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7/27ネット配信、インターネットからメイカームーブメントまで、踏まえたいオープン化

僕が書いているものや活動は、ほとんどがインターネットとオープンイノベーションが題材だ。
今週末、7/27土 19時(深センでは18時)のオンラインオープンデイでは、このようなことを話すつもりだ。インターネットとオープン性が何より大事で、その体験を飛ばしてIoTやAIの話をするのは徒労になる。
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https://zoom.us/webinar/register/4315590577309/WN_4wVeYshfTAy7jQowxznWiQ

2000年~オープンソースソフトウェア

2000年頃からオープンソースのソフトウェアが普及してソフトウェア開発が民主化された。それによりスタートアップ企業によるwebサービス開発が加速した。「ハッカーと画家」にあるような世界だ。

2005~クラウドコンピューティング+アクセラレータ

その流れは、2005年頃からオープンソースソフトウェアを土台にクラウドコンピューティングが普及してはじめ、大規模なサービス開発が民主化されたことによって、より加速した。
また、それによってサービス立ち上げの敷居が下がり、「新しいサービスに少額の出資を幅広く出す」というインキュベータやアクセラレータという投資ビジネスが普及してきた。

2010~メイカームーブメント初期(デジタル工作ツール)

2010年頃からAriduinoや3Dプリンタなどのデジタル工作ツールの普及が始まった。ハードウェアを手元でいじることが、それまでよりはだいぶ楽になった。民主化の第一歩だ。

2014~メイカームーブメント中期(ハードウェアスタートアップ,深圳)

このあたりは「メイカーズのエコシステム」で触れた話になる。
オバマ大統領がホワイトハウスでメイカーフェアを行い、クラウドファンディングがブームになった2014年~から、メイカームーブメントは産業の担い手として期待された。ハードウェア関係のアクセラレータも登場し、クラウドファンディングに現れるオモシロガジェットが騒がれる。
実際に、ハードウェアのエコシステムが揃っている中国深圳まわりではハードウェア関係の大企業がたくさん生まれた。世界のスマートホン製造業トップ10のうち7が中国企業で、多くが急成長した新興企業。他にもドローンのDJIや教育ツールのMakeblockなど、多くの企業が中国から出てきている。
中国以外では今のところ、ソフトウェアに比べてハードウェアのスタートアップは、数は多いものの、ソフトウェアのスタートアップに比べると「まだ発展途上」とも言えるだろう。

2016~メイカームーブメント後期(IoT+AI)

IoTについてはメイカームーブメント初期から注目されていたが、「ハードウェアそのものに魅力を持たせるのは、イテレーションの早い中国勢以外ではなかなか難しい」という現実が知れ渡って行くにつれて、より「インターネットの一部としてのハードウェア」に注目が集まりつつある。

「ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ」でも、コモディティ化されたハードウェアと魅力あるWebサービスについて語られている。
また、AIブームがにより、実世界のデータを集めることに注目が集まりつつある。

今後~(IoT+AI+ロボット)

書きたかったのはここからで、今後はインターネット(クラウド)が頭脳になって、その感覚器官がIoT、手足がロボットという時代になる。
今も未来も人間はフィジカルな空間に生きてフィジカルな食べ物や家に住んで暮らすものなので、情報とフィジカルの間をつなぐ、感覚器官としてのIoTや手足としてのロボットの重要性はずっと続く。
AI(機械学習)そのものはユニバーサルだが、どういうものをどう分析し、どう現実社会に再適応するかは、場面ごとに違う試行錯誤が必要になる。

中国は「中国製造2025」というスローガンで、このAIとハードウェアが繋がる時代に向かって、いちおうの目標を立てている。深圳まわりの高度化した技術、起業家の集まりは、その試行錯誤を助けていくはずだ。
ムーアの法則でハードウェアが急進化する時代とあわせて成長した深圳の製造業は、西欧的なオープンソースとは別の意味で水平分業やユルい連携を可能にする体制ができている。バニー・ファンはそれを「ゴンカイ(公開)」と表現している。

また、ゴンカイについては早稲田ビジネススクールの講義でも2コマ180分にわたって解説している。

インターネットやオープンソースを踏まえていないところで、IoTが話題になっていることを、日本の大手製造業などのインタビューでしばしば聞いて、そこには危機感を感じている。これまでのインターネットプラス研究所で、特に伊藤亜聖先生の報告書などで出てきた「軽いIoT」は、インターネットの延長線上としては正しい姿だ。
一方で、既存のシステムをインターネット上のプロトコルに置き換えただけだと、実効性のあるイノベーションは遠いのではないか。

今週末、7/27土 19時(深センでは18時)のオンラインオープンデイでは、このようなことを話すつもりだ。インターネットとオープン性が何より大事で、その体験を飛ばしてIoTやAIの話をするのは徒労になる。
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