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#JLCPCB #金属3Dプリンティング #SLM 事例共有イベントまとめ/録画 #makepcba

JLCPCBでは強度の高いSLM形式の金属3Dプリンティングが安価に

JLCPCBではSLM、レーザー溶融方式の3Dプリンティングが安価に使えます。材料は316Lステンレスで、レーザーで完全に溶かして固めているため、鋳物のような構造と質感になります。

↑この動画だと3:50ぐらいから金属3Dプリンティングの説明パート。

レーザーでステンレス粉末を溶かして固めることで金属3DプリンティングをするSLM方式。鉄の融点をこえる出力のレーザーを使っているため、チェンバー内は窒素充填している。

名前は知れ渡っていても、まだ利用者は少ないので、共有イベントを開催しました。

金属使い方のノウハウと3Dプリンティングのノウハウが両方必要になる

できあがるのは金属の塊なので、金属の使い方(手持ちのドリルビットでは刃が立たず、専用の工作機械が必要)が必要になります。一方で積層して作っていくのは3Dプリンティングそのもので、両方のノウハウが必要になります。

前回タカオさんが共有してくれたフルメタルスタックチャンの事例が多くの関心を呼んで、金属3Dプリンティングの事例共有イベントを開催しました。


フルダンボール #スタックチャン @syumme01さん

金属3Dプリンティング関係なく、フルダンボールで #スタックチャン ロボを作るプロジェクト @shumme01 さんはFablab浜松のメンバーで、Micro Maker Faire Hamamatsuにも参加します。
3Dプリンティングの外注とは違い、自分で加工できて、目の前で進捗が見られるのはとても良いことです。

メタル #スタックチャン 続報 タカオさん @mongonta555


#スタックチャン はオープンソースのロボットプラットフォーム。M5Stackをもとにしていますが、様々なマイコンボードに広がっています。タカオさんはすべて金属3Dプリントでフルメタル #スタックチャン を制作。
何度もシェルを出力し直すあいだに、同じJLCPCBで製造していても結果が違い、また梁などを当てることで出力ブレを出しづらくする方法など、知見が溜まってきています。

資料も公開されています。

  

金属3Dプリンタで流体機械を作りたい Nii @neet2121

DIYパワードスーツの、エアコンプレッサーで駆動する部品を作ったNiiさんはガチのハードウェア/メカエンジニアで、資料には詳細に今回の3Dプリントの評価がしてあります。
出力された面ごとに
面粗度の平滑さは、底面>側面>オーバーハング面>上面
などの評価や、ネジ穴の内部にスパッタのような突起が出ている様子のレポートなどは必見。
資料も公開されています。

実際にJLCPCBでは、出力後、ステンレスの粉まみれになっている出力物を人間が後処理して出荷しています。後処理は粉を落とすぐらいと聞きましたが、ボトムプレートから外すときにワイヤーカッターを使っている可能性や、穴の中に粉が残る可能性はありそうです。

金属3Dプリントで焼き印を作る @JA1TYE/Ryota Suzuki

#makepcba の共同Organizer @JA1TYE は焼印を3Dプリント。ステンレス製なので物質として安定していて、サビとも無縁なので、食べ物関連に使うのはおすすめかもしれません。
資料も公開されています。

金属3Dプリントで自作SMT実装機のノズルホルダを作ったよ 株式会社Kenos さいとう @cronos_sv

@cronos_svさんも産業機械での利用で、圧がかかる部品を3Dプリンティングしています。
-後加工でタップ(ねじ切り)ができるといい
-オーバーハング面が荒れる
などは他の出力事例も同じ。
Niiさんからの指摘にもありましたが、JLCPCBは今その手のエンジニア向けのガチな情報が少なく、どの出力方式でも「精度が高くて丈夫で……」などの宣伝文句が並んで、ガチの検討に役立たなくて、マーケティングがうまくいってないのが伺えます。

金属3Dプリントで無人機用部品 @flyingyacht1

水上無人機(飛行艇ドローン)を作っている@flyingyacht1さんの事例共有もガチ度が高く、同じ構造部品を一度作り直して、破壊テストも行っています。
-ハンマーで叩いたら、割れたり崩れるのでなくて曲がった
-普通にタップでネジ穴が切れた
などの実験はありがたい。
特に破壊テストに関するスライドは、一番注目を集めました。


今後もイベントを続けていきます

大きいフィードバックとして、
後処理
 -タップが切れる
プリンティングの制御
 -どの面から出力していくかを指定できないか
 -出力中の様子の動画などができないか
プリンティングの情報
 -出力サンプルを販売してほしい
 -どういうものがどう出力されるかの動画をたくさん出す
 -そもそも、金属3Dプリンティングの入力データと出力後事例をもっとだしてほしい

などは伝えられると思います。

中国で撮影したプロモ動画、実際に動画になると10分ですが撮影は1日かけて色々見て、全部はビデオに反映してない(たとえば金属3Dプリンティングの後処理は、見たけどビデオには入ってない)ので発表を聴いてフィードバックすることもありました。

今後も続けていきます。



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