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ほぼノンフィクション小説【創成期】

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※現在執筆進行中です。 これは実体験に基づいたエピソードを小説家したものです。 母との死別、引きこもりをした少年がどうやって人生を取り戻していったか、それらをストーリーとして記…
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#毎日投稿

P15 沈黙と問い

戸口に手をかけた瞬間 また理性の抵抗だろうか、なぜかこれまでの様々な体験が頭に浮かんだ。…

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P14 音がなる

その2日後の朝、私はひとつの決意を決めていた。 今度彼が訪ねた時は会ってみようと。 結局…

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P13  人を閉じ込めるもの

それから2日おきにその男性は家にやってきた。 私は応答しなくても、彼の存在を知ることが出…

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P12  答えのない問い

パンドラの箱のような手紙を開いた瞬間、私は一瞬戸惑った。 きっと、びっしりと小難しく、非…

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P11   パンドラの手紙

その便箋は綺麗に三つ折りされていた状態で封入されており、取り出した時点ではそこになにが記…

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P9 無の弾手

頻繁に過去に飛ぶ私の意識を呼び戻すように、また玄関のチャイムが鳴った。 2年の引きこもり…

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P5 幻想とうつろ

私が「死」というものを理解したのは12の時だ。 前の宵、おやすみの言葉をかけた相手が、翌日の朝、冷たい肉塊と化していたのだ。 その日の朝、不安と驚きが入り混じった姉の騒がしい声で私は目覚めた。 母の寝室に向かうと、側で眠っていた姉が必死に母を揺り起こそうとしていた。 それらが視野に入るが否や、私はいつもと”なにか”が違っているのが感じられた。 その部屋に漂うものか、あるいは欠けてしまったものが、私に何かを訴ているような気がしたのだ。 ここでなにかが終わり、”なにか