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深圳福田区のアパート(住民3000人ぐらい)でいきなり隔離(封鎖管理/ロックダウン)始まった

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有料マガジン「深圳ほかアジアで見たり考えた、ふわっとしたこと」では、こういう長い文章でなくて、街を歩いてて気づいた未整理の雑な情報をスマホあげるフォトブログをやってます。あとで間違いだと気づくようなものも多いので、読者を制限したくて有料ブログにしています。
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週末だし、朝の涼しいうちにちょっと運動するか、と思って外に出ようとしたらいきなり社区(団地が集まったエリア。中国の行政単位の一つ。僕の社区は3000人ぐらいの住民が50棟ぐらいの小さい団地にそれぞれ分かれて住んでる)の入り口が閉鎖されていた。
どうやら陽性者が出て隔離(封鎖管理/ロックダウン)が始まるようだ。
中国のロックダウンについてはいろいろな話が出ていて、伝聞が独り歩きして大きくなったものも多い。行政区ごとの統治リソース余裕と、感染拡大のテンパり方によって実際に様々だ。
とりあえず自分が見た一次情報をまとめておく。

中国の隔離はいろいろ乱暴だ。僕の友人でも、「1ヶ月出張中の友達が、帰ってないシェアハウスで陽性者が出て、出張中なのに隔離された」みたいな例を直接聞いた。アホだ。
一方で、隔離と感染防止が目的なので、隔離側のリソースに余裕がある場合は、暴徒鎮圧みたいな剣呑な雰囲気にならない。
深圳では8月28日現在、1700万人の人口に対して陽性者が12人と、それなりに余裕がある。一時期の上海みたいに流通を止めても感染抑止、という段階にはなってない。
一方で、陽性者の立ち寄った地下鉄駅がいきなり数日間封鎖されることがあるぐらいにはテンパってもいる。
僕も、このまま2週間や1ヶ月経ったらなにかおかしくなるかもしれない。

隔離の大原則と実装

-住民を社区から(できれば部屋から)出れなくする
-弁当の出前やスーパーからの生活用品宅配も禁止
-その状態で全員をしらみつぶしにPCR検査する
-新しい患者が出なくなってxx日出れば危険度ナシとして開放

なのだが、部屋から出さない封鎖はメシの上げ下げ、ゴミ出しなど、管理する方にムチャクチャ工数や人員のリソースがかかる。

政府文書。住所っぽいところや電話番号は抜いた。

↑この政府からのお触れでは全面禁止となっているが、実際はガチで陽性者が出た建物を高危険区として人員を割り当ててかなり厳格に管理、残りの建物(僕もそちら)では、初日の今日は1箇所の入り口に限定して出前とスーパー配送は黙認されていた。自分もちょっと心細くなっていたトイレットペーパーの在庫を購入。ただしこれはあくまでお触れの外側なので、いつまでできるかわからない。

直接配達員から受け取れず、バケツリレーする人員がいる。足りないと門番が駆り出される。僕はこの外部と接続するエリアに入れない

出入り口の門番がわざわざ配達員とやりとりして持ってくるので大変だ。こちらも、配達員が来たらすぐ社区の出口に行かないとならない。中国語でコミュニケーションできないと大変だろう。

食事は届くが配送が間に合わない

外に出さない、出前も禁止のかわりに政府(上記の政府文書では「街道」という行政単位)がご飯を配給してくれることになっていて、実際に社区の広場にドカンとメシが届いていた。

が、これを各部屋に配給する体制は社区側の管理人が考えないとならない。昼に配送されたご飯がビル下(連絡されて取りに行く)に届いたのは16時近くなっていたし、夕食は「各部屋に運ぶ」という指示があったものの、結局僕のビルでは21時頃に「下まで来たから取りに来い」と連絡があった。

ご飯そのものはおいしい。ちょっと冷めていたけど許容範囲に収まるぐらい。米が多すぎで半分残したけど。左上のアヒル肉は、もし置いといて後で食べても美味しいだろう。

↑こういうの、客が減る近所の食堂から調達するのかなあ。
アヒル肉とかあって、慌てて調達したにしては豪勢だけど、予算はどこから支払われるのだろう。

荒れる住民チャット

いつ出れるのかわからないのは困る。また、話が二転三転するのも困るし、ルール上NGとなってる行為をみんながやってるのも気持ち悪い。
なので、住民チャットは荒れている。
とはいえ、チャット上の社区管理人もたいした権限ないだろうし、すごい事務処理能力があるわけでもなさそうだ。僕はあまり積極的に情報取りに行く気になれない。
個人的にはメシはどうでもよくてさっさと各戸PCRをしてほしく、その準備がメシより遅いのはとても不満なのだが、僕が言っても速くならないだろう。何よりテンパってる人と話すとこっちも気を使うので嫌だ。

一番盛り上がっている話題は、行政文書にある「封鎖されたので出社できません書類」をどうやって取得するか、だ。これがあると会社で出社扱いになるらしいが、僕はさしあたって関係ない。

ごめんなさいメッセージ

僕のいる社区の大半は万科グループ不動産がまとめてサービスアパートになっているのだけど、そこの管理人が入居者への一次対応をしている。「明日朝ごはんも配給するんだけど、手が回ってなくて、待たせてごめんなさいね」みたいな連絡が夜11時近くになって入った。
管理人は通いだった気がするし、サービス時間は午後1-21時ぐらいまでだったはずだ。(トイレ壊れたとか、緊急時は呼び出せるけど)
今回の件で超過勤務手当は出るのかな。

全戸に人が貼り付けられたが、この人たちは行政からの派遣で、万科グループ不動産のアパート管理人とは指揮系統が違うはずで、そういうのも混乱の原因になってるだろう。

どうなるかはPCRの結果次第

もう夜10時を回っているが、いちおう一晩かけて全戸のPCRはやるんだろうし、明日の昼過ぎには結果が出るだろう。それでモリモリ広がっているようなら追加の人員が突っ込まれるか人権を制限する方向で隔離は厳格になるだろうし、今いくつかのビルをガッチリ閉鎖したことで収まるようなら、今日みたいな状態が数日続いて開放されるのだろう。

号令と実装が違うことは中国ではよくあるし、現場の裁量が大きい(ちゃんとしたマニュアルや運用ができない)のも、人々が注意を無視しまくることも中国ではよくある。前もって準備できることはあんまりないけど、変化する状況をいちいち確認していると時間とストレスが蝕まれていく
濃厚接触者の場合はそのビルだけ閉鎖されて全員がPCRされ、結果がOKなら翌日には開放されるが、今回は陽性者なので、1週間ぐらいになることぐらいまで予想したほうがよさそうで、取引先に会議のリスケやリモートになる
かもしれないと依頼をした。
一つ、どうしてもリモートだと難しそうなオンラインイベントが、今週末まで隔離が長引くと延期して再度募集し直しになるのが残念だ。

夜10:46になって3人組のPCR検査チームが登場 暑い中大変だ。ガイジンの相手は初めてらしく、「ワシ外人なので中国の身分証がなくて…」などを説明
一人暮らしであることと、今日のPCR終了のシール(3月の一斉検査の使い回し)を張っていった。何回これやると開放なんだろう…

とりあえず健康なのはありがたい

僕みたいな仕事をしてるといろんな国に友だちができる。日本やシンガポール、欧州の友人は何人もがコロナに感染している。たいていの友人はすっかり回復しているが、ひどいことになった友達も何人かいる。幸い死んだ人はいないが、家族が集中治療室とか、今もどうも後遺症なんじゃないかぐらいの例はいくつか聞いている。
一方で中国大陸にたくさんいる友人たちはまだ感染ゼロで、乱暴なコロナ対策で困ることはあるけど、生死や後遺症の心配をしないで、イベントや旅行にでかけていけるのはありがたい。

深圳はいくらでも旨いものがあり、友達と旨いものを食べ歩けないのはとても不快だが、現状僕がなにかしてこの社区で現状を変えられることはあまりない。
たぶんこの社区僕しか日本人いないらしいし、いい歳の先進国民で気楽な独り者として不要に騒ぐのも嫌だ。(家族もこっちにいたら、大変さは何倍にもなるだろう)
しばらく溜まったデスクワークを片付けつつ、一応隔離の状況を書いておこうと思う。

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