見出し画像

誰かに向けるピアノ演奏

春になると通っているピアノ教室の発表会を迎えます。一年で一番緊張する日です。ワナワナする日です。期待と後悔が交錯する日です。終わった後は何よりも美味い一杯の酒の日です。

ピアノは30歳から始めたので13年目になりました。普段気にも留めてないことも数字に表すと長くなったなと感じます。

ピアノ発表会は出られなかった時もありましたがほぼほぼ参加してきました。ピアノ歴13年という年月は長いように感じますが、一年に一回の晴れ舞台は10回程度の経験しかないので緊張まっしぐらです。毎年同じように緊張してしまいなかなか成長できません。。。

↓↓↓舞台袖で出番待ち。

画像1

自分の出番直前になると最初に弾く音が頭から飛んでしまう。あれ、このままだとヤバいな・・・と思いながら必死に思い出そうとしても、廊下の明かりが一つ一つ消えていくように頭から一小節ごと消えていく感じになり、凄まじい不安感に駆られます。音楽の事より緊張との闘いです。そして自分の出番になり、ちょっと待ったも出来ないし、やっぱりやめたいなあと弱気になり、変な間は逆に注目を浴びていしまうから押し出されるように舞台袖からピアノへ向かいます。こりゃ駄目だ・・・という思いだけが頭の中を占め、鍵盤の白と黒の二色がチカチカしてきて目が回ってきます。あ、その前に、これまでずっとお尻を客席に向けて椅子の高さを調整していました(今年は上手に体は客席正面)笑。緊張は何をやらかすか分かりませんね。話を戻しますと、目を回しながら何だったけなぁと鍵盤上の手を金属探知機のように手探りして曲の出だしを探し当てます。ここかなぁと感覚を呼び起こしつつ、何となくえい!と押します。過去に違う音が鳴ったことが一度か二度ありました笑。最初の音が出たら不思議と体が反応します。操り人形かと思うほど体の反応と頭で考えていることがズレてて驚愕するときもありました。そんなことを毎年格闘してきました笑。

そして昨年の発表会で少し変化がありました。

何のためにここまで緊張するのだろうと毎年自問自答してきましたが、こんな答えにたどり着きました。

結果を良くしたい気持ちがあって失敗したくない気持ちがあってプレッシャーがかかるのかなと。それは自分のためだから。

前年の発表会でショパンの雨だれを弾いた時の事。この演奏はピアニストのランランさんを参考にしていて、弾いている最中はランランさんの映像を思い浮かべ、ランランさんの感覚に触れられるようなイメージを持ち続けました。つまり、ランランさんに向けて弾いたのです。そしてノーミスで弾き終えるプレゼントまでありました。

そのことを思い出し、樅の木の作曲家シベリウスやシベリウスの演奏家として日本人第一人者の舘野泉さんを想い、このように練習してきたので聴いてください、とそんな控えめな気持ちで彼らに向けて弾きました。すると緊張も解け心地よく弾き切ることが出来ました。たくさんミスはありましたが笑

音を出すということは放出させるエネルギーの流れがあります。それを自分の中で処理するのではなく、誰かに向けてエネルギーを出すことが大切なのだと感じました。

目先の事で闘うと自ずと力が入って固くなってしまいます。人は自分の事より誰かのためを思う方が力が発揮しやすいですよね。ピアノを通してそう改めて自覚しました。

考えてみれば、俳優の演技も同じことがいえますね。

今年は昨年に続き良い気づきが出来たので、来年の発表会に繋げていけるように意識を忘れないで練習頑張ります。

↓↓↓発表会当日のリハーサル。

画像2


ご支援くださりありがとうございます!!これからの様々な活動に活かしていきます☆ これからも応援よろしくお願いいたします!!