感染力って何?

おはようございます。といっても、午後1時ですが。

昨日は、友達が来てくれて、四方山話に花が咲きました。うちら猫は数メートル以内の近接状態であれば、言葉はいらないのです。人間にはないのですかね?意外です。気づいていないだけじゃないかなあ。

同居人、朝から下痢が酷くて苦しんでいます。「しかぶった!」(漏らしたと言う意味らしいです)と言って騒いでました。何か拾い食いでもしたんでしょう。いつも注意しろっていってるんですけど。

さて、最近巷で話題の「感染力」ですが、なんかみんなのイメージとにゃんこのイメージが違うみたいです。

感染力が1.7倍とかどうやって測定するのでしょうか?ウイルスは細胞の中に入らなければ感染できません。一般的に細胞に入る能力のことを「感染力(infectivity)」って呼ぶのでしょうけれど、今回はそのようなデータはまだ出ていないはずです。ウイルス受容体への結合力にかかわる所に変異があるから、感染力も変わったんじゃないのかと推測しているだけでしょう。

ウイルス受容体への結合力と感染力はまた別モノです。猫にエイズを引き起こすウイルスであるネコ免疫不全ウイルスでは、受容体結合力が”高すぎる”と、逆に”まったく感染しない”ことも知られています。要は「適度な結合力」が必要なのです。このあたり、かなりの専門家でないと理解できません。(ここでは説明しません、一般向けですから。)

おそらく感染力が増したと騒いでいるのは、新しい型の新型コロナウイルスがイギリスで蔓延していると言うことなんだと思います。その時に計算上、1.7倍、感染力が強いと結論づけているのでしょう。

でも、それは明らかな間違いです。今のところわかっていることは、ある一つの型がイギリスで優勢になりつつあるということ、病原性とは関係なさそうということだけです。

優勢になるには真の感染力以外にもたくさん要因があります。例えば、ウイルスが増殖しやすくなった、唾液中に良くでるようになった、増殖度に比して病原性が著しく低下した、免疫(自然免疫含む)からうまく逃れるようになったなどです。

あと、「この型がイギリス以外の国でもみつかった、大変だ」という報道にも注意が必要です。本当にイギリス由来なのか、私もまだわかりません(情報入り次第お伝えします)。

変異というのはどの国でも一定のスピードで起こります。都合が良い変異がイギリスだけで生まれるというわけではないです。

これは、1978年ごろから流行したイヌパルボウイルスでも見られた現象が参考になると思います。解き明かしたのは、同居人たちです。地味ですがとても良い研究で、アメリカのCDCの雑誌にも取り上げられています。

実はイヌパルボウイルス2型、出現時は強毒だったのですが、あっというまに弱毒化(2a型、2b型に変異)して、強毒のウイルス(2型)が地球上から消えてしまいました。

飛行機に乗らないイヌのウイルスがどうして一気に世界中に広まったのかみんな疑問に思いました。アメリカの大御所(Parrish教授)が「もう、分からない!」と言っていましたが、1998年頃に同居人たちがその謎を解き明かしました。

なんと、同時多発的に世界中で同じ変異が入り弱毒化していたのです。これには同居人も驚いていました。

今回の新型コロナ、どの変異が「感染力(正確には感染力ではないですが)」に影響を与えたのかまだわかりませんが、それがイギリスで起こるなら、フランスでもアメリカでも、ロシアでも、日本でも起こりえます。イギリスからの入国や渡航を禁止したところで、大きな意味はないと思います。やがて世界中のウイルスがそうなるでしょう。

海外でもまともな研究者が声を上げられないのか、それともまともな研究者って実は少ないのか(同居人は数少ないまともな奴?)、もしかしたら恐怖を煽りたい人がいてそうしているのか、にゃんこてきには分かりません。

人間界はにゃんこにはわからないです。にゃんこ以上に「悲観主義」が蔓延しているような気がします。にゃんこも臆病ですが、人間ほどではないと思います。

にゃんこは本当の危険はすぐに察知しますが、嘘の危機はすぐに見抜きます。変な服着ておばけだぞーと迫ってきても、すぐに猫パンチです。

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