見出し画像

仕事紹介 その3 検品編

お客さんとの引き合いの後に検品をします。検品は、検品用の机で下からライトを当てて見ます。
ここでの作業は反物の状態を徹底して確認する事です。
生地の状態、伏せ糊の状態、パーツがたりているかどうか。裏表も大切な確認事項。シミの有無や、友禅が泣いているかなど。全て確認します。

※検品用の机…上の写真が検品用の机です。机の真ん中が透明になっていて、ライトを下から当てることで明るい状態を作れます。

とても大切な工程(準備)なので、実際の仕事でもあわてずに丁寧に取り組んでいます。

☆生地の状態
生地に難があるものも少なくないです。
先方が気付かずにいるものもあるので、見つけておく必要があります。後からだと必ず問題になるので、白生地の時に見つけられるものは見つけておく必要があります。

ただし、白だと問題なく見える物も沢山あります。
例えば検品で見た目に問題なくても、水を引いた時に部分的に弾くこともあります。また、浸透速度に差がありすぎる時もあります。いずれも均一には染まりません。

さらに少しの毛羽立ちは白だと分からないのですが、色をかけるとハッキリと濃く付くので困ったものです。

☆伏せ糊の状態

伏せ糊は生き物ですね。
とても難しいです。皆様は、着物を着る時に糊が残ってないからイメージし難いと思いますが、とても大切な工程です。
糊には、頭を悩まされ続けてます。

ここでは、伏せ糊の硬さ(乾燥具合)や厚み(色によっては伏せ糊の上から刺してしまう)、ひび割れ、ちり糊を確認します。

糊の質って大切です。力の無い伏せ糊はストレスがかかると、反り上がったり、ひび割れたりします。また、糸目との結合が弱くても防染の意味を成さないです。

ふじや染工房では染めを2回します。また、蒸した後も色をかけるので、糊を良い状態にする事で、次の染めも上手くいくようにコントロールしています。

☆パーツが足りているか
反物が着尺の時は心配ないですが、絵羽してある時は生地が足りているかも確認します。袖(そで)、袖(そで)、身頃(みごろ、身頃(みごろ)、本衿(ほんえり)、衽(おくみ)、衽(おくみ)、掛け衿(かけえり)とあります。

☆裏表
これも気をつけています。着尺なら中表、外表。絵羽だと印をつけてくれていればわかりやすいですが、そうでないとよくよく見ることになります。

☆友禅の泣き
水元の時に泣き出た友禅は簡単に落ちるのですが、最初から泣いている友禅は落ちません。余計な仕事をしないで済むように最初に確認します。

これらを確認して次の工程に進みます。

つぎの工程は、耳付けと端縫い(はぬい)です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?