英国コロナを変異種と呼んでいいのか?

こんばんにゃ。寝る前に伝えておきます。

英国型の変異コロナだけど、これを日本語では「変異種」と呼んでいます。しかし、この訳で良いのでしょうか?

コロナウイルスはどんどん変異していきますが、それぞれの場所で「系統(lineage)」が生じます。英国では英国系統、日本では日本系統です。英国では、英国に存在するさまざまな系統のうち、1系統が急に増えてきた(優勢になってきた)というわけです。同様の現象は、すべての国でいつかのタイミングで起こります。ウイルスは様々な系統にわかれ、その系統の中で生存が有利な系統が選択されていきます。それは何度も何度も起こります。それこそ永遠でしょう。

いわゆる「変異種」ですが、英語ではnovel coronavirus variantと呼んでいるようです。新型コロナウイルス・バリアントです。これをどのように訳すかですが、今のところ、多いのが変異種でしょうか?変異株と呼んでいる人もいます。

変異種というと、あたかも別モノ(別種)になった気になりますが、それは違います。

インフルエンザのような分節型のゲノムをもっていると、分節型ゲノムの入れ替えが起これば、それを変異種(H1N5からH1N9など)と言っても良いかも知れませんが、コロナウイルスはあくまで連続的な変異です。

そして、どの国のコロナウイルスの系統が一番流行しやすいかなんて、検証はできません。もしかしたら、日本国内では国内型(東京型?)の方が英国型よりも流行しやすいかも知れません。これは英国型が国内に流入して、英国型が優勢になった時に初めてわかるものです。

あと、ゲノムの中の変異ですが、集団中で優勢になる変異が1箇所の変異で決まるものでもありません。たくさんの変異が感染力、増殖力、免疫逃避力、免疫抑制力、排出力、組織特異性に関与しています。感染する民族や国の衛生度によっても流行する系統(型)が異なる可能性があります。(下水が完備されていなければ、経口(糞口)感染しやすい系統が選択される可能性もあります。)

「変異種」と呼ぶと、あたかも別モノであるように聞こえるのだとしたら、日本語訳を改めるべきでしょう。

私は「2020年冬の英国系統」が一番適切であると思います。それが長たらしいのであれば、「新英国系」でしょうか。

「英国株」と訳している人も居るようですが、それもちょっと違うような気がします。通常、一人の個体(今回は人間)から分離されたウイルスを「株」と呼びます。たまに地名で株名を決めることもあるので、英国株でも良いような気がしますが、刻一刻と変わっていくウイルスに英国株と名付けるのも変な気がします。

ぐたぐたと、肉球でキーボードを叩いてしまいました。

今度こそ、おやすみにゃんこです。良い夢を!

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