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【最適治療効果】最新科学から考える。がん治療における免疫チェックポイント阻害薬はいつ投与すべきか?(5000文字)

「免疫チェックポイント阻害薬」
国内では2015年に「オプジーボ:一般名ニボルマブ」として悪性黒色腫適応に適応を取って使われ始め、現在では約11癌種ほどに使われているがん治療薬の製剤である。

がん治療の骨子ともなるアプローチ「手術」「放射線」「抗がん剤」に加えて4本目の治療の柱として「免疫治療」も挙げられるようになり久しい。

今ではすでにオプジーボ以外の免疫チェックポイント阻害剤として、
抗PD-1抗体のオプジーボとキートルーダー
抗PD-L1抗体のテセントリク、イミフィンジ
抗CTLA-4抗体のヤーボイとイジュド
など、これらの薬剤を併用したり、抗がん剤と組み合わせたりして治療効果の向上を目指している。

この免疫チェックポイント阻害薬は、今ではがん治療の要としての位置づけとなり、日常臨床のみならず、新たな開発や研究が続いている分野でもある。

最初の抗PD-1抗体であるオプジーボが臨床導入されて8年目を迎えている。この製剤は京都大学の本庶祐先生が、国内では小野薬品工業株式会社、海外ではブリストルマイヤーズ株式会社と共同開発をして臨床導入されている。このPD-1の研究においてノーベル賞を受賞されたことは記憶にも新しい。

この製剤が臨床に導入されて8年目に差し掛かっているが、これらの薬剤をがん治療に活用するにあたり、未だに分かっていない事が多々ある。

代表的なものとして、
①治療効果が得られてからいつまで投与をするべきなのか?
②この薬剤が効きやすい人はどういう人なのか?
③この薬剤の副作用(irAE)にはどう対応すべきか?
④この薬剤が効かなかくなった後にはどういう治療がベストか?
⑤この薬剤とどういう治療の組み合わせが最良なのか?

など臨床的な疑問は、あげたらきりがない程あるのが現実だ。

今回はその中でも⑤の部類に含まれる
「この薬剤とどういう治療(どういう使い方)が最良なのか?」
という点で興味深い考察が得られたので共有したい。

ここから先の情報は、まだまだ検証が必要な分野である一方で、今後の免疫チェックポイント阻害薬の治療の概念に変化が出てくる情報源でもあるため、有料記事として限定公開とさせて頂きます。複数の科学論文ベースで検証をしているので、ご参考になれば幸いです。

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