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美容整形外科医が教える、病院に相談すべきワキ汗&ワキの臭い

暖かい気候になってくると、体の汗や臭いが気になってきます。とくに「ワキ汗やワキの臭いなど、ワキに関連する汗や臭いが気になって止めたい」「多汗症かと思うくらいワキ汗が止まらなくて困る」という人も少なくないのでは。電車やバスのつり革をつかむときなど、ふとした瞬間に目立ったり、臭ったりしてしまうワキ汗やワキの臭いの対策法を美容整形外科医に伺いました。

ワキの汗は何のために出る? ワキに汗をかく原因は

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人が汗をかくのには、大きく2つの要因があります。ひとつは体から熱を発散させ、体温の上がりすぎを防ぐため。暑さや運動によって体温が上昇すると、汗をかいて体の熱を発散させます。ふたつめは緊張やストレスなどによる精神的な影響(精神性発汗)です。大勢の前で話したり、強いストレスを受けたりすることで汗をかくこともあります。

汗は全身に分布している汗腺(エクリン汗腺)から排出されますが、どの部位も均等に汗をかくわけではありません。汗を排出する元となるエクリン汗腺の分布には個人差があります。一般的には、腕や足などの末梢部分よりも胸や背中、とくに背骨周辺に多くなる傾向があるようです。しかし、なかにはワキに多くのエクリン汗腺が存在する人もいます

またワキ汗は精神性発汗で多くなるといわれています。そのため、緊張しやすかったりストレスを感じやすかったりする人はワキ汗をかきやすい傾向があるようです

これらを整理するとワキ汗が多くなる人には、以下のような特徴があるといえます。

・体質的にエクリン汗腺がワキに多く存在する
・緊張しやすいなど、ストレスの影響を受けやすい

ちなみに汗の量を男女で比べると、どの部位でも男性のほうが女性より発汗量が多いそうです。

ワキの臭いの原因は

ワキにはエクリン汗腺のほかに、アポクリン汗腺というもうひとつの汗腺、そして皮脂腺があります。これらの分泌腺から出た汗や油分が混ざり合い、雑菌によって分解されて、いわゆるワキの臭いとなります

しかし、誰もが強い臭いを放つわけではありません。臭いの強さにはアポクリン汗腺の数が影響していて、アポクリン汗腺の数が多いほどワキの臭いが強くなります

なお、わきがは遺伝的な要素が大きく、両親のどちらかがわきがの場合、その子どももわきがになる傾向があります。また日本人は欧米人よりもわきがの遺伝子を持った人が少なく、わきがと診断される人は約1割、10人に1人程度といわれています。

自分のワキ汗や臭いは病的? 病院に相談するべきレベルのワキ汗・臭いとは

どんな人でも風呂に入らず、何日も同じ服を着ていたらワキなどが臭ってきますし、服の色や素材によってはワキ汗が目立ちます。したがってほとんどの人が多少なりとも「ワキ汗が目立って恥ずかしい」「ワキ汗を止めたい」と感じたり、ワキの臭いが気になったりした経験があるはずです。そして同時に「自分のワキ汗や臭いが病的ではないか」と心配になったこともあるのでは。自分のワキ汗や臭いが病院に相談したり手術を受けたりするレベル、すなわち多汗症やわきがであるかどうかは、どのように判断したらよいのでしょう。

高須幹弥医師いわく「わきがかどうかを診断するには、病院で医師に臭いをかいでもらうのが一番よい」とのこと。「わきがのように強い臭いがある症状の場合、残念ながら自分で気付くことはできません。臭いに鼻が慣れ、感じなくなっているからです。そのため、医師が直接臭いをかいで判断するのがよいでしょう。その場合、ある程度、汗をかいた後にかぐのがベストです。制汗剤などはもちろん使わないでください」

ワキの臭いが気になっている人は恥ずかしいかもしれませんが、勇気を出して病院を受診してみましょう。ちなみにワキ汗についてはどうでしょうか?

「ワキの汗については、とくに基準がありません。周囲の人と比較して量が多かったり、自分で多いなと感じたりするならば病院に相談するのがよいでしょう」(高須幹弥医師)

美容整形でできるワキ汗と臭い対策:ボツリヌストキシン注射/アポクリン汗腺除去手術/マイクロ波照射

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ここからは美容整形でできるワキ汗やワキの臭い対策について解説します。

ワキの汗や臭いがあまり強くない場合は、ボツリヌストキシン注射である程度の効果が出ます。注射だけで臭いと汗の両方を抑えることができるというわけです。効果の持続期間は平均すると半年~1年程度ですが、繰り返し注射を行うとアポクリン汗腺とエクリン汗腺が徐々に萎縮し、それにともなって臭いと汗が抑えられる持続期間は長くなっていくことが多いです。

ボツリヌストキシン注射では対応できない、強いワキの臭いにはアポクリン汗腺を除去する手術を行います。高須クリニックでは、クイック法/コンビネーション法/剪除法という3種類のアポクリン汗腺除去手術を行っており、臭いの強さによって選択する方法が異なります。

また、ミラドライという機器を使用し、マイクロ波を照射して汗腺にダメージを与えてワキの汗や臭いを抑える施術もあります。メスを使わない施術のため傷跡が残らないことと、1回の治療で長期間の治療効果が期待できるメリットがあります


1.ボツリヌストキシン注射
最初にも説明した通り、汗をかくことには体から熱を発散させ、体温の上がりすぎを防ぐ目的がありますが、ワキにかく汗には体温調節の役割はあまりありません。むしろ緊張による精神性発汗のほうが多いため、ワキ汗を抑えても体に悪影響が出ることは少ないといえます。したがってワキ汗が気になる人はボツリヌストキシンをワキに注射し、発汗を抑えるのがよいでしょう。ボツリヌストキシンはしわやエラの改善などにも使用される、美容整形ではメジャーな成分です。このボツリヌトキシンが交感神経に働きかけ、アポクリン腺やエクリン腺への刺激をブロック。汗のほか臭いの元も抑えられ、ワキ汗対策として効果が期待できます。

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2.クイック法
ワキの下に数ミリ程度の穴をあけ、極細のカニューレ(管)で臭いの元となるアポクリン汗腺を吸引する施術です。施術時間は30分程度と、比較的短時間で済みます。この施術によりアポクリン汗腺の数が減るので、臭いは確実に軽減され、日頃のお手入れがぐんとラクになります。あくまで臭いを「軽減する」だけで、100%除去するわけではありませんが、汗をかいたときやその日の衣服、体調によって臭いが気になることがあるという程度の人なら十分効果を実感できるでしょう。術後は1週間程度安静にしておく必要があります。

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3.コンビネーション法
クイック法と剪除法を組み合わせたのが、このコンビネーション法です。まずワキの下に数mm程度の穴をあけ、極細のカニューレでワキ周辺のアポクリン汗腺を吸引します(クイック法)。その後、ワキの下の皮膚を1cm程切開し、ワキ中央付近に密集しているアポクリン汗腺を除去します(剪除法)。2つの施術を行いますが、時間は50分程度。術後のダウンタイムはクイック法と同じくらいで痛みや腫れも少なく、当日からシャワーも可能です。中程度までのわきがの人に効果的で、臭いも汗も適度に減少させます。

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4.剪除(せんじょ)法
ワキの下の皮膚を3~4cm切開し、肉眼で判断できる限りのアポクリン汗腺を除去する施術です。施術時間はアポクリン汗腺の数にもよりますが60~120分程度です。アポクリン汗腺、エクリン汗腺、そして毛根の大部分を除去するため、臭いの大部分はなくなり、汗の量も減少。ワキ毛も薄くなります。クイック法に比べてやや長い安静期間(1~2週間程度)が必要ですが、術後はワキの臭いを気にせずに生活できるようになるでしょう。ワキ汗の量が多い多汗症の方にも効果的です。切開をするので、ワキにシワに沿った線状の傷が残りますが、ほとんど目立ちません。

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5.ミラドライ
照射したマイクロ波によって、皮膚内部の臭いの元となるアポクリン汗腺が存在する層を加熱。汗腺にダメージを与えて機能を停止させることで、ワキの汗や臭いを抑えます。
メスを使わずわきがやワキ汗の治療を行うため、傷あとが残りません。また入院や通院の必要がなく、日常生活にほとんど支障なく治療が可能です。治療後、数日間は激しい運動を避ければ、治療当日からシャワーも浴びられます。体への負担が少なく、1回の治療で長期間の治療効果が期待できます。

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施術の比較

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まとめ

・汗を出すエポクリン汗腺がワキに多かったり、緊張などによる精神性発汗が多かったりする人はワキ汗をかきやすい傾向がある
・ワキ汗の量や臭いは先天的な原因の場合が多く、個人の努力で改善するのは難しい
・生活に支障が出るほどのワキ汗や臭い(わきが)は病院に相談したほうがよい
・わきがかどうかは医師に臭いをかいで判断してもらうのがよい
・ワキ汗や臭いはボツリヌストキシン注射やアポクリン汗腺除去手術などで改善できる
・アポクリン汗腺除去手術は臭いの強さによって選択する手術が異なる。高須クリニックで行っている施術は弱いほうから順に、クイック法 < コンビネーション法 < 剪除法


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