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初めてコンボデッキを真剣に調整した話

割引あり

◆アイサツ

 ドーモ、たかやねず(X:@takayanezu)です。

 《根花のヘイゼル》のデッキを買いました。イラスト可愛すぎてレイズドfoilが欲しくなってしまいますね。ブル~ムバロウ最高!

可愛すぎる。気が狂いそうになる。

◆チームモダンに出てきました

 8/18に開催された2年ぶりのBMOである「BIG MAGIC Open Vol.13」のチームモダンに参加してきました。

 チームメイトはグランプリ・名古屋2018(『ラヴニカのギルド』チームシールド)からのいつメンです。

左のメガネのイケメン:あほだち君   右のメガネじゃないイケメン:まぜさん
真ん中の笑顔のつもりだった人:たかやねず

A:あほだち君(X:@meimeigenbu) デッキ:【バントバドゥ】タッチ黒

 チーム最年少、何をやらせても上手くやる。センスという言葉はこの男の為にある。高身長。カードを変な略称で呼ぶ。

C:まぜさん(X:@mazenemaze) デッキ:【ジェスカイエネルギー】

 学が高い、夕立をケアして常に傘を持ち歩く社会人Lv100。高身長。常識を超越した早寝早起きをしているらしい。

 そしてこの俺、記事を書いたその人。
B:たかやねず デッキ:【ベルチャー】

 チーム最年長、特にセンスがあるわけでもなく、夕立で毎度ずぶ濡れになる。低身長。家にぬいぐるみが30匹以上いる。

 この仲良し3人で臨んだ結果は…

 Top8入賞です!BMOは数多く出てきましたが入賞は初めての事なのでとても嬉しいです。

◆使用デッキについて

 今回使用したのは周りには内緒でこっそり調整していた【ベルチャー】です。

 【ベルチャー】とは《ゴブリンの砲火砲》を設置して起動する事に全てを賭けたコンボデッキです。

 従来の【ベルチャー】は《選り抜きの記憶》を入れた青単や《小道の再交差》とマナ加速を入れた赤緑で組まれています。

どちらもデッキに土地が入っていない事に大きなメリットがあります

 今回使用したリストは上記の3色からちょうど外れた白黒で組まれています。

 調整段階から【バントナドゥ】や【ルビーストーム】といったコンボデッキに無敗という魅力的なポイントがあります。

 1ゲーム内に両面ランドのアンタップインを概ね2回行い、ライフは実質14スタートなので、【白赤エネルギー】のようなアグロデッキを苦手としています。

 どうしてこの色の組み合わせになったのか、採用カードと共に紐解いていきましょう。

土地

 《ゴブリンの砲火砲》で安定してワンショットのダメージを出す為に入っていません、ここではたまたま裏面が土地で、プレイする際に土地として置けるカードを紹介します。以降は裏面ランドと呼ぶことにします。

 どれも表面を唱える機会はあまりないですが、しっかりと効果は押さえておきましょう。

 裏面の名前も記しておくので、併せて覚えておくとMTG百人一首をする事になった時にとても有利です。

《玻璃翼の恩寵》/《年季の入った礼拝堂》 4枚

 裏面ランドにデュアルランドが来ました。これにより裏面ランドだけで2色以上を有するデッキでも安定して色が出せるようになりました。

 白と黒はこのデッキのメインとなる色なので、このカードは真っ先に土地として置くことになります。

《不敬者破り》/《致命的なぬかるみ》 4枚

 《英雄の破滅》でもある裏面ランド。モダンホライゾン3で出た単色の裏面ランドはどれもプレイアブルであり、アンタップインが可能です。

 今までの【スパイ】や【ベルチャー】は土地として置く以外にほぼ使い道のない裏面ランドばかりでしたが、このようなプレイアブルなカードの存在はとても大きいです。

《魔女の結界師》/《魔女恵みの草地》 4枚

 こちらは《解呪》持ちクリーチャーの両面ランドです。このコンボデッキはメインデッキに《英雄の破滅》4枚と《解呪》4枚という対策カードに対する回答が十分に準備された状態になっています。

《剃刀草の待ち伏せ》/《剃刀草の原野》 2枚

 こちらは《絶妙なタイミング》でもある両面ランドです。軽い除去として序盤を凌ぐのに一役買ってくれます。

《ヴァラクートの覚醒》/《ヴァラクートの石鍛冶場》 2枚

 両面ランド枠で必要なカードを探す用のカードとして入っています。

 これによりデッキが白黒タッチ赤になりました、後述のカードの為にタッチした赤が役に立つ場面が出てきます。

《血に染まりし洞察》/《血溜まりの低湿地》 2枚

 タッチ赤の為に黒赤の両面ランドも入れています。このカードは表面で唱えることを一切想定していませんが、マナが過剰の場合は相手から勝ち筋を頂けるかもしれません。

《アガディームの覚醒》/《地下遺跡、アガディーム》 4枚

 「ゼンディカーの夜明け」で登場した両面ランド。この時点では各色の神話レアの1種類のみがアンタップ状態で場に出すことが出来ます。

 これまでのカードに比べて土地として2色出るわけでもなく、プレイするにしてもとても重いですが、黒が出るアンタップインの両面土地が他に無いので入ってます。

 手札に両面土地が無ければ即土地として置きます。使うことはほぼ無いでしょうが、このカードを唱えて勝ったゲームが1度だけあるので、表面の効果もしっかりと把握することが大事です。

呪文

《ゴブリンの砲火砲》 4枚

 このデッキの主役、このカード起動してデッキをひっくり返す事に全てを賭けています。

 必殺の一撃、命を懸けて決めましょう。

《鏡に願いを》 4枚

 最重要カードである《ゴブリンの砲火砲》を探す手段の1つ。協約して唱える為には、あらかじめアーティファクト、エンチャント、トークンのいずれかが場に必要ですが、そこは困らないようになデッキになっています。

 サーチ先の《ゴブリンの砲火砲》が手札にある場合でも無駄になる事はありません、むしろより凶悪な事が起こります。

《アイレンクラッグの妙技》 1枚

 《鏡に願いを》から唱える候補の1つで、手札に《ゴブリンの砲火砲》があれば得た7マナで唱えて即起動して勝つことが出来ます。

 デッキをタッチ赤にした理由は、このカードが手札に来た際に唱えられるパターンを作っておきたかった為です。

《否定の契約》 3枚

 《ゴブリンの砲火砲》と完璧なシナジーを誇る打ち消し呪文。4マナで唱える際の打ち消しや、出た後の対処されるカードに対して使用します。《ゴブリンの砲火砲》が絡むターンには絶大な効力を発揮しますが、それ以前のターンには一切の効力を発揮しません。

 次のターンのアップキープに負けてしまいますが、その誘発効果にスタックして《ゴブリンの砲火砲》を起動すれば負ける効果を解決する前に勝つ事が出来ます。

 《アイレンクラッグの妙技》とだけ嚙み合わず、《ゴブリンの砲火砲》を唱えると誓約によりこのカードを唱えることが出来ません。

《不敬な教示者》 3枚

 2ターン経てばどんなカードでも手札に入ります。《ゴブリンの砲火砲》と《鏡に願いを》を揃えるも良し、《ゴブリンの砲火砲》を通す為に《否定の契約》を持つのも良し、コンボデッキのお供です。

 《鏡に願いを》と共に、《時を解す者、テフェリー》に弱いのはご愛敬。

《五元のプリズム》 4枚

 デッキの速度を上げるマナファクト、2マナで次のターンに2マナ増えるのはこのカードだけです。

 《鏡に願いを》を唱えるのを1ターン早く出来て協約のコストにもなるマナファクトはこのデッキに欠かせないカードです。

完全な不要カードか、ほとんど不要カードかは大きな違い

 赤を含む両面ランドとこのカードがあれば、《アイレンクラッグの妙技》を手札からも唱えられます。両面ランドでタッチ赤をしていないと全てマナファクトから赤を出す必要があり再現性がありませんが、一枚でも土地から赤が出るだけで一気に現実味を帯びます。

《太陽光変換器》 4枚

 マナファクトその2、こちらはエネルギーを得られます。

 カードとしては《太陽の宝球》とほぼ同じですが、ここで得たエネルギーは他に使い道があります。

《静牢》 4枚

 どのデッキ制限なく使用出来る1マナの万能除去。ライフを奪うクリーチャー、対策カードの除去が出来るので非常に重宝するカードです。

 通常では2ターンエネルギーで維持した後に消えてしまいますが、《太陽光変換器》を置けばもう3ターン維持できます。

 このカードはエンチャントなので《鏡に願いを》の協約コストにもなります。万能除去でありコンボ始動の為のパーツの1つでもある非常に優れたカードです。

《コジレックの審問》 3枚

 妨害と言えば手札破壊呪文。相手のクリーチャーや打ち消し呪文を捨てて、こちらの望むゲーム展開とします。

 このデッキはコンボデッキでありながら、メインデッキからハンデスや除去がこれでもかと入っているのが強みです。

 この構成こそが、同様のコンボデッキである【バントナドゥ】や【ルビーストーム】に無敗である所以です。

《悲嘆》 4枚

 【死せる生】のようなコンボデッキにも採用されている手札破壊呪文。0マナで使用できるので《ゴブリンの砲火砲》を出すターンにテンポを失わずに使用できる点は非常に強力です。

 コンボ始動する前に4マナで出すことで、相手の打ち消し呪文を1枚削れるので、どのような状況でも腐ることはありません。

サイドボード

《神聖の力線》 4枚

 【スパイ】や【ベルチャー】のサイドボードと言えばこのカード。

 このデッキは土地が全て両面ランドで構成されていて、その全てが手札破壊呪文の対象になります。【黒単ネクロ】のような手札破壊呪文が大量に入ったデッキが相手だと両面ランドを落とされ続けて何も出来ずに負けてしまいます。

《オアリムの詠唱》 3枚

 モダンホライゾン3で採録してモダンで使用できるようになった《濃霧》の付いた《沈黙》です。

 《ゴブリンの砲火砲》を通す為の追加の打ち消しに準ずるカードです。

 また、【ルビーストーム】や【死せる生】の対策カードにもなっており、要所で呪文を封じることでかなりターンを稼げます。

《脅迫》 2枚

 こちらも《ゴブリンの砲火砲》を通す為に使用します。《オアリムの詠唱》との違いは、こちらは事前に脅威を取り除ける点にあります。

 《大いなる創造者、カーン》のように出された瞬間負けが濃厚になるようなカードは、手軽に使用できる打ち消し呪文が入っていないこのデッキでは手札破壊呪文しかありません。

 通常は手札破壊呪文は《思考囲い》がメジャーですが、いかなる場合においてもライフが大切である為、このデッキでは採用していません。

《致命的な一押し》 4枚

 クリーチャー除去の追加枠です。両面ランドはアンタップインするのに毎度3点のライフが必要で、現在幅を利かせている【白赤エネルギー】にコンボを間に合わせる為に、このようなカード軽い除去カードは必須になります。

《梅澤俊郎の生涯》/《俊郎の記憶》 2枚

 【白赤エネルギー】にはタフネス1のカードがとても多く、それらを除去してターンを稼ぎつつ《鏡に願いを》での協約のコストまで用意してくれます。

メジャーな方

 元々は別のメジャーなカードだったのですが、チーム戦の使用制限の関係で使用出来なくなってしまい、他のカード検討していた際により良いカードを見つけてしまいました。

◆デッキの手引き

(ほぼ)唯一のフィニッシャー

 【ベルチャー】とは《ゴブリンの砲火砲》を設置して起動する事に全てを賭けたコンボデッキです。

出典:ついさっき

勝ち方

 先述の通り、このデッキは《ゴブリンの砲火砲》の設置と起動に全てを賭けています。その中でも勝ち方が3つあります。

1:《ゴブリンの砲火砲》と《鏡に願いを》揃えて、ほぼ更地の場から勝つ

 このデッキで1番狙う勝ち方で、マナファクトを絡めた動きをすると最速で3ターンで起動して勝利します。この方法だと相手のアーティファクト破壊を無視することが出来るので、サイドボード後でも有用な戦術です。

 【白赤エネルギー】のようなアグロデッキから、【黒単ネクロ】のようなハンデスコントロールまで様々なデッキに対して有効です。

この場合のサイドボードの考え方
・置物破壊対策や打ち消しを考慮しなくと良いので《否定の契約》が不要になる。
・アグロデッキは同マナ域で攻めるカードが被っている事が多く《コジレックの審問》は打ち損になる場合が多い。
・《不敬な教示者》でサーチして揃える場合はライフが足りなくなる場合も大いにあるので、《致命的な一押し》や《梅澤俊郎の生涯》で時間を稼ぐ必要はある。こちらが先行の時には除去呪文無しにもこのコンボが間に合う場合が多いので入れ過ぎるのは禁物。

2:《ゴブリンの砲火砲》を設置して、次のターンまで守って起動する

 《ゴブリンの砲火砲》か《鏡に願いを》のどちらかしか無い場合はこの方法になります。この場合はでは《否定の契約》のバックアップが有効になります。

 【青黒執政】や【ジェスカイコントロール】のような打ち消しの多く入ったデッキには《鏡に願いを》からの《アイレンクラッグの妙技》のような無防備な仕掛けは成就しないので、こちらの勝ち方が有効です。

この場合のサイドボードの考え方
《アイレンクラッグの妙技》とそれを唱える《鏡に願いを》が抜ける。
・《鏡に願いを》に頼らなくなり、《呪文嵌め》が多く入っているデッキ相手なのでマナファクトである《五元のプリズム》や《太陽光変換機》は不要であるし、そもそも通らない。

3:《悲嘆》で殴りきる

 サイドボード後に《屍呆症》等で《ゴブリンの砲火砲》がデッキから無くなってしまった場合に取る苦し紛れのサブプランです。

5/4威迫飛行絆魂のフィニッシャーの川崎

 《悲嘆》は《鏡に願いを》で探してこれる上に、サイドボード後は除去カードも全て抜けている為、苦し紛れの戦術にしては結構決まります。《玻璃翼の恩寵》で強化出来るのも見逃せないポイントです。

この場合のサイドボードの考え方
《屍呆症》等は《神聖の力線》で防げるが、よほど黒が濃く手札破壊と併用されているデッキでない限りは入れたくはない。
・《悲嘆》は仕掛ける時、相手が構えているカードを削る時、このプランを取る時と、とても強力なカードなので、いかなる場合にも減らすことは無い。

キープ基準

このカードしか勝ち手段がありません

 《ゴブリンの砲火砲》に準ずるカードが有無に尽きます。そしてそれらに該当するカードとして以下のカードが1枚以上あればキープとしています。
・《ゴブリンの砲火砲》4枚
・《鏡に願いを》4枚
・《不敬な教示者》3枚
・《ヴァラクートの覚醒》2枚

 《鏡に願いを》は協約コスト用のカードが無くてもキープします。最悪はちょっと弱いの《魔性の教示者》として使います。

 《ヴァラクートの覚醒》はキープ基準としては弱い気がしますが、両面ランドでありキーカードを探せるカードの中で1番良さそうな物を入れました。少しでもキープ率を上げる為の足掻きです。

◆チーム戦小話

チーム戦のサードデッキ?

 今回紹介した【ベルチャー】はチーム戦用に調整に調整を重ねたデッキ…ではありません!

 これはモダンホライゾン3のフルスポイラーが公開された時から思っていた「あること」をデッキに落とし込んだものであり、それがたまたまチーム戦の3rdデッキとして最適だった為です。

 イベントで何名かにチーム戦専用のデッキなんですねって言われましたが、そこは頑なに否定しました。

ホントにそのデッキで出てんの?

 チーム戦の会場で友人のチームと出会い戦績やデッキの事についていろいろ話していた中の会話の一部。

 I君「たかやさん、ホントにそのデッキで出てんの?」

 何とシツレイな事か、I君は大本命の【バントナドゥ】使って個人負け越してるじゃないか、この3rd出来以下だぞ、恥じたまえ。

◆煌めく障壁

 アイエッ?!この壁は一体…

※この《煌めく障壁》は《鏡に願いを》とのシナジーで採用を検討していたカードの内の1枚です。

 以下の項目が気なる方は記事の購入をお願いします、なにとぞなにとぞ。

◆チーム戦小話 つづき
 彼らの軌跡の殆どに武勇伝がある、笑える逸話も少しある。

◆デッキ開発秘話
 このオリジナルデッキの変遷を書きました。そこにはいくつもの閃きがありました。

◆おわりに
 いつもの締めの言葉です。

◆おまけ
 この記事、ちゃんと読んでくれてますよね?

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