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向こう側へ行こう - Get On The Otherside

大なり小なり何かしらの変化を余儀なくされた停滞の約2年を経てようやく世界の時計の針が動き出した感のある今日この頃。それを象徴するかのようなタイミングでボビー・オローサの待望のニューアルバム「Get On The Otherside」がリリースされました。先行でリリースされていた「I Got Love」と「The Otherside」は前作「This Love」のヴィンテージソウル路線を踏襲する大名曲。

ようやく実物を手にして、同封された日本語テキストを読んでいたら完全に見過ごしていた重要なピースがあったことに気がつきました。それは「歌詞」です。

切ないラブソングのようでありながら、前者には何にでも値札を付けて売り出し、ただ消費していくだけの世の中に対して静かに中指を立てる抵抗の意思。後者には先行きの見えない真っ暗な世界から新たな時代の可能性を探し出し、それを掴み取ろうとする力強い決意が込められています。こんなこと歌っていたのか…ボビー最高かよ!ってなりましたよね。

南米の血を引き、フィンランドの移民コミュニティで育ったという彼の多様なバックグラウンドがわかるインタビューもすごく面白かった。一貫してクールにきこえるボビーの音楽ですが、その胸に秘めた想いは実はとんでもなく熱い。根っこにあるのは「これから」の世界の可能性に向けて前進しようとする強い意志に他ならないのではないかと。そして、もしかすると彼の音楽はこの先にまだ変化していくのかもしれません。

このアルバム、よくきいてみると単に「ソウル」の文脈だけでは語りきれないような要素がたくさんあることに気がつきます。その一端を垣間みれる今作の収録曲をちょっとご紹介。

ブルージーかつジャジーなボビーの素晴らしいギタープレイがきける「Passing Thing」

ニューエイジやアンビエントミュージックのような瑞々しい響きの「Real Connection」

未知のウイルスが引き起こしたパンデミックのせいで世界中が行き先を見失い迷子になった。諦めと不安を抱えながら日々を過ごしている人もまだまだ多い。そんな中「大丈夫。さぁ向こう側へ行こう(Get On The Otherside)」と音盤を再生するたびにボビーは優しく歌いかけてくれる。何度も何度も繰り返しこのアルバムをきいてしまうのは、自分もそんな風にずっと誰かに肩を押して欲しかったからなのかもしれない。昔に戻るのではなくどうせなら僕も新しいところへ行きたい。あぁ…ボビーのライブが観たくて、心がザワザワしてきた!

Bobby Orozaの最新スタジオライブ映像がYouTubeに上がってました。ボビーの艶っぽい歌とこのギタープレイよ…ヤバすぎる!



次はボビーの音楽性を掘り下げるようなことを書いてみます。(書きました↓)



で、6.17(金)にアルバムリリースを祝う小さなパーティーを開催します。オールナイトイベントではなく終電くらいには終わる予定。ご都合つく方はぜひお越し下さい。風通しのよい新しい世界に向かって🍻しましょう。


6.19(日)には、Bobby Oroza "Get On The Otherside" Release DJ Party、東京編も!

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