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悪い夢みたいな現実と、悪い夢

突然だが、俺はBSSをつい先日喰らった。BSSについてはここを参照するのがわかりやすい。

相手は同じバンドを組んでいる二個上の先輩だ。ケツが軽いから、やめとけと先輩が言っていたが、俺は気にしなかった。俺がギターを始めるきっかけだったし、一緒にギターを買いに行き、その後ご飯も行った。練習の後の飲みでも、無愛想な感じになることもなく、いつもより手応えがあった。サシ飲みをしたこともあり、俺は、ワンチャンあるなと思い、もう少しアプローチかけてみるか、と思っていた。チャンスとしては、次の6月のライブなんかがありだろうとは思っていた。練習にかこつけて色々できるしね。と思ったら、その先輩は法学部ということもあり、司法試験を受けるのだとか。なので、一旦バンドはお休みすると。俺は「まぁ、次のライブ(10月)は出てくれるみたいやし、一旦待つか」と思っていた。しかしながら、その間に先輩の勉強の邪魔になっちゃいかんと思い、飯や飲みには誘っていなかった(6月の前半ごろ)。このヘタレが後に響くとも知らないで。さて、俺は別のバンドもやっていたので、その練習をなんとかやりきり、6月のライブを終えた。ぼざろは初心者にはきつかった。そのライブ自体には先輩は客として来て、ライブ後の打ち上げにも来た。打ち上げが白熱してきた頃、俺は飲むのに疲れたので喫煙者を誘いヤニタイムへ。するとそこにあの先輩がひょっこりついてきた。思いがけないチャンスに小躍りしそうな心を抑えながら、会話を楽しんでいると、徐にその先輩が電話をかけだした。そして、30秒後、つながらない〜と頬を膨らませていた。俺は「誰に電話かけてたんですか?」と2024年で最もして後悔した質問を投げた。普通に親か何かだと思ってたもん、夜遅いし女性だし。
              彼女は短く告げる。
                「彼氏」

そこからの記憶はあまりない。他の先輩からもらったパーラメントが酷く不味かったことだけ覚えている。動揺しないように淡々と会話を続けていたが、側から見たらバレバレだっただろう。そんな心中を知らずに彼女は続ける
        「テレビ東京で働いてるんだって〜」
ちょっと待て、何個上と付き合っとんねん。俺は先輩に「何個上と付き合っているんですか?」と聞いた。
               「12歳上」
もうこの時点で吐きそうだった。さらに続ける。
「めちゃくちゃ優しくて、私の前でいつもニコニコしているんだよ〜。もう結婚しよう、一緒に住もうよ、って言ってくれてるんだよね。」
もう気が狂っていた。俺が。テンションがおかしくなりへ〜お幸せに〜とか訳のわからないからかいをしていた。追い討ちをかけたのはこれらを話す彼女の顔が、自分をいつも苦しめてきた、生物として強い遺伝子を求める「雌」の顔だったからだ。


状況が完全に、「相対性理論のテレ東」だった。俺がI love youを伝える側ではないことを除けば。まだトラウマでこの曲は聴けていない。悪い夢でも見ているような気分だった。

俺は鬱屈とした気分でその後の日々を過ごしている。だが、あの先輩は何も悪くなく、ただ幸せになろうとしているだけで、俺はそれに気づけなかったし、その男を超えられるようなスペックでなかったのだから悪いのは全て俺だ、という一丁前の自己嫌悪の感情だけは飲み込むことができた。そうじゃなきゃよくある逆恨みで女性を刺すやつになってしまう。

陰キャな生徒会会計ではあった。

最近やっと、先輩の相手が、あまりにも勝てるわけがないというか、そういうタイプがお好みなら、俺みたいなやつはハナから視界に入るはずもなかろうと、スッキリ割り切れるようになってきた。そんな矢先だった。

夜11時ごろ、家でダラダラしていると、高校のよく遊んでいる友人から連絡が来た。「〇〇駅で飲めないか?」俺は次の日大学が休みだったので快諾し他の友人を一人捕まえ、居酒屋で一晩中飲み続けた。その間に上述のBSSをぶちまけたりもして個人的にはこの話はここまでだろうと思っていた。

日が出てきたころに解散し、家で眠りについた。だが、アルコールの取り過ぎで体調が悪く、悪夢を見てしまった。どんなものかと言うと、前後の文脈は覚えていないが、俺がとある法律事務所と思しきビルの中で、働いている夢だった。俺は仕事が出来ないやつ扱いのようで、周りからは「あまり動かないでください」と窓際扱いだった。泣ける。働いている周りの人間は、結構顔面偏差値が高く、なんか酷く劣等感を感じたのを覚えている。法律事務所ということで、察したかもしれないが、多分司法試験に合格したであろうあの先輩が弁護士として働いていた。夢の中なのに膝から崩れ落ちそうな気分になった。なんかもう色々とめちゃくちゃだった。割り切ろうとした矢先のこれは堪えるものがある。

きのこ帝国/ミュージシャン

俺をギターに、音楽に引きずり込んだ人だ、多分ずっと引きずるんだろう。




ただ、俺はディテールが気になるオタクなので一つ異議申し立てしたい(夢に?) 


その先輩は、裁判官志望だ。弁護士じゃねぇ

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