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令和4年度(2022年度)特別区Ⅰ類論文試験のレビュー

あいさつ

 こんにちは。高上です。

 今回の記事では、令和4年度(2022年度)特別区Ⅰ類論文試験のレビューをしました。

 今年度の特別区Ⅰ類の論文試験の問題は、「限られた行政資源による区政運営」「地域コミュニティの活性化」でした。

 また、都庁ⅠBの論文試験では、「首都直下型地震」が出題されたようでした。

 都庁や特別区で出題されたテーマは、他の自治体の論文試験でも出題されますので、今一度論文試験を振り返り復習されるとよいと思います。

特別区Ⅰ類論文試験問題1「限られた行政資源による区政運営」

 特別区では、地方分権の進展や、児童相談所の設置に加え、新型コロナウイルス感染症対策により、前例のない課題やニーズが生まれ、区民が期待する役割も、かつてないほどに複雑で高度なものとなっています。
 特別区がこれらの課題の解決に向けた取組を進めていくには、区民に最も身近な基礎自治体として、自立性の高い効率的な事務運営が重要です。
 このような状況を踏まえ、区民の生命や生活を守るための、限られた行政資源による区政運営について、特別区職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

令和4年度特別区Ⅰ類論文試験より引用

 受験生の反応を見ていますと、1の問題を選択している方も結構いるなぁという印象でした。

 さて、問題文を見てみると、現状については、地方分権の進展や児童相談所の設置等によりニーズや課題が高度になっているなかで、新型コロナウイルス感染症対策の影響により、非接触・非対面での対応が求められるようになって、更に区民ニーズや課題が複雑化・高度化したことを書いておくとよいのかなと思いました。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響による不況で税収の落ち込みが起こっていたり、老朽化した公共施設を改修整備している状況にあることも指摘しても良いかなと思いました。

 そういったなかで、特別区は、ナショナルミニマムを維持した上で、どのようにしてヒトやカネ、施設等の限られた行政資源にかかる負担やコストを最小にし、区民のニーズに応えて満足度を最大化させていくか、といった話がこの問題のポイントではないかなと思いました。それが効率的な運営につながるということですよね。

 なので、具体的な対策案としては、例えば、「行政のデジタル化や外部化」や「人材育成」、「公共施設の最適化」とかこの辺の話ができているといいのかなと思いました。

 デジタル化に関しては、シェアリングエコノミーとかキャッシュレス化とかペーパーレス化、AIやRPA、botとかについての取組を書いてもいいかなと思いました。

 行政に関するテーマで取っ付きづらいテーマかなと思いましたが、デジタル化を準備していた方は書けたのかなと思いました。

特別区Ⅰ類論文試験問題2「地域コミュニティの活性化」

 特別区では、人口の流動化、価値観やライフスタイルの多様化によって地域コミュニティのあり方に変化が生じています。また、外国人の増加が見込まれる中、様々な人が地域社会で生活する上で、地域コミュニティの役割がますます重要となっています。
 こうした中、行政には、年齢や国籍を問わず、多様な人々が地域コミュニティの活動に参加できるような仕組みづくりや、既存の活動をさらに推進するための取組が求められています。
 このような状況を踏まえ、地域コミュニティの活性化について、特別区職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

令和4年度特別区Ⅰ類論文試験より引用

 2の問題がLECの模試で出題されたとかなんとかで、2を選択した人が多かったのかなと思いました。確かに書きやすいと感じるのは、2かなと思いました。

 さて、問題を見てみると、現状については、新型コロナウイルス感染症対策の影響でリモートワーク(テレワーク)が増え、都会から地方へと人口流動が起こり始めている、つまり、地元の人がいるところに都会から新しく引っ越してくるという感じですか。そうすると、年齢も価値観も異なる人達との交流が生まれるようになるわけですね。

 そういったなかで、生活上のルールもわからないような外国人も増えてくるわけで、ますます互助機能を持つ地域コミュニティの活動が重要になる、ということです。さらに言えば、外国人だけでなく、子育て家庭やひとり親家庭、高齢者、障がい者もコミュニティによる助け合いの対象になるかなと思います。

 問題文には、行政に求められる取組として「多様な人々が地域コミュニティの活動に参加できるような仕組みづくり」が挙げられていて、これは、自治会や住民団体等の地域コミュニティが活動するための土台づくり、つまりインフラ整備について言っているとみてもいいのかなと思いました。

 なので、コミュニティの活動や憩いの場となっている公園等のオープンスペースの整備とか、そんなことを書いてもいいかなと思いました。また、コミュニティが活動しやすくするための行政とコミュニティの情報共有ポータルサイトを作って運営するとか、そんなのでもいいかもですね。
 あとは、コミュニティ同士がつながりあう機会でもあるお祭り等のイベント企画とかについて書いてもいいかなとも思いました。そうすることで活動のきっかけづくりになりますからね。

 2の問題に関して、1の問題と比べて、対策案は書きやすいのかなと思いつつも、なぜコミュニティが重要なのかというところをきちんと理解しているかがこのテーマでは大切なのかなと感じました。

最後に感想

 相変わらず長文の問題でしたね。それゆえに何がこのテーマで重要なのかを正しく読み取り理解することが難しいのかなと思いました。

 それができたうえで、あとは、対策案をどのように具体的に書くか、が争点ですかね。

 やはり、「あなたは職員として具体的にどのように取り組んでいくのか」という当事者意識を持って書けた人は、一次突破したかなと思いました。

 今後の試験の参考にしてください。

                                高上


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