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「マスカレード」を聞きながら/カーペンターズ ヴァージョン

タカッチ
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◎原曲は1972年、レオン・ラッセル

こんな綴りの歌があるみたい、「男と女の仮面劇、その恋愛ゲームの只中で、互いの素顔を隠し切れずに、虚栄の愛の海、その波間に浮沈しながら、自尊のかがり火を灯して、どこまでともなく、いつまでともなく、孤高にさ迷っている」、まあ、何て自我型の繊細な方々かしら、花の浮世の見栄舞台、いち早く降りた方がいいわ

これはもう「伝承」かしら、誠心の鍬をもって男女の間柄を耕し、礼節に正した「理解」の種を播けば、ついにそこから刈り取るものは真実の愛、そのたわわの花房だと、でも本当かしら、どうしても理解し合わなければ、真澄の愛には至らないのかしら

あの頃はウブというかジュンというか、人には明かせないウソが邪魔して、これが私の素顔だからとシラをきって言えなくて、人様の前では何とか仮面で通してみても、あなたには着飾りの中から見え隠れして、「たとえ訳ありの人であっても、僕は君が好きだ」と、そんな朗報を待ち望んでいたのかしら

私の素性を知っている奴がいるかもしれない、二人の陰でうすら笑いを浮かべているかもしれない、いつかは衆目の曝し場にバラまかれるかもしれない、自分のことだけなら怖くはないけど、あなたの態度が変わるかもしれない、そんな覚悟なんか、とてもできなかった

なに、鼻をつまんで飲み干してしまえば、割り切りの舌をペロリと出して、こだわりの自我なんか棚上げにして、集団内の「十束一絡」に安息しましょ、そうすれば時代の空気にまかせた自分を慰めて、アブクみたいな幸せだけど、とりあえずの世間並みで、きっと生きていけるから

さて、誰もが承知のこの私、あなたの目には不似合いな仮面なのね、じきに私らしさにもっと気づいて、その「ペルソナ・人柄」を植え替える日の訪れを、あなたは心待ちにしているのね

そう、今日も私を小娘あつかいにして、あなたは庇護者みたいな優越気分、でもこの仮面の裏も、また素顔じゃないかもよ、こころ優しい殿方みたいに、ズケッと踏み込めない男子かしら、「見ちゃ、ダメ!」、そんな女の禁断域を、あなたは知らないでしょう?

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