしまいました。
 私が子供の頃に使っていた水銀の入った体温計は、腋(わき)の下に10分間くらい挟んで、測定していました。が、水銀を使った体温計は、もう見かけなくなりました(環境に負荷をかけると云うことで、製造が禁止されたんだと思います)。短い時間で、簡単に検温できる電子体温計は、便利ですが、測定値には、やはりブレがあります。電子体温計で測定される体温は、検温開始からの温度変化を分析し、アルゴリズムで予測して値を出したものだそうです。つまり予測体温です。正確に体温を測るためには、やはり10分くらいかかるそうです(ブザーが鳴った後も、計り続けていると、予測式から実測式に切り替わるタイプの電子体温計もあるようです)。ちなみに、現在、各学校には、サーモグラフィーを用意してあって、昇降口にそれを設置し、生徒の体温をcheckする仕組みになっています。
 ところで、体温は一定ではなく、24時間の中で、変化しています。夜、深い睡眠に入っている時が、一番低いそうです。つまり、温度が高いと、深い睡眠に入れないんです。これは、子供時代、アデノイドや扁桃腺や気管支炎、大人になってからは、肺炎で何回も苦しめられた私は、充分に承知しています。熱があると、浅いうつらうつらとした睡眠しかできません。時に、呼吸困難にすら陥ります。
 起床する1時間ほど前から体温は上がり始めます。起床後、11時間後に体温はピークに達します。つまり、12時間上がって、12時間下がる仕組みになっているんです。起床後、4時間くらいに、脳の働きはもっとも活発になるそうです。つまり、温度が上昇している時間帯の中庸と云うか中間付近で、頭は一番、冴えきっていると云うことです。これは、何となく経験的に判ります。ごくごくたまに、自分の授業が、ゾーンに入ったと感じたことがあります。それは、例外なく、3、4時間目のどちらかの授業でした。この時刻は、こちらの頭も働き、生徒の脳の活動もMaxになりつつあるんです。5、6時間目は、どんなに頑張っても、集中力は途切れ、展開が散漫になります。
 AM6:00に起床する人であれば、PM5:00に体温はピークに達します。このピークになる時刻に合わせて、ジョギングや筋トレなどをして、より一層、体温を上げておけば、その後、体温はなめらかに低下し、眠りも深くなるそうです。つまり、体温のリズムにメリハリができると云うことなんだろうと想像しています。
 体温のメカニズムを分析すると、起床後の10~11時間後くらいに運動することが、一番、望ましいわけです。私は、これまでの人生で、何回か、ジョギングをしたことがあります。起床後のランニングとかにも、challengeしてみました。昼休みに走ったこともあります。が、何か、今ひとつしっくり来なかったんです。走ったあと、シャワーを浴びたりするのも、手間がかかります。結局、夕方走ることに落ち着くんですが、それは、つまり体温のメカニズムが、私を知らず識らずの内に、導いてくれていたんだと、記事を読んで理解しました。
 私の平熱は、36.4度くらいですが、計る時間帯によって、かなり変化します。36度を下回ったり、37.1度くらいになったりもします。一日の内に、温度が変化しているんです。入院していると、朝と夕方、検温をします。間違いなく、夕方は、体温が高くなっています。それが、普通だと看護婦さんに言われましたが、つまり体温のメカニズムに照らし合わせてみると、まさにそれが当たり前だと云うことです。
 平熱が、37度くらいの人もいる筈です。そういう方は、昼間活動していると、すぐに37.5度くらいになってしまいます。入り口のセンサーが反応して、警備員に呼び止められてしまう場合が、しょっちゅうある方は、もともとの基礎体温が高い方です。一律に37.5度以上を自宅待機と云う風には、本当は、一概には決められません。
 15分くらい、昼寝をして、リフレッシュした後、勉強をすると云った風な、リフレッシュ法が、受験マニュアル本などでは、紹介されていたりします。もっとも、私は生徒に勧めたことはありません。自分はやらないし、経験したこともないのに、受験マニュアル本に書いてあるからと云って、受け売りで生徒に勧めることもできません。若い頃、坐禅をしていた時は、間違いなく常に睡眠不足だったと思いますが、昼寝などは無論、許されません。もし寝るとしても深夜だけです(オールで坐っている人とかいっぱいいます)。体温のメカニズムから判別する限り、昼寝リフレッシュ法は、望ましくないと云うことになりそうです。病院に入院していると、ごくたまに、うっかりして昼寝をしたりすることもありますが、100パーセント間違いなく、その後の夜の眠りは、薄くなりました。体温が上昇している時は、横になったり、静かなポーズとかも、望ましくないそうです。基本は、立っているか、動くか。座る場合は、背筋を伸ばし、正しい姿勢で座るべきだそうです。で、夕方は、運動をして体温をより高めます。その後の入浴は、熱いお湯はダメで、ぬるめのお湯にゆっくり入って、体を温めます。寝ている時は、体温は下がっているわけですから、電気カーペットとか、電気毛布とかのつけっぱなしは、もちろん、NGです。

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