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ペーパードライバーの私が、電動キックスケーターなる乗り物を体験してみたよ

電動キックスケーターをご存じだろうか。またの名を電動キックボードという。そう、自動で動くキックボードのことだ。

その電動キックスケーターが、最近、注目を集めているという話が先日のめざましテレビで特集されていた。

どうやらこの電動キックスケーターには、実際に公道で走れるタイプが存在するというのだ。その場合、この乗り物は法律的には原動機付き自転車と同じ扱いになる。運転には運転免許が必要になるし、走行時はヘルメット必須で、速度も30km/hを守らなくてはいけない。

この公道で走れるタイプの電動キックスケーターを、レンタル出来るサービスが存在することを知った。好奇心旺盛だけが取り柄の私は、すぐに飛びついた。これは乗らねば、と。

今回利用したのは、movicleというサービス。浜松町駅、田町駅、東京タワー周辺でレンタルスポットを展開している。レンタルから返却まで、すべてアプリで完結し、無人で行われる。駅前にあるシェアサイクルみたいな感覚で借りられる。

アプリをダウンロードし、会員登録を済ませ、免許証の登録を行う。免許証の確認に時間を要するという旨のメッセージが出てきたのでドキドキしていたが、ものの数分で確認完了のメールが届いた。

そして早速、利用してみることにした。

ちなみに私は原付自転車(原チャリ)は1度も運転したことがない。左車線を走り、3車線以上の右折は二段階右折するんでしょ?くらいの知識しか持っていない。

とはいえ、普段から公道をロードバイクで走っている。これも約30km/hのスピードで走っているから、まぁ、原チャリに近いと言えば近い。

そんな私が、電動キックスケーターをレンタルし、実際の公道を走ってみた。

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これがその電動キックスケーター。ペンギンのイラストとブルーのカラーがいい感じである。私好みの色である。

アプリでQRコードを読み取ると、レンタルが開始される。

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ヘルメットは前かごの中に入っている。

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私は頭が大きく、その昔「ヘルメット」とあだ名をつけてバカにされたトラウマを持っているので、果たしてこのヘルメットが合うのかドキドキした。もし合わなかったらレンタルをここで終了しようと考えた。しかし、それは杞憂に終わった。

ヘルメットも入って一安心の私は、movicleのサイトを見ながら、電源を入れ、ライトを付けた。ライトは昼だからいらなくない?と思っていたが、これはウインカーやクラクションなど電気系統に必要なものである。どうやら、電源を入れるだけではダメなようだ。これはちょっと手間だ。

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左のハンドル部にウインカーとクラクション。赤いぽっちがクラクションで、灰色のスイッチがウインカー。

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右のハンドル部にアクセルとスピードメーターがついている。この写真で私の人差し指のかかっているレバーがアクセルだ。

諸々の準備を整え、アクセルを引くと、走り出した。

ギュインッと引っ張られる感じに、最初はバランスがとれずフラフラしてしまう。だが数分で体が慣れた。すぐに真っ直ぐ走ることができたし、ブレーキも自転車のそれと同じ要領でかけることができる。

原チャリを運転したことのない私でもスイスイ乗れた。

レンタルスポットが大通りから外れた閑静な場所にあったので、しばらく車も人通りも少ない道をグルグルと走り周り、ある程度運転に慣れた頃、いよいよ、公道へ出てみることにした。

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やはり最初は自動車と共に走ることに恐怖感みたいなものがあった。何しろ原チャリに乗ったことがないし、自動車も乗らないペーパードライバーなので、スピードの調整の方法やウインカーの出すタイミングなどが掴めない。

一応、バックミラーはついているものの、路上駐車を避ける時などはロードバイクの時のクセで後ろを振り返り、後方を確認した。目視で後方を見るくらいには余裕のあるスピードということだ。

基本アクセルを引けばすぐに30km/hになるのだが、上り坂はパワーが落ち、15km/hくらいにスピードが落ちてしまった。ちょっと頼りない感じはあった。

立ち乗りだし車体はママチャリ程度しかないから、下り坂は怖いかも?と身構えたが、思っていた程の速度も出ず、ドキドキすることもなかった。

この辺りの道路は非常に大きく、3車線以上あるのは当たり前で、左の車線が左折レーンになってしまうところが多く、どう動いていいのか戸惑ってしまった。確か原チャリは左折レーンを直進したい時、車線変更せずに左折レーンを直進するんだっけか?

結局、どうしたらいいのか分からず、そのまま左折してしまい、同じところをグルグル回っている感じになった。レンタルスポットがもう少し、落ち着いたところにあればこんな混乱は無かったのに。

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あちこちフラフラ走り回ったあげく、東京タワーに到着。

ちなみに、東京タワーの駐輪場にもこの電動キックスケーターのレンタルスポットがあった。

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仲間たちがいた。

慣れたら快適な電動キックスケーターだが、乗っていて気になる点もいくつか見つかった。

まず、ウインカーのスイッチ。

何故かとても堅かった。

基本は真ん中にあって、左にウインカーを出す場合は左にスイッチを動かす。そして、解除するときはまた中央に戻すのだが、スイッチが堅いため、少し力を入れないと元に戻らない。そして力を入れすぎた結果、誤って右にスイッチが移動してしまい、右ウインカーが出てしまう。これには終始苦労した。

あと、レンタルのお値段。

1時間1000円で、以降10分ごとに200円が追加される。

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私は今回70分乗っていたので、1200円だった。

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支払いはクレジットカード。ちょこっとレンタルして近辺をウロウロするにはちょうどいいけれど、1日ガッツリ観光に使うには少し高い気がした。最初の1時間が1000円で、以降1時間ごとに1200円かかる。例えば5時間レンタルしたら、5800円。レンタカーの方が安いかも。

それに、この乗り物のレンタルスポットも浜松町駅前と田町駅前と東京タワー前という狭いエリアにしかしかないので、あまり遠くまではいくことはできない。遠くへ行くほど戻ってくるまでに時間がかかり、その分、料金も加算される。

近辺をフラフラ走るならば、シェアサイクルでいいんじゃないか?と思ってしまう。

レンタルスポットを増やし、料金も「12時間まで5000円」みたいな料金体系を設定してくれたら、もっと頻繁に利用できるのにと思った。まだ始まったばかりらしいから、今後に期待したい。

そして、最後に気になる点として、周りからの注目度がバツグンということ。当たり前といえば当たり前なのだけどね。「なにあれ、面白いね」という声が聞こえたし、信号待ちで隣に停車していた車からはずっと視線を感じた。

一応免許のいる乗り物だから、自転車のように交通ルール無視で公道を走り回る無法者は少ないとは思うけど、これから普及していけば、電動キックスケーター乗りに対する風当たりは強まりそうな気がする。車体が小さいから死角になりやすいだろうし。以前、外国人がよく乗っていたマ○カーみたいな感じにはなりそう。

気になる点としてはそれくらい。

良い点としては、車幅が自転車程度だった為、手で押しながら歩道を歩いても、他の歩行者の邪魔にならない。私は途中、東京タワーの駐輪場の場所が分からなくなり、手で押しながら探していた。これがバイクだったら、道幅をとって非常に迷惑な人になっていただろう。

なんとなく電動キックスケーターは、流行が来そうな感じがする。

テレビでは原付二種の電動キックスケーターを利用した人の話が取り上げられていた。原付二種ならば30km/h制限や二段階右折制限が無くなるので、より便利に利用できる気がする。ただ、それを乗るための免許も必要になるのだが。

今から原付二種の免許をとっておいて、電動キックスケーターが普及し始めたら、原付二種の電動キックスケーターを購入するというのもいいかもしれない。値段も16万程度であること、自転車サイズなので庭に置いておけるという点が魅力的。

ということで、興味をもった人は是非!

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