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ポーカーコンテンツとの向き合い方~~ハイレベルなプレイヤーをトレースするという事~~


初めて参加したトーナメントから早5年。
最近はあまり集中的にポーカーを打てていないタカハシタカシです。

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最近、TLにて「~~のプレイ動画一周した!」「(鉄強プレイヤーの)思考をトレースしていきたい」といった呟きをちょくちょく見かけています。

僕自身も様々なプレイヤーの動画を楽しませてもらっていますし、上達したいその気持ち、メチャクチャわかります。
ハイレベルなゲームに触れることで各員のモチベーションもググっとアップしている真っ最中でしょう。

今回のnote、「ポーカーコンテンツとの向き合い方」では様々なポーカーコンテンツを効率的に身につけるためにポーカー歴5年の自分がどういった点に注力しているのかについて紹介します。

要は巧いプレイヤーのプレイ動画なり解説なり、コンテンツを”教材”として自身のスキルアップを目指す際に、どんな心がけや視点が必要になるだろうか、という内容です。ただ漫然とコンテンツを消費し続けるだけでは非常に勿体ない部分があると日頃から感じていた事がこのnoteの切っ掛けですので、注意喚起として読んでいただけると幸いです。

ではでは行ってみよう!!

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1、 ポーカーコンテンツに触れるメリット



まず初めに、ポーカー関連のコンテンツに触れるメリットについておさらいしたいと思います。良い点を活かしきる事も上達への近道というものです。今一度確認しておきましょう!

① ポーカーってだけで面白い

自分の好きなトピックの話題はついつい聞いてしまいます。自身にとって簡単すぎる、難しすぎるという振れ幅こそあれ、関心があるから楽しめる。楽しかったから他のコンテンツも漁ってみる。
この流れはポーカーというコンテンツに対するモチベーションが湧くと捉えてもいいでしょう。ポーカーコンテンツとの触れ合いは自身のポーカーにおけるマンネリ化や退屈への清涼剤、あるいはカンフル剤として最適です。
高いモチベーションは往々にして上達に繋がるのでメリットとして“面白い”は非常に重要ですね。

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② 自身より巧いプレイヤーの思考を垣間見れる

先にも挙げたような鉄強プレイヤーの動画や記事から学ぶことで新たな発見や知見、あるいは閃きが生まれると思います。
ポーカーは引き出しの数が猛威を振るうゲームであることは間違いないのでそうした進歩があればあるだけ巧くなっていると言えますね。こんなに楽チンに上達させてもらっていいのかというレベルです。

近年では普通に生活していればまず遭遇出来ないレベルの熟練者が研究成果を報告する形のコンテンツもままあります。有名なところですと、ポーカープロの木原直哉さんのブログ(https://kihara-poker.hatenablog.com)やリリアンさんのnote群(https://note.com/nekochan0214)辺りですね。
まだ読んでない? このページをさっさと閉じてあちらを読み耽りましょう。中華ゲーも真っ青のパワーレベリングになります。ああいった情報を逃さないよう全ての上達したいプレイヤーはアンテナを張り続けたいところです。

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③ 費用対効果が良い

②の話の延長にもなりますが、コスパがえぐいです。
例えばポーカースターズの200zoomのプレイ動画が100時間分あるとしましょう。その時間分、各々が自身で同レートに100時間潜ったとします。分散はありますが、概ね負け越すでしょう。というか洒落にならないダメージを食らうと思います。(精神的にも金銭的にもね)

画面の前であーだこーだ言いながら観戦し、気になった所を考察するなりソルバーに掛けるなりでレベルアップを目指す方がどう考えても効率的です。動画なら倍速にしてもいいですし、いつでも好きなタイミングでエンジョイすることが出来ます。

研究成果のnoteに至っては言わずもがな、一般的なプレイヤーでは再現不能です。コスパで表そうにもスカウターがぶっ壊れます。

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この章まとめ
ポーカーコンテンツに触れるメリット
1、コンテンツを楽しむことでモチベがアップ!
2、巧いプレイヤーを参考に出来る!パワーレベリング!!
3、コスパが最強!いつでもどこでも何度でもエンジョイ!!

2、 コンテンツとの効率的な向き合い方


ここまではメリットをがっつり説明してきたわけですが、いくらモノが優秀でも受け取る側の姿勢がなっていなければ効果は半減してしまいます。(しいて言えば、そこがデメリットの類なのかもしれません。)

楽しむだけなら兎も角、あくまで自身の上達のための教材としてコンテンツに触れるのであればそれ相応の準備や姿勢が必要となります。集中力を高め、全力で備えましょう。

ここからはそんなコンテンツとの効率的な向き合い方、“姿勢”について3点ほどの項目に纏めてみました。

ではいくぞー

① 敬意を持つべし

まず準備
動画であれnoteであれ、有料無料問わずコンテンツ化している時点で発信者は相応の労力を使っています。そして多くの場合、並々ならぬパッションを秘めています。受けて側も一個人のプレイヤーとしてまずは敬意を示しましょう。

彼ら(theyね、老若男女)が何をしたかったのか、伝えたいのか受けて側も真摯に汲み取る姿勢が大事です。喩え期待外れで学びが無かった,或いは費用対効果に見合って無かったとしても切れ散らかしたりするのは止めときましょう。荒したり晒したり炎上させるなど以ての外です。自戒しましょう。

そして一度は肌に合わずとも、次のコンテンツにはドンピシャとなることもあります。じっくり粘り強くは何事においても重要です。
(詐欺や不当に料金を巻き上げる輩を擁護するつもりはありません。むしろ注意喚起のために大いにレビューしましょう)

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② 自意識を持つべし

初めて見かけた配信プレイを覗くとき、皆さんは何に注目しますか?
僕の場合はトークから察せられる力量とbet額です。(まあ、概ね皆そうだと思うけど)

元々知っている人物か、明らかに的外れな事をやっているキワモノでもない限り、初見で相手のレベルを看破することは相当に困難です。そして、実質アンノウンなプレイヤーから繰り出されるアクションの理屈や精度を推し量り、自身に還元するには観る側のレベルやリテラシーが問われます。

例えば、以下の様な配信を目撃したとしましょう。

配信プレイヤーが100NLにてBTNでKKで3bbオープン。BBのプレイヤーのみがコール。フロップがK72レインボー、BBがチェック。BTNの配信プレイヤーがPOTの25%のベットをしたとしましょう。ここまで配信プレイヤーは黙りこくっている。

どうでしょうか?普通?引っ掛かる??ノーコメント????

流してもまあ、いいでしょう。僕の場合ですとこんな感じです。
(以下怪文書)

“100NLでのオープンにしては3bb大きめかな?BB、SBがコールしすぎや3ベットし過ぎであることを知っていてのエクスプロイトなのかもしれない。――フロップはトップセットで最強だ。その割には配信者なにも言わないな。かなり打ち慣れたタフなプレイヤーなのかもしれない。BBのチェックに対して、25%のCBか。少し小さめかな。K highボードだと33%程度のレンジベットなんかがよく打たれるし、僕自身もよく打つ。より小さく打つメリットはコールしてもらいやすくなることだろうか。BBのチェックレイズ率にも影響あるのかしら。……ないか。この人がKK以外で25%CBを打つとしたらどんなハンドが当てはまるのかしら。同様にセットの22,77? その二つだと相手のトップヒットをブロックしていないからよりコールが貰いやすい。安く打つメリットは無いか。Kヒットのどこか?基本的にバリュー寄りだから25%より33%打ちたいよなぁ。……よくらからん。配信者のコメント無いし、あとで個人的に調べるしかないか”

はい、長々とすみません。

ここで言いたかった事は、画面の向こうのプレイヤーと常に対話するくらいの気持ちでプレイに意識を向けたいということです。要は、漫然と眺めるだけで終わらせてしまうのはいかがなものかといった次第です

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相手のアクションや意思決定に口を挟むには自分なりの理屈、意見を持つ必要があります。そしてここが重要ですが、最終的な結論として“わからん”でも大いに可だと思います。(むしろ十全に理屈を練り上げられるプレイヤーは数少ない)

全く理解できないアクロバティックなアクションに対しても理屈を捏ねる(こねる)こと自体は可能ですし、考えを膨らませる事それ自体が訓練になります。
少なくとも、漫然と眺め、流してそのまま忘れるよりも圧倒的に新たな気付きに繋がります。このように自分なりの視点・視座を持ってコンテンツに臨むことを僕自身では『自意識をもつ』を表現して意識しています。
誰しもが認識しているような事柄ですが意識して行うのとそうでないのとでは、思考の深さが全く変わります。せっかく取り入れたコンテンツは隅々まで味わいつくしてしまいましょう。

また、初心者であればあるほど『自意識をもつ』ことは困難ですが、考察することはできます。自分ならどうするか、どんな差が生まれるのか、観察次第でいくらでも気づきの宝庫になります。引っ掛かりを探して考察するクセをつけましょう。
(本当に全く分からないならば、まずは実際にプレイしてみましょう)

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③ 機会を持つべし

この項で最後です。今度こそキビキビ行きます。

鉄強プレイヤーのプレイ動画が学びに効率的だという事は何度でも申し上げたい所ですが、、他プレイヤーが行ったアクションラインのトレースを目指すことについてはあまり賛同できないというのが正直なところです。

「アクションではなく思考をトレースするんだ!」という声も聞こえてきそうですが、多分やってる事は大体同じです。

無論、鉄強プレイヤーが研究の末に普遍的なレベルにまで落とし込んだ戦略についてマネするなとは言いません。むしろ盗めるところは根こそぎ取り込みたいくらいです。僕の場合、turnのオーバーベットの入門はmetal_oudaのtwitch配信でしたし、oopドンクに真剣に取り組み始めたのもチャーリーカレルのプレイ動画がきっかけでした。


ハイ。なら、オマエは一体何が言いたいんだ? という話でしたね。
――これは飽くまで僕の私見に過ぎないのですが、ポーカーはマネするだけでは上手くならないゲームであるのではないかという話しです。

順を追って説明します。

先ず、ポーカーというゲームは厳密には再現性の乏しいゲームであるという事です。各々のポジション、スタック、各個人の印象、力量etc…。変数が多すぎます。某所で何某の鉄強プレイヤーが~~したという情報はポーカーにおける意思決定に足るほどの情報量ではありません。
つまり、トレースは実質不可能です。ガワだけ真似ても応用は効きません。

プリフロップのオープンレンジすらトレースによって活かせるとは思えません。コンテンツの発信者が懇切丁寧に変数について解説してくれていたとしても、丸暗記だけで上手く行くなんて流石にそんな都合の良い話は無いのです。

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じゃあどうしろと?

結論を申し上げましょう。状況を再定義して復習しましょう。
アクションを逆算して、プレイヤーのレンジを推定し、選択しうるオプションの種類を認識し、それによって引き起こされるシチュエーションについて把握に努めましょう。
実際に成立した条件下での意思決定の結果にのみ注目せず、柔軟性を以てその意思決定以外のスポットの理解を推し進める事をお勧めします。

というか、自身で設定いじってソルバーに掛けましょう。多分これが一番早いと思います(横暴・ぶっちゃけ)

ふざけた結論ですが、中身は大いに真面目です。
試しに先の例に挙げたシチュエーションをソルバーに掛けてみましょう。

”例えば、配信プレイヤーが100NLにてBTNでKKで3bbオープン。BBのプレイヤーのみがコール。フロップがK72レインボー、BBがチェック。BTNの配信プレイヤーがPOTの25%のベットをしたとしましょう。ここまで配信プレイヤーは黙りこくっています。”

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はい。こんな感じです。見えていなかったオプションとして50%potCBや、25%CBのレンジが見えてきました。――ソルバー的には25%CBはあまり評価されていないようですね。まあ、詳しく診ていくのはここでは止めときます。(文字起こしが怠すぎる)

ちなみにソルバーは設定をちょこっといじるだけで印象がガラッと変わるので注意が必要です。(以下、より簡易的な設定での計算結果。33%CBのレンジベット以外認められないように見えるが、現実はそう甘くはない)

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配信者が何をどの様に考えていたのかについては知るすべがありませんが、ソルバーを回すことでどういった選択肢から選び取られたアクションであるのかはある程度視覚化出来ると思います。

設定を少々いじれば、例えば21%CBと25%CBの期待値を比較し、より適したサイジングといったものが学べますし、他のボードやポジションの変化によるレンジをいじればより柔軟性と硬度もった戦略として学びを落とし込んでいくことも出来ます。

程度の差があれ、そうした検討を踏まえた学びとことを“トレース”とは言わないですよね? 仮に憧れのプレイヤーがおり、その人のようなポーカーがしたいとして、地道に検討を加えた末に似通ったポーカーを身につけるに至ったとして、これは“トレース”であるかといえば……まあ微妙なラインです。(テセウスの船)

学ぶは真似るから来た言葉なんて話も聞きますが、やっぱり真似る(トレース)ではない訳です。
飽くまで僕個人の見解ではありますが、コンテンツを見聞きするだけではなく自身で手を動かして学ぶ機会を作る、つまり“機会を持つ“ことが大切だと思う次第です。
個人的な研究を進めるだけでオリジナルな戦略を練り上げる事もポーカーにおける強烈な魅力だと思います。あの手この手でポ―カーを楽しみつくしましょう。

最後にこの章もサクッとまとめておきます

この章のまとめ
コンテンツとの効率的な向き合い方
1、投稿者・配信者に敬意を持とう。winwinになれるかもしれない
2、自意識を持とう。流し見だけでは身に着くものも身に付かない
3、自身の手も動かそう。能動的に考える機会が無いと発展が生まれにくい

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今日はポーカーコンテンツとの付き合い方について思うところを纏めてみました。
この怪文書を通じて、誰かの学びの一助となれば嬉しいです。
そのうちに実際に他プレイヤーのアクションをソルバーを使って検討してみるnoteも書いてみたいと思います。
今日の所はこれくらいで。

ほな!!!

追記

結びで匂わせた『他プレイヤーのアクションをソルバーを使って検討してみるnote』について近しいnoteを出したので貼っておきます。

【ポーカー上達】シチュエーションから見るポーカー学習の手引き【ハンドレビュー】



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